◇幻想詩人YO=YO◇    □Visionary Poet Yo=Yo□

【死刑囚】エリク君が覚醒するような詩・死刑への依存と甘え なお著作権は放棄しておりません、無断転載はお断りいたします

 ◇ 偉人の杖 ◇

2008-05-31 00:23:56 | 
 杖を地面に

 そこから水が涌くだろう

 なにも病気ではないとしつこいくらいに

 否定して

 偉人は、そこに佇んでいる

 偉人は、その杖で歩んでいる

 地上のあらゆる場所を

 踏み

 地上のあらゆる場所を

 歩んだ

  その後に、痴呆と言う

 理想郷にやって来た

 いや、怒号が響きあう

 玄関に、偉人の杖は置かれていた

 それは、ありし日の

 すべてを、大地に還す杖だ

 ◇ 約束どおり ◇

2008-05-27 00:12:34 | 
 「殺すって言ってたじゃん。」


 「ごめんね。」


 「なんで、約束破ったの?。」


 「お前には、十分な事は残せたはず。」

 
 「何言ってるの?約束破っちゃ駄目でしょ。ちゃんと守ろうよ。」


 「何にも心配はしていない。」


 「殺してよ。今すぐ殺してよ。」


 「ちゃんと話は聞いている。殺せなかった。」


 「嘘つき。嘘つき。嘘つき。殺してくれるって言ったじゃん。」


 「いざとなると殺せなかった。」


 「ああ、もうおしまいだ。どうせこうなると思っていた。裏切られたんだ・・。」


 「ごめんね。」


 「馬鹿、馬鹿、馬鹿、お前が先に死んでどうするよ。」


 「ごめんね。」


 「死ぬなら約束を守って死んで。」



 天使よ、そこにいたんだね 

 君は僕を見守っていたはず

 天使よ、君は証人だ

 すべて起こった出来事の

 そこから先に起こった出来事の

 天使は、神と約束してくれたんだろう

 「きっと、この子は死なない」と

 

 ◇ 失楽園のプール ◇

2008-05-24 19:02:26 | 
父は夏のホテルのプールで

僕に「射精したくなっちゃった」と言った

夏のプールサイドには、ビキニを着た

お茶目な子がいっぱいいた

どうぞ、ここで射精してください

僕の兄弟が無尽蔵にあなたの睾丸には

まだ、隠れているのですね

「どうして、射精するのか」

まだ、だれも人類が射精していなかった頃

その頃の、一番初めに射精された

精子が、僕なのですね

あなたに射精の仕方を教えてくれたのは、神ですか?

僕はあなたの精子でいた頃が、いちばんの楽園にいたのです

「ここで、あなたの精子を出してください。プールの人込みの中へ」

 ◇ 失楽園 ◇

2008-05-22 23:50:22 | 
僕が宗教と言う毒の実を

 食べたのは、ただたんに赤い実が

食べたかっただけです

 家の中で、僕だけが小鳥でした

小鳥の言葉で理解してくれない

 もどかしさが

赤い実をおいしそうに

 さし出したのです

「さあ、食べなさい。この赤い実を」

僕は、家の中で居場所がなかったのかもしれない

 「いや、居場所はあったのさ」

そうだ、居場所あったかもしれない・・・

「でも、どうして赤い実を食べたの?」

たぶん、それは知恵の実だからですよ

 「童貞を捨ててまで、守るものはあるのかい?」


ええ、それは家の中では話題に上りました



  その答えが・・・・


  その答えがよくわからなかった

 ◇ 霊界旅行 ◇

2008-05-21 02:01:15 | 
家の鍵をなくして、家に入れなかった

しかたなく、近所の家に行って鍵を預かってないか聞いてみた

前に一度だけ、鍵を預けていた事がある

丁重な挨拶をされ

「お預かりしていません」と上品なおばさんに玄関先で

三つ指をついてご挨拶された

そうだ、そんな事はただ一度っきりだった

僕は仕方なく、霊界をさ迷う事にした

霊界では、失くしたものが見つかるらしい

僕は子供の頃の思い出の品を見つける事ができたが

肝心の鍵はいつまでたっても、見つからない

ガタガタと、音がした

ビリビリと、痺れた

霊界の104丁目までさ迷ったが

子供の頃に、死に別れたホクロだらけの

お婆さんに会って、それでこの世に帰ってきた

この世に帰ってきたら、自分の家は無くなっていた

浦島太郎のように、20年は歳を取っていたと言うオチだ