お仕事の関係で、世界の森林統計なんぞを眺めている。
すると、世界の森林の生長量は、少なく見積もっても50億立米以上となっていた。
そして産業用の丸太生産量は、約16億立米、燃料材生産量は、約18億立米。つまり両者足しても34億立米なのだから、森林は増える一方ということになる。
しかし、森林そのものは減っているらしい。面積も蓄積も。どうやら、木材として利用しない伐採や森林火災などで失われる森林蓄積が、その差を埋めているようだ。つまり16億立米以上の森林・木材が無駄に消えていることになる。
さらに1995年時の産業用材は、15億立米以上生産されており、そのうち2割ほどが1億ヘクタールの人工林からのものとある。ところが、その後急速に植林が進んで人工林が増えている。その大半が中国だ。
おかげで2010年には6億立米、2020年には10億立米の木材が、人工林から生産も可能となる。
なんだ、世界の森林危機は、数十年後には回避できる見込みがあるではないか。無駄に燃やしたり捨てられる木材を抑えて、人工林からだけ木材生産をすればよいのだ。
これらの数字をどこまで信用するか難しいが、それなりの根拠のある統計だからなあ。あんまり森林は危機だ、危機だと叫びすぎるのはマズイのかもしれない。
http://cruel.org/economist/economisttrees.html
私も「環境危機をあおってはいけない」(ビョルン・ロンボルグ著)を読んで、20世紀に入ってから森林はそんなに減っていないという意見は知っていたのですが、具体的に数字が出ると、これまでの森林危機説はなんだったのか、と思います。