◇幻想詩人YO=YO◇    □Visionary Poet Yo=Yo□

【死刑囚】エリク君が覚醒するような詩・死刑への依存と甘え なお著作権は放棄しておりません、無断転載はお断りいたします

 ◇ 品川 その4◇

2018-09-21 03:10:47 | 短歌
カネが美人だけなら、それは当たり前の事実として、

若い日本橋から通ってきてもおかしくない。

AKBにいたら、センターをやれるくらい、

柏木なんとかみたいな美女だった。大きな縦縞の

着物が似合うし、三味線を弾く姿の、襟の奥に細くて

綺麗な白い首が、柏木なんとかとそっくりだった。

昔の写真を見て、私は子供の頃思った。

そして、カネは東芝の技師の男と結婚すると、

明治の終わりごろに、品川宿のはずれに、

宮大工によって、一軒家を建てた。

釘を一本も使わず、ほぞとほぞ穴だけで、

建てた家だったので、関東大震災でも

びくともしなかった。

その家で、家政婦紹介の事業を始め、

商才があったのか、カネは貸し金も始め、

品川の宿で一番の大金持ちになった。

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