医療マーケティングの片隅から

医療ライター・医療系定性調査インタビューアーとして活動しています。独立30年を機に改題しました。

キャリーバッグを新調

2011年10月31日 | 旅★日記

10年ぶりにキャリーバッグを買いました。

これまでは、黒の1ー2泊用のキャリーバッグ(写真右側)がわたしの出張を支えてくれていた。
ANAの通販品で、もう10年以上、かなり手荒に扱っているが、びくともしない。

わたしはこの黒キャリーくんとともに、全国を旅してきた。
よく、お仕事をくださる方や、いろいろな方から

「ナカホさんっていつもいないみたいですけど、どれくらい出張してるんですか?」

と訊かれるが、多い年では年間60日間、つまり1年のうち2ヶ月間出張である。
そのほとんどが、このバッグといっしょだったので、よき相棒のような気がしてならない。

なにぶん、ひと昔前のものなので、タイヤは2輪。
それだけならまだいいが、問題は「騒音」である。マンションから出ると、近所中にけたたましく「お出ましだ~!」と宣言することになり、早朝や深夜は少し気が引ける。それでも使い続けているのは、ひとえに相棒としての愛着ゆえ。

だが、ここのところ、3泊以上の出張だの、着物(沖縄系)を持っていく旅行だのが増えたので、ついにひと回り大きいのを買うことにした。日数に応じてどちらも使うので、「買い替え」じゃなくて、「買い足し」だ。

布地張りの安めのでもいいかな、と思っていたのだが、サムソナイトの50ℓ用のあまりの軽さにいたく感動してしまった。4輪だし、音も静かだし、もうさすがにいたるところが進化していて、いちいち感動していた。10数年ぶりの冷蔵庫の買い換えで、「勝手に氷」ができるのを見て夫婦で感動してしまい(どの製品でも標準装備だった)、ビックカメラの人が引いていた、あの時のようだ!

キャリーバッグで特に目をひいたのはやはり「軽さ」。年齢を考えると、これから買うものは、素材が軽いことはかなりポイントが高い。だんだんモノ選びの視点がババくさくなってきているのがなんだが、重たいバッグはふだんでももう遠ざけるようになっており、ナイロン製のリュックサックの味をしめたら、もう革のバッグには戻れなくなった。グッチのバンブーバックとかね、重くて持てやしない(持ってないけど)。以前はなんともなかったバスクラのケースの重さが、やけに身にしむ今日このごろ・・・。

店頭のモニターでは、このキャリーバッグがとても衝撃に強いということを訴えるCMを流していた。なんでも車が突進して一旦つぶれても立ち直るのだそうだ。あんな衝撃を受けたらバッグの前にこちらがあの世行きだが、とにかく海外旅行に耐えうる強さのよう。お値段は張ったけれど(じつに予算額の2倍)、これから少なくとも10年間は、きっちり働いてもらいますぞ。

ちなみに東急東横店の売り場には、このくらい(3-4泊用)のキャリーバッグが多かった。
韓国旅行用のニーズが多いかららしい。なるほどねぇ。

 

 

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「40代のマンモグラフィ検診」に決着

2011年10月26日 | 「がん」について

 

9月はまるまるブログをさぼっていたのだが(見ればおわかりの通り・・・)、じつは2週続けて、仙台に行った。最初は9月2-4日の日本乳癌学会参加のため。そして翌週は、仙台定禅寺ストリートジャズフェスティバル・通称ジャズフェスに出演するためである。で、今日お伝えしたいのは、前者のほうのお話。乳がん学会からのトピックス。

 

以前、このブログでもマンモグラフィ検診についてとりあげたが、その後、2009年には米国で、40歳台のマンモグラフィ検診は「推奨せず」、という声明が出た。理由はどうやら活発な乳腺組織が白く映ってしまい判断がつきかねるから、ということだったと思う。その後のがん関係の学会では、この話題が出ると、「米国の国情(検診予算の削減)などによるところが大きいのでは」などという話が出て、「日本では当面静観しておくか」というところで一致しており、日米間の協調はなされず、なんとなくうやむやになった感があった。かたや、「余命2ヶ月の花嫁」関連のキャラバンで、急に乳がんが心配になった20代女子がこぞってマンモグラフィ検診を受けるという、国際的には珍奇な現象も起きた。受診する気持ち自体はべつに悪いことではないが、乳がんの発症は40代以降に多く、20代が受けることは、放射線被曝などのデメリットが利益を上回る。おそらくどの国でも推奨されてはいない。

 

さて、問題は40代。
その結論は果たして、と思っていたところ、今回の乳がん学会の複数の講演で、「40代女性もやはりマンモグラフィ検診を受けるべき」という話が聞けた。以下、要点をお伝えする。

 

日本人女性のマンモグラフィ検診受診率は31%であるが、7割の女性が受診するようになれば、計算上、確実に乳がんによる死亡率を下げることができる。一例として、宮城県は乳がん検診に積極的で、50%がマンモグラフィ検診を受診しているが、死亡率は全国平均より低く、しかも2年連続で下がっている

乳がん発症年齢のピークは45~49歳だが、日本ではその年齢での発症が増加傾向。さらに、世界的には乳がん人口は右肩下がりなのに、アジアだけは罹患率が上昇しているのは、40代のマンモグラフィ検診受診率が低いのが要因

スウェーデンでは、国の対策型検診(いわゆる「制度検診」です)にマンモグラフィを導入したところ、乳がん死亡率は44%低下。40代に至っては、48%減少させることができた

 

なるほど、やれば効果があるというのは数値的に検証されたようだ。
しかし、「乳腺が多くて画像が白くて何も映らない」という話はどうなったのだろう。

たしかに、40代の場合画像の「感度は低め」で、70%程度の精度とのこと。でも、統計上、マンモグラフィ検診によるがん死リスク低減効果は、40-69歳を対象にしたデータでも、40-49歳を対象にしたデータでもほとんど変わらないので、「40代にとっても十分に効果がある」そうだ。つまり、画像の精度が上の年代より少し落ちるというデメリットがあっても、受診することにはそれを上回るメリットがある。何しろ、発症しやすい年齢だから、受ける意味は十分にあるというわけだ。

私が注目したのは、マンモグラフィ検診は「2方向検診が前提」というコメントがあったこと。これはですね、片方につきタテ、ヨコ、2回挟んで撮影するということだが、日本では乳癌検診学会のガイドラインを見ても、2方向撮影は、精密検査用のマンモグラフィが備えるべき要素とされている。一般のがん検診で、2方向撮影はどの程度実施されているのだろう(ご存じの方、いらしたらご教示いただきたい)。

実際、「予算的な事情で1方向のみ」なんて自治体もあるかの話を聞くが、1方向でのがん予防効果は担保されていないならば、意味がない検査を受けていることになる。1回とはいえ、痛い思いとそれなりの被曝をして、精度の低い検診を受けさせられるのはなんだかなあ・・・。そういう検診を受けている方は、その検診の主催者(企業や自治体など健康保険の窓口)に、疑問の声を伝えるとよろしいのではないかと。

 

明日からの「がん治療学会」を目前に、なんとか「乳がん学会」の整理が間に合った。ふう。

 

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