蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

来年もよろしくお願いいたします。

2004-12-31 15:20:38 | Weblog
今年も残すところ本日のみとなりました。
いろいろとありましたが、5月からブログを始めてたくさんの人と知り合いになれて楽しい一年だったなと。
ということで、今日は今年をちょろっと振り返ってみたいと思います。

■全体として
最初はpv数4くらいから始めたのですが、今年の最高pv数は瞬間的に4000越えました(驚)。
ユニークipアドレス数も瞬間最大で1400超え、まさに驚き、そしていつも読んで頂いている皆様のおかげでございます、ありがとうございます。
pv数4の頃から、そして今もこのブログのスタンスは変わってないつもりなんですが、今後ともお付き合い頂ければ幸いです。

うちのブログのコンテンツとしては、大体大分類で3つ、さらに分けると5つくらいに分類されるということに自分でもようやく気が付いたかな(笑)。
カテゴリーとしては、

マンガ(ジャンプ系少年誌、単行本お勧め紹介)
小説(これはお勧めのみかな)
アニメ(ガンダムSEED系、お勧めアニメ感想)

こんな感じでしょうか。
ベースはこんな感じなんですが、面白い記事があればカテゴリーに縛られず取り込んで行こうと思います。
では、それぞれのカテゴリで振り返ってみたいと思います。

■マンガ
今年はたくさんの良作にめぐり合えた気がします。
「PLUTO」はもちろん、「おおきく振りかぶって」や何と言っても「のだめカンタービレ」、これは本当に良作でした。
「超個人的お勧めマンガ」紹介では選定コンセプトの違いから「のだめ」を入れませんでしたが、個人的には今年であったマンガの中ではこれが一番でした、実は。
「のだめ」の感想もうちでは書いているので、「のだめ」読んでみようか迷っている人がいたらうちのカテゴリー「コミック 感想」をクリックすると1巻~9巻までの感想が入ってますので参考になれば幸いです。

一応、超個人的お勧めマンガのBest3を再掲すると、
■第3位:おおきく振りかぶって
■第2位:よつばと!
■第1位:PLUTO(プルートゥ)
いずれ劣らぬ、良作ぞろいでした(嬉)。

そして、今年は個人的にモノを言わせて貰えば、ハルちゃんの年であったと言っても過言ではない(明らかに言い過ぎです)。
ハルちゃんをご存じない方に軽くフォローを入れますと、ジャンプに連載しているリボーンというマンガがありまして、そこに登場する影のヒロイン、それがハルちゃんです。
リボーンは連載当初面白くないなぁなんて思ってたのが、今ではどうですか?人気作品の仲間入りを果たしています。
これは間違いなくハルちゃん効果ですね(いや、それだけじゃないから)。
なんと言っても「ハルちゃん同盟」まで出来てますから(いやそれうちと懇意にしてくれてるサイトさんで共謀(凶暴)して作ったやつだから)。
しかもロゴまであります(いやそれ頼み込んで作ってもらったやつだから、梓さんに)。

今年は祭りもできたし、満足、満足(自己満足)。
ハルちゃん同盟の皆様、今年はほんと楽しかったですが、来年もハルちゃん応援で行きましょう!
ハルちゃんフォーエバー!!


さて、次は、

■小説
今年は個人的には「奈須きのこ」、「西尾維新」、「冲方丁(うぶかたとう)」、「今野緒雪」、「小野不由美」この5人でしたね、個人的には。
特に冲方丁(うぶかたとう)先生には大変お世話になりました。何度読み返したことか。

超個人的お勧め小説を再掲すると
■第3位:空の境界
■第2位:神様のパズル
■第1位:マルドゥック・スクランブル
こんな感じでしたね。

小野先生は新刊出してませんが、私が今年遅ればせながら『十二国記』を読み、その世界観の秀逸さ、そして何より作者の文章の美しさにいたく感動しましたね。
一番好きなのは『風の万里 黎明の空』『黄昏の岸 暁の天』かな。
あと『図南の翼』でその意味が語られるシーンも好き。
十二国記シリーズは素晴らしい名著なので、未読の方は是非ご一読を。

そして今年を彩ってくれたのは間違いなく今野先生の『マリア様がみてる』シリーズですな。
何度癒されたことか・・・。
キャラがそれぞれ魅力的なだけでも読む価値はあるんですが、やはりこの『マリみて』シリーズは珠玉の相互理解ストーリーなんですね。
この辺を意識して読むとなんとも言えずまた癒されます。
7月の時点でこんなにはまるとは思って無かったよ・・・(あんなに購入をためらっていたのに)。
ということで『マリみて』シリーズ、こちらもお勧めでございます(感想記事は左のマリみてカテゴリから参照できます)。

そして今は冲方丁さんの『カオス・レギン』の最終巻が出たこともあって7冊まとめて購入しました。
年明けから読み始める予定です(すげー楽しみ)。
また来月には出るであろう、西尾さんの『ネコソギラジカル』の最終巻が出るはず?なので、それを楽しみにしたいと思います。
最後に忘れてならないのがランゲージダイアリーのあいばゆうじさんが初めて公開したWeb小説『夢守教会 少女のケニング』
ジャンプ読みの人や、DESTINY大好きな人はまずこの人の考察を読んで目から鱗をはがしておいてください(笑)。
そんな彼が執筆した作品は初小説とは思えないくらい完成度高いですよ。
#ちなみにあいばさんもハルちゃん同盟員ですから(実はコレが言いたかった(えー))。

■アニメ
今年は特に秋からの新番組が凄かった。
ガンダムSEED DESTINYの出来の良さは群を抜いているとは言え、その他の深夜放送が熱かったですね。
放映本数もさることながら、内容も深夜とは思えないほどレベルが高く、ストーリー重視でも十分堪能できる作品がたくさんありました。
終了した作品から振り返ってみると、
■KURAU Phantom Memory
非常に地味で静かな作品でしたが、一貫した雰囲気、テーマの昇華などさすがハガレンを作ったボンズの作品、いい仕事してくれたなと。
総括を含めた最終話感想はこちら
■蒼穹のファフナー
これは本当に素晴らしかった。特に後半の盛り上がりは尋常じゃなかったですね。
できれば最初から冲方さんが脚本を書いたファフナーが観たかったと思った人は少なくないはず?
この作品との出会いが、来年のこのブログの最初の記事に影響を及ぼす可能性が高いです(謎)。
こちらも総括を含めた最終回感想はこちら
■佳作:神無月の巫女とうたかた
感想は書くことはありませんでしたが、この秋ずっとウォッチしていたのがこの「神無月の巫女」と「うたかた」。
1クールで終了ですので大作ではありませんが、一定のレベルをずっとキープして最終回まで良いテンションを保ってくれた良作だったかなと(これについては異論もあるでしょうが一応僕はそういう解釈)。
この両作品を対比してみると結構面白くて、「神無月の巫女」が変わりたいと願う気持ちを持ちながらも、最後に全てを承知して例え苦しくとも愛しい人に会うために永遠の循環を選択をした作品であるならば、「うたかた」では同じく変わりたいと願う気持ちを持ちつつ、愛してくれる人たちに再び会うために本当に変わるための一歩を踏み出した作品であり、またそれが永続していく問い掛けであるという、変わらないことと変わることを選択した正反対の作品であるのに、どちらも永続していくというエンディングだったのが興味深かったですね。

■来年は:間違いなく舞-HiMEと巌窟王
この秋始まった作品の中でも舞-HiMEと巌窟王は群を抜いて面白い、これは来年も間違いなく高いレベルの作品になりそうです。
来年からはガンダムSEED DESTINYと舞-HiME、巌窟王を軸にあといくつ面白い作品が出てくるか、今から楽しみです。
あまり新作のウォッチとかしてないんで、お勧めがあったら教えてください(笑)。

書き残した記事もたくさんありますが、とりあえずはこの辺で。
皆様良いお年を。そして来年もよろしくお願いいたします。

超個人的お勧め小説 第1位 『マルドゥック・スクランブル』

2004-12-29 16:00:00 | 小説 感想
超個人的お勧め小説も最後の1作品になりました。
恐らく「蒼穹のファフナー」の感想を読んでくれて、僕がどんな作品が好きかを知っている人は既に予想ついてるんじゃないかと思うんですが、改めてその傑作をご紹介したいと思います。
今回はいつものコンセプトをちょっとだけ逸脱します。
しかし、それでも推薦したい、それほどの作品です。

■超個人的お勧め小説 選定コンセプト■
1.広義のSF系作品
2.男女ともにお勧めできる作品
3.3巻以内で完結する作品

このうち、2番の項目ですが今回は女性にはちょっとハードかもしれない。
それでも「攻殻機動隊」や「マトリックス」「LEON」の世界観がOKな人は是非読んでみてください。今一番お勧めの作家さんです。
それではご紹介します、超個人的お勧め小説 第1位は、

■冲方丁(うぶかたとう) 『マルドゥック・スクランブル』 ハヤカワ文庫JA
第1巻「圧縮」 / 第2巻「燃焼」 / 第3巻「排気」
-第24回 日本SF大賞受賞作品-

近年読んだSF小説の中で最高傑作!!と声を大にして言いたいのです。
既に私は今年だけでこの小説を3冊×3回読み返していますが、それだけ読み返してもまだ面白い、まだ新しい発見がある、とにかく緻密に計算された構図とそれによって浮かび上がるシンプルなテーマに酔いしれて下さい。
つい最近、素晴らしい盛り上がりを見せて放送終了した「蒼穹のファフナー」の後半部分の脚本を担当していたのも記憶に新しいですね。
冲方さん本格参入後のファフナーの面白さを観ても彼が稀有の才能を持った作家さんだと言うことがお分かり頂けると思います。

■少女と黄金のネズミと銃
本作の主人公はある事件に巻き込まれて瀕死の重傷を負い、特殊な科学技術によって九死に一生を得た15歳の少女と、その相棒となる金色のネズミ。
しかもただのネズミではなく、こちらも特殊な科学技術によって奇跡的に誕生した人間よりも人間らしいネズミ、そしてユニバーサル・ウェポン=万能兵器としてどんなものにもターンできるネズミとその使い手となる二人の物語。
めちゃめちゃSF的要素が強いですが、実はこういった設定すら本作のテーマを浮き上がらせるために練られた設定に過ぎないと言えます。
本作のテーマは「果てない自分探し」にあり、全ての描写、全ての壮絶な銃撃戦、全ての鋭敏な神経戦、がここに収斂していくプロセスは読み終わった瞬間に、しばらく他のことを考えることができないほど感動的です。

■緻密に計算された対比構造(これは絶品!)
本作では暴力的な表現や、(今の世間に共通するような)悲惨な世界観が描かれたりするのですが、それによって逆に鮮烈に浮かび上がるのは倫理観だったりするわけです。
銃撃戦の最中、銃弾を銃弾で弾き返すほどの苛烈な緊張感に溢れたアクションシーンが目立てば目立つほど、そこに描かれるのは主人公たちが抱える心の「焦げ付き」だったりするわけです。
随所に隠されたこの対比構造に酔いしれて欲しい、そしてその対比構造が明らかにするテーマに気が付いたとき、この作品が終わりに近づくにつれ、1行1行、1文字1文字がいとおしく、ずっとこの作品を味わっていたい、そんな思いに駆られます。

例えば、主人公の少女バロットは抑圧された環境で耐えてきたにも関わらず冒頭で一度死んだも同然の状態に陥ります。
その彼女が力を得て復活し、こともあろうに暴走してしまいます。しかし暴走し、絶望することで少女はひとつひとつ学びます。大事なことは何かを。
それは子供がひとつひとつ、親に怒られながら何かを学んでいくプロセスのように。
そういった成長が過激な描写の中に丁寧に丁寧に盛り込まれているわけです。
そしてそれは温かさに満ちた表現なのです。

■信じられないほどの緊張感
本作の構想というか執筆は「マトリックス」より前だそうですが、「マトリックス」をご覧になった方は銃撃戦の最中、飛来する銃弾をかわしていく、そして銃弾を銃弾で叩き落す、こういうシーンがいかに緊張感があるかお分かり頂けると思います。
そんな映像の緊張感を超えていく緊張感があるとしたら?、しかもそれが文章の中にあるとしたら信じられますか?
銃撃戦だけでも悶絶しそうなレベルなのに、それの上を行く表現があるとしたら信じられますか?
しかもそれが、カジノでのルーレットでの真剣勝負であったり、カードが飛び交うブラック・ジャックの勝負の中にあるとしたら信じられますか?
ここにありました。
もう驚愕するほどに。
主人公バロットと黄金のネズミ=ウフコックは、銃撃戦でももちろん命を削るギリギリの戦いを演じますが、特筆すべきは自分達の運命をかけた勝負をカジノで行い、文字通り精神をギリギリまで削っての勝負を演じる、このシーンは恐らく他の作品に類を見ないほどの興奮と感動を与えてくれることを保証いたします。
冲方 丁(うぶかたとう)さんがあとがきで「精神の血の一滴」という表現をしているのですが、まさに本作は著者の「精神の血の一滴」を存分に流し込んだ傑作という他ありません。

■何故、自分なのか?
主人公バロットはもともと、戦うことを放棄した存在だったんですが、それによって自分を失い、命を失ってしまいます。
そんな彼女は蘇生した今、自らの意思で戦うことによって自分を一つずつ掘り当て、見つけていくことができる。
もう一人の主人公、黄金のネズミ=ウフコックは、自らは戦いを好まないのに、万能の武器であるがゆえに、戦うことでしか自分の存在意義を表現できない。
そして最大の敵となるボイルドもまた、戦いの中で自分をすりきらせ、自分を消失していくけれど、そこにしか自分の居場所を見出せない。
彼らは戦いの中に自分の心の「焦げ付き」を投影していて、戦いの中にしか自分を見つけていく術を持たない、そんな悲しい側面を持ちながらも、やはりエンディングで辿り着いていくプロセスは救いに満ちている。
ここが本作の対比構造のキモであり、テーマを浮かび上がらせるポイントになっています。
SF的描写や暴力的な表現が鋭さを増せば増すほど、こういうポイントが研ぎ澄まされ見えてくる、こんな感覚に酔いしれて頂きたいですね。

■最後に
「蒼穹のファフナー」で冲方 丁さんにはまった人や、攻殻機動隊の世界観が好きな人(イノセンスは別ね、あれほど哲学的ではないから)、そしてジャン・レノ、ナタリー・ポートマンの「LEON」が好きな人には本作、非常にお勧めです。

1年間に3冊×3回=9冊も読み返した作品はこれが初めてです。
そして何度読んでも面白い、何度読んでも緊張感を味わえる、何度読んでも切なくなる、私燕。自信を持ってお勧め致します。
#購入するときは3冊同時に購入することをお勧めします。もともと3冊で1作品(原稿用紙1800枚分!)だし、すぐに続きが読みたくなることは間違いないし、何よりタイトルが似ているので順番を間違えて買う可能性があるから(笑)。

本当は昨日この記事アップしようと思っていたのですが、仕事納めの駆け込み需要、遅くなってしまいました。
これにて「超個人的お勧め小説」も終わりになりますが、皆さんの年末年始の本選びの一助になれば幸いです。
では皆さん良いお年を。


マルドゥック・スクランブル「圧縮」
著:冲方丁(うぶかたとう)
第24回日本SF大賞受賞作
イラストは寺田克也氏

¥693 (税込)
Amazonで購入
「燃焼」/「排気」の同時購入がお勧め


舞-HiME 第13話 感想

2004-12-28 01:00:00 | 舞-HiME
楯は馬に蹴られて死ぬがよろし!
とか思ってたら本人苦しんでるし、もしあのまま黎人に舞衣を落とされてたら楯が消滅したりして(えー)。
つか、あの状況で「鴇羽ー!!」と叫べる君は凄いよ。

うぬぅ、ミステリー調を強めつつ、面白さも加速度的に上がってきました(いや前から面白いなり)。
その前に面白かったことに満足して感想書くの忘れてたよ。

■ゆかた祭りもといたまゆら祭り
舞衣に詩帆にその他大勢浴衣で和んだ、和んだ。
と思えば、水晶宮の由来は何気に切なかったですねぇ。

HiMEが愛しいものを守るために戦い、魂響儚い生を生き、散っていった乙女達が、最後の戦いに挑む前にハチマキを木に結ぶ
愛しい男と再び見えることを祈って

とかめちゃめちゃ切ない。
それもこの戦いが百年に一度の単位で繰り返されているなんて・・・。
そこに差し込む各HiMEたちの逢瀬、これは個人的にツボに入る切なさだ・・・。

■封架
恐らく「風華」の地には「封架」という碧ちゃんのメモにあるように何かが封じられていて、それが百年単位に訪れる「触」に関係して復活するんだろうか?
その復活を目論むのがシアーズ財団なのか?
つか、黄金艦隊って、まじで戦艦が入ってきてるよ!
しかもエクリプスワン・アルテミスって、カグツチクラスの破壊力!
これが凪曰く、まがい物のHiMEってことはシアーズ財団は昔からHiMEと百年単位に戦っていて、対HiME用の兵器として深優、HiMEの能力を解析してアリッサにその能力を定着させたってこと?
そして最終決戦は真白とアリッサの小学生対決(違)。

■黒詩帆へ
詩帆が黒に反転!
詩帆がHiMEならば、チャイルドは蛸に違いない(えー)。
カグツチv.s.蛸の楯を巡る戦い、燃える(わけないか)。
これで一瞬でも詩帆が敵サイドに入ったりするとビックリなんですけどね。

■あかねちゃん・・・(泣)
これであかねちゃんの復活劇が無いのだとしたら、HiMEと想い人の関係を説明するためだけの登場だとしたら消滅します(僕が)。
精神崩壊で監禁とかひどいですよ・・・、せっかく立ち直ってきたのに・・・。

しかし、舞-HiME面白いなぁー。
来年も期待大ですな。

舞-HiME DVD第1巻 1/28発売予定(予約だと20%OFFらしい)

『舞-HiME』DVD Vol.1
定価:¥5,250(税込)
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蒼穹のファフナー 最終話 感想

2004-12-27 17:40:00 | 蒼穹のファフナー
「蒼 そ ら 穹」

■はじめに
半年前に蒼穹のファフナー第1話、第2話(1時間SP)を見てから、昨日の最終回(1時間SP)に至るまで、まさかここまで成長する物語になるとは思いもしませんでした。
前半第12話までの長いタメから、第13話以降に一気に開花していく展開に毎週驚愕し、涙し、感動してきました。
今思えば意味が分からない前半のタメの時点から実は一貫してテーマは変わっておらず、最後までそのテーマを掘り下げ、昇華してきたわけで、その蒼穹のファフナー制作スタッフに惜しみない拍手を。

第1話を見たときの最初の印象は、多くの人が思ったようにエヴァなのか?と思いました。

しかしながら、回が進むごとにその印象は薄れていき、第13話以降に訪れたテーマの顕在化により私の中のその印象は完全に払拭されることとなりました。
エヴァが寂しくて寂しくて他者に理解を求める反面、他者を受け入れることを否定するストーリーだった(と個人的に解釈しています)のに対し、蒼穹のファフナーでは徹底して会話、理解、受け入れることをメインテーマとして語っており、実は温かい人間讃歌の物語だったとのではないかと思うのです。
#もし制作サイドにエヴァを意識したところがあるならば、エヴァを補完する意味合いはあったのかもしれませんね。これは私の勝手な想像ですが。

そうして完結した蒼穹のファフナーは、近年観た作品の中でも紛れも無い傑作だったと、素直にそう言えると思うのです。

■既に答えは出揃っていた・・・、対話の先にあるもの
最終回に至るまでに本作における大きなテーマは実は既に大半が昇華されていて、今回は最後のテーマを語るために1時間を費やした、観終わった直後に感じたことがそれでした。
このブログでは蒼穹のファフナーについては一貫してテーマを「対話」「理解」「受け入れ」にあり、それが「受け継がれていく」ことにあるんではないか、最終回は最大のテーマである「対話」の先に何を描いてくるのかを観ていくことがポイントになると思ってきたので、最終回はそれらが全て語られる結果となり、個人的にはこれ以上ないほど満足しています。
#この辺のポイントについてうちのブログのコメント欄で盛り上がったあたりがまた一つコンテンツとして価値がある。

順を追って自分がテーマだと思っていたことを見ていくと、

■「対話」
本作での最も大きなテーマだったと思うのですが、実はこれは既に中盤で昇華されていたと思っているんです。
第15話における一騎の独白、そして総士と改めて交わす「対話」、ここにこそお互いを理解しようとする大きなテーマが投影されていて、溶岩の中から復活するマークザイン=一騎の姿を描いた時点で私個人としてはこの物語はここで終わっても大満足できるほど、それほど明確に「対話」「言葉」の重要性、「ひとをひとたらしめるもの」について言及されていました。
既にここで総士との「対話」のテーマの大半は昇華されていたので、最終回ではこの先にあるものに自然とポイントが絞られたわけですね。
それにしてもこの第15話は今思い出しても傑作だった・・・。

■「理解」
第15話が一騎と総士の関係性における一つの回答であるとするならば、各キャラに対して選択を迫り、自分たちの立ち位置を「理解」して前に進むことを決めた、全体に対して方向性を決定付けたのが第18話
一騎と総士の「会話」が相互理解に位置するならば、第18話では自分たちの内面に向けた「理解」であり、全体として「生きる」ことに、この作品のテーマで言えば「そこにいる」ことに目覚めたこの回はこれもまた一つのテーマだったのだと思います。
ここで竜宮島の意味について大人を含め、パイロットたちのベクトルが一つになったからこそ、ほんとうに守るべき場所になっていて、そこが「帰る場所」になっているわけです(これに対し人類軍は最終回において帰るべき場所がなく、撤退はありえなかったという対比が熱い)。

竜宮島が現在の位置から動くことは無い
君たちが帰るべき場所に我々がいる

真壁 一騎 遠見 真矢 近藤 剣司 カノン・メンフィス
君たちに未来を託す


蒼穹作戦の号令直前、真壁指令のこの言葉はやはりこの第18話があるからこそ生きてくるのであり、真矢が全員の腕に書いた竜宮島の座標にも意味が出てくるんですね。

■「受け入れ」
燃え尽きるかと思いました。
最終回で乙姫(つばき)の口から「受け入れることも一つの力」という台詞が出た時は正直奮えました。
なぜなら第24話の感想追記「土と理解と親子の絆」の記事に、真壁紅音(ミョルニル)と真壁史彦との会話は、土は呼び水で最終回では直接表現として語られるのではなく、土を通じて「対話」し続けること、「理解」し続けること、「受け入れ」続けることが重要で最後はそこに帰結するのではないか、とコメントを含めて書いたのですが、その内容が乙姫(つばき)からストレートに語られた瞬間、今まで蒼穹のファフナー観てきてほんとうに良かったと思った瞬間でした(もう泣いてました)。
紅音という存在はこの時点で役目を終え、史彦に「ありがとう」と伝えた時点で、そして一騎が二人の想いを受け継いだ時点でやはりこの二人のストーリーは完結していたんだ!なんて奮えながら思ったものです。

対話して理解して受け入れる、人として当たり前のことなんだけど意外と難しい。
特異な生育環境、悲惨な描写や、フェストゥムという究極の無を描くことは、実はこのテーマを明確に浮き彫りにさせるために描かれてきたわけですね。
そしてこれらのテーマは最終回を前にして答えは出揃っていたわけです。
ならばそれらのテーマの先にあるものは何か、最終回はこれを語るためだけに1時間費やしたようなものでした。

■そして最終テーマへ
最終回で言及したテーマはこれまで語ってきたことからすると語るレベルが急に一段あがってしまった感があったのですが、制作サイドとしては「ここにいる」ということを語るにおいて、そこまで言及する必要があると判断したのではないかと思います。
冒頭でこの物語を温かい人間讃歌だと評しましたが、人として存在するとはどういうことか?
これを語るには「対話」「理解」「受け入れ」という極めて人間らしい営みからもう一段突っ込む必要があると感じたんでしょうね。

人は必ず死ぬ、だから「そこに居続けることはできない」、しかしながら人は死んでそして生まれてくる、生存の循環を繰り返し、「受け継がれていく」これが人の価値というものだ、ということだったのではないかなと理解しているんが。
対話して理解して受け入れていくこと、それはつまり「変化」していくことなんですが、生と死の循環が究極の「変化」であり、そこで受け継がれていく想いがその中で「変化しないもの」、それがある限り人は「ここにいることができる」、真矢が標した座標のように帰ることができる、帰る場所を作ることができる、そういうことだったのかなと。
「そこにいる」=生存を描くには、対極にある「そこからいなくなる」=死を描く必要があり、それらは絶対的二元論のように対を成すものではなく、相対的二元論である大極図のように「交流」しているしているから意味があると。

存在と無の循環(皆城総士)
生と死、存在と無が一つのものとして続いていく(皆城乙姫)


自らその存在を無に帰し、生と死の循環に飛び込んだ皆城兄妹が最後にこのテーマを体現したのか・・・。
このテーマは竜宮島のミールが死を理解した時から貼られていた伏線だと思いますが、多少突然な印象が残ります。
これは想像の域を出ませんが、製作者サイドで非常に悲しいことがあったのかもしれません・・・。
昨夜の3時からずっとこのテーマを最後に持ってきた意味を考えていたのですが、生を描くなら死も描く必要があり、それは絶望ではなく循環するからこそ救いがある、それを製作者サイドとしても描きたかったのかななんて。
#今朝自分がそういう体験をしそうになりその想いに至ったのですが、それはここでは語ることはないですけど、命って何だろうと考えた時、そこまで描きたかったのかもしれません。
だからこそ、乙姫(つばき)が新しい命として誕生してくるシーンが泣ける・・・。
これが彼女への救いだったんだ、それが描かれて個人的にも救われた気がしました。

■各キャラへの結末
上述したテーマとは別に、それぞれのキャラについてもそれぞれのテーマを持たせきっちりと昇華させていましたね。
正直ここまで彼らに感情移入するとは思いませんでした。
パイロット4(5)名と皆城兄妹のそれぞれに用意されたエンディングを見ていきたいと思います。

■剣司
パイロットの中でも最も精神的に弱かった剣司。
それがマーク・ニヒトとの決戦で最後に自分の弱さ(諦め)と向き合い、突破口を開いたのが剣司でした。
「俺、強くなれるかな」
咲良と護に向けて呟いた一言、きっちり果たしてくれました。
正直言うと、彼が一番心配だったんです。生き残ってくれて良かった・・・。

■カノン
前はどこにもいなかった
だが今はここにいる


泣きました・・・。この言葉が聞きたかった・・・。
この台詞は第20話でフェストゥムと同化した甲洋が既にいない翔子を求めて彷徨う時に、
昔はいた
だが今はいない

との対比表現になっているんですね。
以前のカノンにとっては自分なんてどこにいても、どこにもいなくても同じ、むしろいなくなりたいと思っていた。
そのカノンが甲洋の時には、「存在」について考えて答え、そして最終回では「ここにいる」ことを主張する、この「変化」の過程を思い出して泣いてました。
カノンもひとつのテーマの帰結なんですね。

■甲洋
こっちが作中のジョーカーだった!
どこにも居ない存在になりかけた境界線上の甲洋が、最後に総士と一騎を存在する側へひっくり返す、これは熱かった。
第20話であちらの側へ行きかけたところを友の呼びかけによって戻ってこれた甲洋が、今またあちら側へ落ちようとする友を引き揚げる、甲洋登場自体で既に泣きそうだったけれど、この描写、泣けた。

■真矢
やはり最後に迎えに行く役目は彼女でしたね。
もっとドラスティックに関わっても良かったのかなという気がしないでもないですが、いつも写真を撮る側の存在から、最後は「私も戦う」という決意のもと、写る方へ飛び込んでいった真矢自身もやはり変化したんですね。
あの座標は彼女自身だったと思います。

■一騎
ここにもひとつの『Separation』が・・・。
一騎自身は第15話でひとつのテーマを消化しているんで、残った一騎のテーマは別離だったんですね。

憂鬱な目覚め 隠せない絶望
それでも世界は美しくて

It makes me sad
I want to see you remember again


最終回で『Separation』がかかることはありませんでしたが、今ようやくあの歌詞が少し分かるような気がしました。
総士を失った絶望を残しつつも、真矢へ向けた笑顔、それこそ絶望の中でも世界は美しく、また総士と出会うまでそこに居つづける決意の笑顔だったんでしょうか。
最後に蒼い空に煌いて飛翔するマーク・ザインは、それこそほんとうに「蒼穹のファフナー」を象徴する美しいシーンでした。

■総士
今なら分かる
例え苦しみに満ちた生でも、僕は存在を選ぶだろう
もう一度お前と出会うために
お前が信じてくれる限り
いつか必ず帰る お前のいる場所に


これがかつて自分の存在を否定し、フェストゥムと同化しようとした男の言葉・・・。
フェストゥムとの同化ではなく、存在と無の循環に身を投じる、一見同じように見えるけれど、これは存在するために無に帰ることを選んだ結果・・・。
第15話で一騎が出した答えに対する、これが「対話」の先に見えた総士の答え。
ここまで突っ込んでこの作品描いてくれたら、もうこっちも天晴れって感じで観るしかないじゃないか。
総士、納得のラストでした。

■乙姫(つばき)
総士と乙姫(つばき)、この皆城兄妹、最高でした。
特に乙姫(つばき)の描かれ方は総士とともに最後のテーマ昇華を体現したほんとうに切ないものでした。

ここにいたい、ここにいたいよ・・・、お母さん

号泣しました。
ただでさえ、悟りポジションにいた乙姫(つばき)の魂の叫びと涙に心揺さぶられているというのに、このシーンの裏では総士がフェストゥムと対峙し、「存在することの苦しみ」「いなくなることへの恐怖」を語る、それが今乙姫(つばき)が直面している状況を代弁していて、余計に切ない。過酷過ぎる。
そんな彼女が千鶴に抱きしめられ、この島の母となる決意をするシーンはもう涙が止まりませんでした。

生と死、存在と無が一つのものとして続いていくことを示すためにこの世に生まれた

彼女の同化は「いなくなった」わけではなく、新しい命として生まれ変わりそして近い将来再び会話を交わしていく未来を彼女にとっての救いとして描いてくれた、そのことで胸が一杯です・・・(涙)。

■最後に
蒼穹のファフナーはやはり温かい人間讃歌の物語だったのではないかな。
フェストゥムを通じて描いたのは人間の絶望面で、それは無という生と対極にある概念でした。
また全25話(実質26話分)を通じて描かれた中には過酷な表現も多々ありました。
しかし、そういう描写があればあるほど「生きるってことは大変だけれども、それでも生きているからこそ人は素晴らしい」という温かい表現が鮮明に浮かび上がってきたように思います。
そしてそれは形を変えて循環=受け継がれていく、新しい命として人は続いていく、という形に帰結したのかもしれません。

私はこの作品の脚本を担当した冲方丁(うぶかたとう)先生の大ファンであると公言して憚りませんが、これはやはり冲方丁(うぶかたとう)という稀有な脚本家の「精神の血の一滴」(マルドゥック・スクランブルあとがきより)を投じた作品であり、もうこれで私はこの天才の書く文章からずっと離れられないと感じています。
近々このブログでも冲方丁先生の作品を紹介いたしますが、とりあえず今はこの「蒼穹のファフナー」という傑作に浸りたいと思います。
再びこんな傑作にめぐり合えることを祈って。
#放送直後DVDで全巻購入を決意しました。
#SEED以来だ・・・。

■蒼穹のファフナー 公式HP■


蒼穹のファフナー Arcadian project 01
「あなたはそこにいますか」全てはここから始まった
DVD
価格6800円(税込)
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蒼穹のファフナーのOP曲とED曲を収録したシングル
激しくも悲しい旋律で奏でる命の歌

Shangri-La (MAXI)
angela
¥1,050 (税込)
Amazonで購入


ガンダムSEED DESTINY 第12話 「血に染まる海」 感想

2004-12-26 03:41:06 | ガンダムSEED DESTINY
驚愕の種割れ、「まなざしの先」を彷彿とさせるラスト、そして第13話の予告に悶絶するかと思った第12話。完全に心は次週のフリーダムに持っていかれています。

■種割れ、そしてバーサーカー再び
続編の醍醐味として、序盤からMS戦を激しく展開できるところにありますが、今回も前作の第3クール並のバトルエンターテイメントを展開してくれました。
ま・さ・に、種割れにうってつけの状況。つか、ここで種割れに正直ビックリしつつも燃える展開でした。

しかし、この状況って前作でいうところのキラが砂漠でバルトフェルドと対峙したときのことを想起させますよね。
ここにもまた一人バーサーカーが生まれた、みたいな。
キラもアスランも種割れ初期時は怒りに任せたバーサーカーになっていたので、この状態のシンを変えて行くのは誰?そしてどんな状況?とか考え出すと楽しみで仕方ないですな。
やっぱりキラとの対決がポイントなんだろうか。

■いろいろと
十分満足なバトルエンターテイメントを展開してくれたのですが、その中で気付いたところをいくつか。

デュートリオン・ビーム
ずっとリアルタイムでエネルギー補給受けられると思ってました・・・。
ライディーンを思い出したとか言うと世代の壁にぶちあたりそうなんで内緒です。

ザムザ・ザー
攻撃力とデザインは08小隊で言うところのアプサラス、操縦方法はファーストのブラウ・ブロ(シャリア・ブル以外が乗る時は複数人で操縦してサイコミュを動かしたらしい、そういう意味ではナチュラルが操縦するMAとしては理に適ってるかも)、アームが出た時点でファーストのビグロか0083のヴァル・ヴァロ、オメメはザクレロを思い出しました(いっぱい思い出しました)。
たぶん1回しか出ないと思います(それもザクレロっぽくて良い)。

対艦刀
SEEDから含めて対艦刀で戦艦をぶった切ってるシーンはあまり記憶になく(1回くらいあったかな)、なんとなく初めて対艦刀本来の使い方をされたんではないかと思った(ゆえに嬉しかったりして)。

あなたも考えなさい!
最高!!

■オレは政治家じゃない
そんなバトルエンターテイメントの中で、オーブ司令官が言うこの台詞。
「そういうの恩知らずって言うんじゃないかと思うだがね」
こういう一言が今後のポイントになったりするんじゃないかなあと。
#その辺については第11話感想に妄想交じりで記載しています。

■「まなざしの先」から「舞い降りる剣」へ
そしてラスト、ザフトの制服に袖を通すアスラン。ついに来ましたセイバー搭乗。
そしてミネルバへ。
思えばこのミネルバの危機的状況、ビクトリアで前面にザフト軍、後方にはサイクロプス(つまり援護無し)の孤立状態に陥っていたアークエンジェルそのものですよね。
そしてその状況でキラがフリーダムを手にしたように、アスランがセイバー(救済者)を手にし、飛び立つシーンは前作DVD9巻第34話「まなざしの先」にシンクロするじゃないですか。燃・え・る。
そして窮地に陥ったミネルバの前に降り立つセイバー(第35話「舞い降りる剣」でフリーダムが排気しながら静止していたシーンと同じように)、考えただけで悶絶しそう。
でも、アスランの表情は全てを解決した顔とは言い難いので、やはりセイバーを駆りつつも模索者ポジションは継承、ということなんでしょうかね(カガリにも何も言ってないですしね)。

■ミーアとラクスの危機があるんじゃないか?
アスランが出撃する直前の議長とミーア、アスランを観ていてふと思ったことがあります。
ミーアは議長が言うところの「私のラクス」なわけで、今は議長が持っていない力をラクスという存在に(仮であっても)期待、利用しようとしているわけですが、もしその力が必要ない状況になった場合、秘密そのものであるミーアという存在はどうなってしまうのでしょう。
つか、単純に考えて消される・・・。
この展開、絶対あると思うんですが、それを考えていたらもう一つ思い当たりました。
今はデュランダル議長には「私のラクス」がいるわけで、ホンモノのラクスがいるとめちゃ都合が悪いわけではないですか。
例え今は隠遁生活していようとも、それは議長サイドにとっては関係ない話で、議長はラクスの力を認めているというか恐れに近い部分もあるんじゃないかと思うんですよ。
ということはラクスの存在自体「私のラクス」を擁する議長にとっては邪魔。
つか、ラクスも消される・・・。
そして、ラクス・クラインという存在はホンモノもニセモノも居なくなる・・・。
これが議長のシナリオ・・・。

■キラが起つ理由
もうこれしかない!
第11話感想でキラが起つとすれば、それは守れなかった後悔をしないため、親しいものを守るためしかありえないと書いたのですが、シチュエーションとしてはまさにこれしかない。
ラクス絡みでフリーダムに乗るとしか思えない。
次回予告のハイ・ゴッグみたいなのはラクス暗殺部隊とみた。

つか、ほんとにフリーダムに乗るんだキラ!
オープニングのミスリードくらいに考えていて別の機体に乗るのかくらいに考えていたけど、これはし・び・れ・る。
というか、フリーダムがアリならば、アークエンジェルもアリなのか・・・。
今回の虎とマリューさん、そういうことなのか・・・。

ちょっと次回予告に悶絶してしまったかつ3時超えたんで頭が回ってないんですが、キラやオーブにいるコーディネーターは今後どうなるのか・・・、第11話のザフト仕官の会話じゃないですけど、これからどうなるのか、まだまだ展開は転がりそうですね。
あまりの濃い展開にもうちょっと時間を置いて感想書き直せたら書き直してみます。
今回はこんな感じで。
ああ、第13話が待ち遠しい・・・。
あと、メイリンのかわいさに最近やられ気味です(ステラたんがいない分よけいに)。

>私信:浮島さん、ごめん、あれは僕も分からないや。たぶん、特務部隊っつーか、自由度のある部隊のことなんじゃないかな。

ガンダムSEED DESTINY 第11話 「選びし道」 感想

2004-12-26 02:06:27 | ガンダムSEED DESTINY
大満足の1時間放送、何となく個人的に大きな流れが見えたような気がする今回、第13話予告のキラ&フリーダム復活に悶絶するかと思いました(つか、ほんとにフリーダムで出るんだ!、ならアークエンジェルもアリなのか、いや、アリだろう)。
第11話と第12話をセットで感想書こうかと思ったんですが、短めにして1つずつ書くことにしました(多少のオーバーラップはアリです)。

まずは個人的に今後の大きな流れが見えたかな、と思えた第11話から。

■論理のすり替え
今回カガリの婚約者であるユウナは周りを説得するため、そしてカガリの権威を相対的に下げるために、意図的に論理のすり替えをしていましたね。
「我々がしてはいけないのは、この国を焼くこと」
これは前作でウズミが採った方針に反対してのことで、国を焼かないためには同盟に入るしかない、という提言を強くすることによって他の選択肢を奪うように誘導しています。
(ウズミの方針は)同盟に入らない→だから連合に国を焼かれた
とこういう図式を刷り込んでいるわけですね。
しかも、カガリはウズミの娘であるわけで、周囲の人間にとってもカガリが同盟入りを反対するということは、例えカガリが正しいことを指摘していようとも、ウズミの路線を踏襲することに直結してしまう、だから余計に選択肢が狭まってしまうわけです。

同盟入りしたらしたで、ザフトに国を焼かれることになるかもしれないのに、その可能性は目先の連合の脅威で薄れてしまっている、どちらに転んでも戦火に包まれる可能性が消えることはなく、戦争への道を進むのであればそれはどちらに加担しようと変わりはないということですね。

■やはりカガリはウズミ超えをしなくてはならない
現状から見てもやはり前作で採ったウズミの方針は支持されているとは思い難いところです。
かと言ってどちらかに付くという選択をすれば、いずれにしても国を焼くことになるのではないかと思います。
やはり、カガリはウズミが出した答えを超えていかなくてはならない。
そして現政権においてカガリを傀儡にしようとしている勢力も超えていかねばならない。

ぶっちゃけ妄想覚悟で言えば、オーブを二つに割ることもありえるかなと。
結局和平へ向けた第3の道を採らない限り、オーブという国が振り回される状況は変わらないですよね。
ならばいっそのこと傀儡推進陣営(ユウナたち)と袂を分かって、南アメリカ共和国のように独立を目指して戦っていたり、その他の和平国家と連動したり、地球連合内部の厭戦派やプラントの厭戦派を纏め上げて大きな力にしていくような、そういう展開でもいいんじゃないか、とか妄想したりしましたよ。

■今作での大きな流れは?
前作ではそういう仲間達が集まってくるところが最大の見所だったわけですが、現実問題として終結できた力は戦艦3隻に過ぎなかったわけで、世界を変えるには至らなかったわけです。
では今作ではどうなのか?
やはりカガリを中心として、より多くの仲間、勢力を巻き込んでいく、武力と対抗できうる「力」を集めていくことになるんではないかと思ったりしています。
デュランダル議長が前回言ったように「想いを同じくするものには起って欲しい」というのはこういうところにもつながるんじゃないですかね。それをカガリサイドで描く、みたいな。
それが「力」なんじゃないのかな・・・(独り言)。
またその希望というか、一縷の望み的なものが第12話でオーブ軍の指令が「そういうの恩知らずって言うんじゃないかと思うんだがね」「オレは政治家じゃない」と漏らすあたり、そういう政治上の問題ではないところの人の気持ちでこういう気運が盛り上がってくると熱いですよね。
そしてユウナが政治=現実と言ったものを、現実はそうじゃないと否定できる展開があるとまた熱い(いかん完全妄想だ)。

■キラが起つ理由
個人ベースで言えば、アスランもキラも力を持っていたけれど、現実として救うことができなかった命がたくさんあった。
今回のキラのフレイ、トールの回想は第8話の感想のコメントでいいちこさんとの会話でもしているんですが、最高のコーディネーターであっても、結局一人の少女の命さえ救うことができなかった悔しさがあったわけで、再び立ち上がるとするならば、今度こそは必ず守る、そういうスタンスで立ち上がるはず。
そして誰を?という点については、たぶん皆分かっていると思うのですが、第12話で議長とミーアとアスランのカットで思うところがあったので、そちらで書きたいと思います。

■イザークの「変化」は今回最高の燃えシーンだった
スーツのセンスは置いといて、今回のイザークは最高に燃えた。
アスラン復帰への最後の(デュランダル議長の)駄目押しはかつての戦友たちだった、というだけで熱いんですが、前作終盤から「変化」してきていたイザークの台詞は熱かった。

それしかできることがないが、それでも何かできるだろう
だからお前も何かしろ、それだけの力、無駄にする気か?


前作で民間のシャトルを撃ったことに対する帰結がここで来るとは思ってなかったんですが(つかすげー長い伏線だよ)、それだけにイザークの台詞が重みを増してくるってもんですよ。
だてに白服は着ていない、とか言いそうです。
これくらいものを考えるようになったイザークは今後の活躍が楽しみですな(と書くと今まで何も考えてなかったと思われますが、たぶん何も考えてなかったと思います(笑))。

今回のタイトル「選びし道」はオーブという国家が選択した道と、アスランが選択する道だったわけですが、何気にイザークやディアッカが選んだ道についてもこういう風にさりげなく描写されたところが熱いなと。

これでアスラン、完全にチェック・メイトですね。

とかくユウナのむかつき度合いが目立った今回ですが、それすらも大きな伏線って感じなんで、やはり今後のカガリに注目したいところです。
て言っても彼女は終盤あたりまでずっと苦境のような気がしますが。



マリみてにみるプロジェクトマネジメント考察 その2

2004-12-25 03:20:00 | マリみて
12月25日は先代ロサ・ギガンティアの誕生日であり、かつシリーズ最新刊である『イン ライブラリー』の発売日でございます。
そんなめでたい日の記念として、前回一部の読者以外を完全に置いてけぼりにしたあの企画をやりたいと思います(全く懲りてません)。
#うちのブログではクリスマス企画とかしませんから。
#それよりこの企画の方が大事(重症患者です)。

プロジェクトマネジメントにおける(一応)教科書的な存在として「PMBOK(Project Management Body of Knowledge:ピンボックと発音します)」というものがありますが、今回も「ある小説」を題材にして、ケーススタディをやってみたいと思います。

ある小説とはもちろん『マリア様がみてる』既刊19冊です。
さあ、皆さんテキストの準備はよろしいですか(かなり暴走中)。

えー、前回はPMBOK6章 ヒューマンリソース・マネジメントから「利害対立のマネジメントスタイル」をやりましたが、今回も同じ6章から「リーダーシップスタイル」をケーススタディしたいと思います。

■状況的リーダーシップスタイル
チーム・ビルディングのプロセスとともにメンバーは成長していきますので、プロジェクトマネージャ(以下PM)はメンバーの成長に合わせて、リーダーシップのスタイルを使い分けていく必要があります。

チームの発展プロセスとリーダーシップスタイルの相関関係を示すと以下のようになります。

成立期:命令型(Telling / Directing)
動乱期:説得型(Selling / Coaching)
安定期:参加型(Participating / Supporting)
遂行期:委任型(Delegating)











つまり、最初は自分も介入してチームを立ち上げ、徐々に権限を委譲していく、というわけですね。
ここまでで、質問はありますか?
・・・反応が無いようなので、このまま進めます(独走中)。
では、発展プロセスごとに小笠原祥子さまと福沢祐巳の関係性を例にケーススタディを進めて行きます。

■成立期:命令型(Telling / Directing)
諸説はありますが、私の講義では『マリア様がみてる』~『いとしき歳月(前編・後編)』までを成立期と定義しています。
序盤から祥子さまは祐巳に「私の妹になりなさい」的命令をいきなり使用しているのですが、これはプロジェクトの立ち上げ時には重要なことですね。
これがないとこの話は始まりませんので。
『いとしき歳月』まではスーパーPMである水野蓉子さまがいらしゃったので、祥子さまと祐巳の関係はしばらく命令型のスタイルをとりつつ、関係を成熟させて行きました。

■動乱期:説得型(Selling / Coaching)
これも諸説ありますが、『チェリーブロッサム』~『真夏の一ページ』までを動乱期と定義します。
実はこの動乱期がもっともプロジェクトの中で対人支援が必要な時期で、大変な稼動を要します。
物語としても最も祐巳がボロボロになった時期でもあり、またたくましくなった時期でもあります。
「松平瞳子の乱」~「コシヒカリ姫の制定」を経て、この説得型のポイントである「一緒に解決していく」というキーワードを消化しています。
「OK大作戦(仮)」では祐巳自ら考えて行動できるほどに成長し、動乱期を切り抜けていますね。

■安定期:参加型(Participating / Supporting)
ここでは『涼風さつさつ』~『特別でないただの一日』までとします。
この段階ではメンバー(祐巳)の成熟度は経験を積み、あとは自信がつくのを待つのみという状態になります。
端的なケースでは可南子の件を祥子さまは祐巳に任せ、自身は祐巳のサポートに回るという行動を取って行きます。
そして『特別でないただの一日』でその成熟を迎え、「祐巳 あなた妹をつくりなさい」の一言で次の遂行期:委任型へと移行していくのでした。

■遂行期:委任型(Delegating)
現時点では(物語としてはイン ライブラリーではなく)『特別でないただの一日』が最新刊にあたるため、本プロセスについてケーススタディをすることはできないのですが、これは今後祥子さまがPMとしてこのプロジェクトを遂行できるかどうか、祐巳を次なるPMとして育てることができるかどうか、この辺が見所になってくるわけですね。
そしてこのプロセスの終焉は祥子さまの卒業というイベントへ収斂していくと思われます。
言ってみれば、卒業式までのイベントが楽しみで仕方ないわけです。

えー、本日の講義はここまでとしますが、質問がある人はコメント欄に記入しておいてください。
皆さん、分かりましたかー?
・・・(無反応)。
えー、完全に聴講者を置いてけぼりにしていますが、僕は気にしません、気にしてませんから。
あれ、涙でホワイトボードが見えないや。

えー、次回の講義はまた周知しますんで、それまで予習しておいてくださいね。
テキストは当然『マリアさまがみてる』ですから(泣きながら)。
では、みなさん、ごきげんよう。

超個人的お勧め小説 緊急企画 『夢守教会 少女のケニング』

2004-12-24 18:46:22 | 小説 感想
本来は本日、超個人的お勧め小説第1位の発表をしようと思っていました。
しかし、どうしても「今日」紹介しなければならない素晴らしい作品に出会ってしまったため、急遽予定を変更してこの作品を紹介したいと思います。

■相羽裕司 【夢守教会(ゆめもりきょうかい)】シリーズ 第1話「少女のケニング」

相羽裕司=あいばゆうじと言えば、うちのブログに来て頂いている方には馴染み深く、ガンダムSEED、ガンダムSEED DESTINYのみならず数多くの作品について非凡な鋭さと冷静さをもって考察と言う名の文章を構築していける、恐らくこの先執筆という世界でひとかどの人物になるであろうと個人的に思っている、そういう23歳の青年です。

その昔、「侍魂」の影響によって多くのテキスト系サイトが生まれたように、その規模は違えど彼の影響を受けてサイトを立ち上げたそれなりにあるのではないかと思っています。
かくいう私も、彼の前前サイトである「20世紀tought-boy」から彼の文章のとりことなり、「mot × mot」そして現在の「ランゲージダイアリー」になっても変わらず日参するほど彼の文章のファンであり、彼の存在無くしてこのブログを立ち上げることは無かったと断言できます。
つまり、このブログの起源であると言っても過言ではありません。

その尊敬してやまないあいばさんが、「考察する人」から「物語を構築する人」になった。
これは私にとっては大事件だった。
昼休みに入るや否や彼のサイトへ直行し、昼食も忘れて読み耽った。
午後一に客先へのアポイントがあったが、ギリギリまで彼の文章を追い、そして読みきった。
その後、客先への移動中、私の心は大変だった。
感動のあまり、仕事への切り替えを行う心のスイッチをなかなか押すことができなかったから。
こういう感覚を感無量と言うのだろう、一ファンとしてずっと彼の文章を追ってきた一人として素直にそう思った。
この感覚は、これは近い将来、彼の名前が世に出る、そう予感させるには十分だった。

■緻密な計算と構成、そしてそれを支える彼のモチベーション(バックグラウンド)
これまで素晴らしい作品を提供してきた多くの作家さんたちに共通して言えることは、「自分が書きたい」と思うことを軸に緻密な計算に基づいた対比構造を構築したり、複雑な事象を第三者を介在させることで、「自分が書きたい」ことを最終的に浮き上がらせることができる人が多いと想います。
#菖蒲さんなんかは『空の境界』の蒼崎橙子的使い方でしたね。
彼はこれが第1作であるにも関わらず、既にその領域に意識的に踏み込んでいる、否、意識的に自分のものにしているんですね。

そして対比の構図と共に注目したいのがその世界観の構築にあります。
読者を引き込む世界観を構築するには、自分の中にある世界を整理し、かつ周到な調査・準備が必要になるわけですが、彼はそのどちらも手を抜くそぶりが無い。
これがほんとに第1作かと問いたいところです。

何より心を打ったのは彼がこの作品に賭けた想いです。
彼の過去、そして現在の状況、そしてこの先への想いが存分に凝縮されていて、彼が一貫して主張してきたことが文章として再構築されていました。
彼が本作を「遺書」代わりだと言いますが、是非、その遺書の続きが読みたいものです。
#しかもこの完成度なら対価を払う価値があると思えるよ。

■既に続きへの布石は打たれている
冒頭の理子のシーンから今へのつなぎ、ブレイン教会のピアスの男、菖蒲さんとの出会いなど意図的に描いてない個所もいくつかあり、あいば氏は狙っています。狙っていますよ皆さん。
続きを読みたい方はメルフォから感想を送ってみてくださいね。

■気になるあいばゆうじさんの作品はこちら
Language×Language
【夢守教会(ゆめもりきょうかい)】シリーズ 第1話「少女のケニング」

■その前に以下の布石を読んでから「少女のケニング」を読んでみよう!
布石1
布石2
布石3
■あいばゆうじさんへのメルフォはこちら
少女ケニング・メールフォーム

■あいばゆうじさんのブログはこちら
ランゲージダイアリー

最後に当ブログは、企画によりいろんな作品の応援サイトに期限付きでなりますが(例えば今は蒼穹のファフナー)、あいばゆうじさんについては期限無しでこれからもずっと応援サイトです。

#超個人的お勧め小説第1位は来週発表いたします。

『Shangri-la』に見る蒼穹のファフナー

2004-12-24 12:00:00 | 蒼穹のファフナー
愚かでいいのだろう 見渡す夢の痕
さよなら蒼き日々よ

蒼穹のファフナーを語るうえで外すことができないのが、angelaが歌うOP曲『Shangri-la』とED曲『Separation』。
普通に聞いても十分カッコいい&感動的な曲なんですが、これがまた蒼穹のファフナーのテーマと合致していて、その深さを知ると、もうイントロを聞いただけで涙が出てくる、「激しくも悲しい旋律で奏でる命の歌」というコピーに嘘は無い、そう思えるのです。
つか、angelaはマジでイイです。

今回は26日に迫った最終回へ向けた総集編的位置付けとして『Shangri-la』をテーマにこの作品に込められた意味を振り返ってみたいと思います。

■悲しい宿命を背負った子供たちの成長の先には

流れに身を任せ いつか大人になってゆく
少しずつ汚れてゆくことなの?


この曲を聴いたことがある人なら既にこの部分で切ない気持ちになってしまうと思われるところなんですが、竜宮島の子供たちも平和な世の中に生まれていれば、これは誰しもが通る自問自答だったのかもしれません。
しかし、彼らは生まれた時から世界は戦争の中にあったんですね。
しかも、人類の存亡を賭けた。

熟した果実だけ選ばれて
ナイフで裂かれて呑み込まれる前に


「熟した果実」、これはファフナーのパイロットの適性に掛けられていて、フェストゥムの因子を持って生まれた子供たちの比喩なんですね。
そして「ナイフで裂かれて呑み込まれる」とは、ファフナーに搭乗するたびに増殖していくフェストゥムの因子によって同化してしまう前に、という非常に過酷な状況の中で一騎たちパイロットが必至に生きていることを切なくも表しています。
ゆえにその前の「少しずつ汚れて」というフレーズが、フェストゥムの因子に侵されていくことであったり、戦闘によって心を摩り減らしていってしまうことにかかっているわけです。
既にこの時点であまりに過酷なパイロットの成育条件・環境にこれまでのストーリーを投影するだけで泣きそうです。

■そんな時代だからこそ

僕らは目指したShangri-la
欲望は抑えきれずに
空想にまみれた 「自由」を求め続けた


『Shangri-la』、それは理想郷。
生まれた時から戦争の真っ只中にあり、人類とフェストゥムとの過酷な殲滅戦を繰り返す中で、戦わなくて済む道を目指した理想郷。
それが竜宮島。
遺伝子操作を用い、従来の人とは違う道を模索した竜宮島の人々は大人たちも、そして子供たちもそれぞれの形で、それぞれの視点で「自由」を求め続けたわけです。
大人たちはそれが人の道から外れていると言われようとも、子供たちは今自分たちの持つ「平和」の意味を考えずに「自由」の意味さえ分からないまま、それぞれが「自由」を求めたんですね。

今なら言えるだろう 此処がそう楽園さ
さよなら蒼き日々よ


このフレーズを聴いただけでも泣ける。
この真意は第18話でのパイロット達の決意に現れていて、それこそ子供から大人になっていく成長過程のようにこの決意は涙なしには聞けないものでした。

愚かでも構わない、夢の痕と言われても構わない、竜宮島の「平和」が島の外からみればまやかしだ、偽りだと言われようとも、それでもここには守るべき価値があり、数え切れない犠牲を出しながらも手にすることができるかもしれない「平和」を実現することができるかもしれない、最後の「楽園」なのだから。
今まで外の世界を見るまで色んなことを知ることがなかった、しかし、外の世界を見た「今なら言えるだろう」、ここがその平和を実現することができる最後の「楽園」だと。

例え、自分達が遺伝子工学の化物と言われようとも、ファフナーの電池と言われようとも、それで何が悪い、自分達はそれでも人として生き続けてやる、この島や家族を守る気持ちに偽りはない。
自分たちに遺伝子操作を行ったのは親だが、その親からはかけがえの無い愛情を貰っている、そしてこれまで自分たちが「普通」に生活できるように守ってくれた日々「蒼き日々」に別れを告げ、今自分たちは守られていた存在から本当に守るべき存在になる、さよなら蒼き日々よ・・・。

もう、泣いてイイですか?

■やはり重要だった前半のクール
ここからは2番の歌詞になるんですが、これは一騎が竜宮島を飛び出すまでの前半クールの真意に迫る内容でした。
この歌詞を知っていたら前半クールの見方も違っていたかもしれない・・・、後の祭りですが。
自分も含めて評価が厳しい前半クールですが、そうは言っても後半のあの素晴らしい盛り上がりを考えるとこの前半なしにはやはり語ることはできない、というか前半クールがあるから感動も倍増みたいな(僕は既に録画も無いためDVDで見るしかないんですけどね)。

大切な何かを踏み台にしてまでも
一番高い林檎掴みたかった

無くしてから気付く尊いモノ
幼い僕らは的外れだらけさ

距離を置いてこそ
自分の大きさを知る
未熟な心は
それぞれ分からないまま


これは第11話の一騎が竜宮島を飛び出したところから第15話の総士との「会話」を経て、一騎が何が一番大切なのかを知る前半の最大クライマックスを描くためにあった歌詞ではないのか、と思うほどに切ないですね(もちろん第11話までの話も重要で、一騎だけでなく各キャラも自分の未熟さ、的外れさをまだ自覚していなかったわけですから)。
僕がファフナーの感想を書き始めたのは第13話以降なので、それ以前の記事についてはあぷろんさんの「竜宮島発北極着~諸々雑記帖~」を参考にしてくださいね。
こちらも最終回へ向けて熱い記事を執筆中です。

■そしてラストへ

輝く空は無邪気さを装い 全てを知っていた

この歌詞・・・、切な過ぎる。
蒼穹のファフナー、angelaの歌詞と相まってほんとに切ない物語です。
この蒼穹のファフナーの最終回については、現時点で全く予想がつきません。
それでもこの空は、「蒼穹=広くて青い空」だけは全てを知っているのかもしれません。

さて、最終回まであと数十時間。
たぶんこのオープニング曲『Shangri-la』がかかった時点から泣いているかもしれません(割と本気で)。
もう僕はドキドキでしかたないんですが、最後にどういうエンディングがくるか、しっかり見守りたいと思います。

エンディング曲『Separation』については最終回が終わった時に、改めて考察してみたりしてみなかったりすることにします(えー)。
つか、『Separation』はね、何も考えずに泣いていいんではないかと思うのですよ。
最終回は『Separation』のフルコーラスエンディング希望です。

『Shangri-la』
作詞:atsuko 作曲:atsuko、KATSU 編曲:KATSU
『Separation』
作詞:atsuko 作曲:atsuko、KATSU 編曲:KATSU

■蒼穹のファフナー 公式HP■最終チェックはこちらから


蒼穹のファフナーのOP曲とED曲を収録したシングル
激しくも悲しい旋律で奏でる命の歌

Shangri-La (MAXI)
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Shangri-La、Separationを収録したangelaのセカンドアルバム
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今週のマガジン 4・5号 感想

2004-12-23 17:41:15 | マガジン(とサンデー)感想
今年最後のマガジンとあって、超極厚&内容もぎっしり満足号でしたよ~。

■トト
せっかく新連載開始したのに前回も合併号、今回も合併号とぶつ切りにされています。不遇な扱い受けてます。
つか、編集部もその辺考えて連載開始時期決めれば良いのに・・・。
しかし、本編の方はしっかりとしたストーリー作りで丁寧に描かれています。来年のマガジンが非常に楽しみなのはこの『トト』があるからというのを一つ理由に挙げたいと思います。
少年の冒険ストーリーものという激戦区の中で、夢への共感とそれを受け継ぐもの、自身の夢を投影するもの、こういったスタンスをきちんと描いてくれそうな予感のするこの『トト』に今後も期待したいと思います。
主人公が仮の家族として居場所を得た盗賊団をいきなり瓦解させ、地上に降ろすっていう潔さも応援したい理由のひとつかも。
つか、盗賊団のオヤジは再登場を切に希望!!

■輝
輝というマンガはほんとに素晴らしいね。
どうしてこう毎回こういう話を医療に関連付けて作ることができるんだろう、そしてどうしてこうも毎回感動させられるんだろう。
ベタな話と言えばそれまでかもしれないんですが、そういうベタさをずっとコンスタントに続けられるというのは本当に凄い。
輝らしいクリスマスエピソードに拍手。

■クニミツ
こちらもベタさと誇張表現があるものの、世間に対する問題提起として一級品。
農薬編に続いて、ちょっと興味がありますね。
クニミツと佐和ちゃんが並び立つ最終カットはいろいろ想像しちゃいます。

■ネギま
このネギまは一見ドタバタに見えますが、赤松先生という人は緻密な計算に計算を重ねて仕掛けることができる稀有な存在だ、ということを再認識できましたよ。
つか、学園祭におけるネタの仕込みを入れつつ、3日間をかけて各キャラと学園祭を回るスケジュールをびっちりと立てているなんて、この人もプロジェクトマネージャ向きですよ、恐れ入ります。
今週も個人的には茶々丸がツボでした。ロボなのに(笑)。

■エア・ギア
今少年誌で作画レベルにおいてダントツに高い才能を発揮しているのがこの大暮先生ですな。
もう今週とか美しすぎ、大暮節炸裂って感じで、こっちが悶絶しそうです。
#私燕。は大暮先生の大ファンゆえに、大暮作品の感想を書くときは完全に公平性を失うので先にお断りしておきますね。
もう言うことなし、素晴らしい。
『トト』は連載開始後、合併号が続き不遇だと前述しましたが、エア・ギアでは今年の締めくくりにエミリ、つまり普通ポジションの女の子を持ってくることで、きっちりとエア・ギアの原点みたいなところを描ききってくれました。
第1巻でイッキがエア・トレックで初めて空に飛び出したときのように、ただ純粋に好きだから続けることができるというポイントにエミリを使ってこのインターバルを締めくくってる、こういうのが大暮先生も出来るようになったのがファンとして嬉しい(天上天下の最初の頃に比べるとという意味ですよ、でも、天上天下ももちろん大好きですよ)。
エミリの場合、その気持ちをカズならきっと分かってくれる、そこを共有できる、というモチベーションにしたのが秀逸だなと。
で、最後にカズが拾ってくれたから、普通のアクセがたった今から大事なものになったていうのも展開としては大好き。
今年最後に大暮先生の作品をこういう風に見ることができて幸せ。
#エミリはエア・トレック履かないのかな?素で壁を走れる猛者ですよ、きっと彼女は。

■神to戦国生徒会
これはかなりマズイ。
合併号が続くこともあって、完全にスピード感を失っています。
『トト』は連載2回ですが実質ページ数としては6話分くらい消化していて、既に序章を終了し次回から新展開に入るとこまで来ているのに対して、こちらはまだ何も始まっていない感すら漂ってきています。
バトルに重きを置いているぶん、こちらはスピード重視にしないといけないと思うんですが、もうエロシーンだけではカバーしきれないなんじゃなか?
そう考えると『トト』のつくりの丁寧さが目立つなぁ。
つか、個人的好みなだけかもしれないんだけどね。

■涼風
これは大和、いかんですよ。
ほのかを好きになろうと思い込むためのキスですよ、これは。
既にほのかちゃん、不憫すぎます。ほのか応援サイトにでもなろうかな(98%くらい嘘ですが、2%くらいで何かやるか、いや、首を絞めるからやめよう・・・)。

■スクラン
執事の中村さんの最終カットがツボ。
イトコ先生もノリノリで参加していたくせに発見者として登場かよ。
結局両方やることになったんなら、バンドもやるんじゃないのか?
ミコちんの出番、もっとプリーズ。

■濱中アイ
もう呆れすら感じるほどに面白い。
サンタを信じているような子が、サンタにそんなお願いをしていて、しかもそれを受け入れるっつーシチュエーションが一番ツボだよ。
この作者はほんと一年中こんなことばっか考えてるんだろうなぁ。ある意味関心しちゃうよ。

■チェンジング・ナウ
アシスタント事情を柏木ハルコ先生にまで心配されてる!
しかも柏木ハルコ先生とは面識が無い!
素晴らしい、この作家さん。
しかもアシスタント事情はまだ解決してないし。
アシスタント事情と反比例するようにマンガの完成度は上がっていく。
いっそ、ずっと自分でやっていく覚悟をした方が良いのではないかね。

今日は祝日ということもあるんで短めです。
祝日・休日は家族最優先なんでゴメンナサイ。
ともあれ、今年のマガジンは素晴らしかった。
もともと僕はサンデー派だったんですが、それを乗り換えさせるほど良かったですね。
安定度ではピカ一、来年も期待しています。