木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

247 シンプソンの金物を改良する(ウッドデッキの大引きと束の結合)

2021-05-28 17:56:12 | ウッドデッキ
キットデッキの開発で試行錯誤していた頃、
「シンプソンの金物」を使ったことがあります。
この金物はアメリカカナダで広く使われていて、
種類も豊富で個人的には好感をもっていたメーカーなのですが、
ウッドデッキ用として、D(Y初心者が扱うには色々と問題がありました。
それは
① 鉄の厚みが薄くて強度がない。そのため、両側から打つ必要があり、手間がかかり費用もかかる。
② 角がとがっていて、危険。
③ 釘固定を基準に作られているのでビスを打つには穴が小さすぎる
④ 亜鉛メッキの色が安っぽい

本来は良い金物なのに、これでは使えないと考えました。
弊社は木材の加工業者なので、金属部品については既製品を使いたいところですが、
この部分がウッドデッキを作る時の要になるところでしたので、
思い切って別注製作することにしました。




改良点は次のところです
① 鉄の厚みを上げて強度をアップする
② 真ん中にリブ加工を入れてさらに強度をアップする
③ 穴をビス対応用に大きく変更する
④ 端をアール面取りして作業の時に怪我をしないようにする
⑤ 色を自動車用の塗装をして耐久性と見栄えの両方を兼ねる
⑥ 取り付けビスも別注して、黒の高耐久メッキをして、さらにビットを四角にして、ビス止めを簡単にする。

この商品は開発して四半世紀以上経過しますが、なかなか優れものです。
製作当初は型代の償却ができるか不安でしたが、隠れたベストセラー商品です。
実際にこの金物を使っているお客様の施工例をご覧頂ければ片側だけで十分強度があることがお分かり頂けると思います。
詳しくお知りになりたい方はキットデッキをご覧ください。

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246. ウッドデッキの基本的で理想的な構造

2021-05-06 20:54:45 | ウッドデッキ
ウッドデッキの床下構造は、大引きの下に束を持ってくる方法と、
束の横に厚みの薄い大引きをビス止め固定する方法との2種類があります。
さらに、大引きの上に直接床板を張るか、大引きの上に根太を設置してその上に床板を張るかの選択があります
それぞれに長所と欠点がありますが、
弊社が25年前にDIY初心者向けのデッキを開発する時にどちらを採用したかと言うと
大引きの下に束を持ってくる工法で、床板を直接大引きに張る工法でした。
それがこの工法です。


理由は、簡単に組み立てが出来、それでいて強度があり、いい加減に作っても綺麗に仕上げることができると言う
DIY初心者にはぴったりの工法だったからです。
しかし欠点もあります。
一つは根太のない分、床板を厚いものを使わないといけない。当然材料コストはアップします。
さらに、束と大引きを接合する金物は市販されていませんので、金型から起こして開発する必要があります。
でも、完成するとこのように綺麗な仕上がりになります。


この商品名は「キットデッキコンセ」と言うベーシックで発売以来ずっと根強い人気のある商品です。
(手摺は後から自由な位置に取り付けることができるのも人気のある一つの要因です)
「DIY初心者が作ってもプロ以上の仕上がり」これがキットデッキ開発の時のコンセプトです。
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