まぼろし～！！

（瞳孔検査の後、受付の前で）


オッサン：「うわぁー、

眩しくて目を開けてられへん」



オバハン：「美しすぎて？」



オッサン：「わぉー

楊貴妃（ようきひ）が立ってる・・・」



オバハン：「あはははは」



オッサン：「先生！

やっぱ、ワテの目正常にモノが見えてまへんでー

ブ・ブ・・・

ブタが、紅（くれない）の豚に見えました」



オバハン：「今、ブスと云おうとしたでしょうー」



オッサン：「ワテかて、

云うてエエことと悪いことの分別くらいモッテル


　　　ブサイクと云おうとしただけや」



オバハン：「全然

分別も優しさのカケラもモッテナイ」


オッサン：「そんな断言されたら

傷ついて立ち直れんようになるやんか」



オバハン：「それは私のセリフ


アナタは何があってもダ・イ・ジョ・ウ・ブ」




オッサン：「そんな褒めたら照れるがなー


先生！！

この生き物、裂け目から黒い液を出してますけど」



オバハン：「これはシワ（皺）、

そしてこれはひやあせ（冷や汗）でマスカラがオチタから」




オッサン：「なんでや、

悪いことでもしたんか？？？」



オバハン：「したのはア・ナ・タ」



オッサン：「先生、せんせーい！


この人ひやじる（冷汁）が土石流になって顔面がグチャグチャです。」



先生：「診察中ですから」（笑いながら）



オッサン：「アンタのお陰で怒られたやないかー

綺麗な受付のオネエチャンにも嫌われてしもたんちゃうかー」





オバハン：「上手にそこに流れますねー」




オッサン：「アンタなー、

ワテは漂流者か」



オバハン：「逃亡者」



オッサン：「そうそう、

妻殺しの冤罪を背負った・・・リチャードキンブル」



オバハン：「面白かったですねー


真犯人を探しながら全国を旅して」



オッサン：「コラー

全国を旅したら水戸黄門になってまうやろー


アメリカアメリカ、全米中を逃げ回ったんや」



オバハン：「でも、、、

あれは濡れ衣なんですよねー」



オッサン：「そやから、、、

さいぜん（最前）から云うてるやんか、えんざい（冤罪）やと」



オバハン：「サイセンでゼンザイ？」


オッサン：「コラー！

アズキに手を合わすあほがどこにいてるんや？」



オバハン：「・・・」



オッサン：「手を挙げるなー

オネエチャンがひっくり返ってはるやないか


お陰で何の話をしてたか分からんようになってしもた。


ホナ、、、帰ろか」


（眼科を出て）

オッサン：「今日も、

バカウケやったなー」