ちょうど、15歳の頃、全身にアトピー性皮膚炎の湿疹が広がった。
四六時中、痒くて掻き毟っていて、皮膚からだらだらと炎症して
いつも血とリンパ液がにじみ出ていた。
朝起きると、布団のシーツから自分の体をはがす事から一日が始まった。
靴下を履いて寝ていたが、靴下を剥がすと、500円玉以上の大きさの湿疹が足の甲や
足首にいくつもあって、びりびりと音がした。
そして、強烈な痛みと共に、皮膚が剥がれた。
教会に行くと、病院に行かずに祈って治しなさいと牧師に言われたので、
言われるままに、牧師に祈ってもらっていた。
しかし、一向に病状は回復せず、病巣は体中にどんどん広がっていくのがわかった。
両親が見かねて、僕の様子の変化に気づいて、(気づいたのはだいぶ病気が進行したあとだ)
病院に行かされて、治療した。
その後も、一進一退で、お医者様からは、「もっと早く来ていたら、こんな事にはならなかったよ。」
と言われた。
僕の直らない皮膚病は、僕の思春期の十字架だ。この為に、人とセックスをするという
行為は、僕の思春期には一度も夢想だにできない行為になった。
たぶん、僕はこのまま誰ともセックスしなくて死んでいくんだろうと絶望していた。
そして、過食症と拒食症を繰り返し、ダイエットとリバウンドを何度も経験した。
家の中に引きこもるようになっていた。