森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

素の箸

2006-05-31 12:04:48 | 木製品・建築

素の木箸についても考えてみた。

 

実は、私の手元には、クヌギの箸がある。ある工芸家を取材した時にいただいたものだが、その工芸家は、雑木で器や家具を作る運動を行っていた。とくにクヌギは、木炭の原木や椎茸のほだ木としては重要だが、木材としては軽んじられている。しかし、ちゃんと加工すれば、立派な素材であることを示していた。

 

実際、クヌギは凄いのだ。箸を見ても美しい文様があり、惚れ惚れする。ケヤキやブナ材より私は、好きだな。

 

……ということで、素の箸。本来箸は、古事記の時代から木を削ったまま使うものだった。2本1組の箸である。それが江戸時代に入って塗り箸が生まれたが、庶民はずっと素の木箸だったはずだ。明治になって割り箸が商業化された(割り箸の誕生に関しては諸説あるが、300年以上前に誕生しているのは間違いなさそうだ)。

もちろん素の木のままでは、長持ちしない。ほとんど使い捨てだった。我が家では、国産割り箸を、割ってからも一度では捨てず1~2週間は使うが、それによく似た使い方をしていたのではなかろうか。
そこでオイルフィニッシュという選択肢も生まれる。塗料ではなく、オイルを塗り込むことで木の材質感を残しつつ、長持ちさせる。もっともオイルの安全性とかは考慮せねばなるまい。浸透性のポリプレマーという手もあるだろう。

 

ただ、こうした箸が、割り箸に取って代わるかと言えば、あまり可能性はないように思う。営業用に使うのなら、塗り箸と変わらない弱点があるからだ。それに洗って箸立てに入れると、常に同じ2本をセットにできない。客は抜き取るのに抵抗感をもつのではないか、と想像する。

 


塗り箸の真実

2006-05-30 11:33:57 | 木製品・建築

割り箸の本を書く、なんてコメントしてしまったから、ちょっとチェンソーアート大会に関する記事は延期(^o^)。

 

何度も生まれては消えていく割り箸批判(最初は、戦時中だったとか)だが、日本人は箸で食事する。となると、必要な箸はどうするか。安直なのはプラスチック製の箸である。私は悪くないと思うが、環境問題を唱える人には抵抗があるだろう。
そこで塗り箸ということになる。木製の箸に、漆などの塗料を塗ったものだ。ただし安物は、人工的な樹脂塗料だろう。
割り箸を論じる前に、塗り箸について考えてみた。では、マイ箸も含めて塗り箸とはどのようなものか。


まず素材は何だろうか。浮かぶのは黒檀、紫檀、クワ、カエデ、カリン、アオダモ、ヒバ、イイギリ、ナンテン、ホウ、ブナ、サクラ、ウメ…など。ほぼ広葉樹材だ。なお竹も多い。そして面白いのは、それらは外材が多いことである。竹もそうだ。産地は、東南アジア、中国、そしてカナダなど。
日本産なら、ブナやサクラ、ナンテンなどがあるが、いずれも人工林のものではなさそうだ。つまり天然林から材を得ている。クワは、かつて養蚕で植えたものかもしれないが。

 

次に耐久性。塗り箸も、永久に使えるものではない。自宅のものなら何年も使う場合はあるが、食堂などで使う場合は、良心的にすると約1カ月という。塗りが剥げたり傷が目立つようになるからだ。汚れた塗り箸を出したら、客が逃げてしまうことを心配しなくてはならない。

 

そして洗浄に水、洗剤、動力(エネルギー)を使う。何より手間が大幅に増える。
コストアップは間違いない。環境負荷もそれなりにあるだろう。ちなみに生産コスト・エネルギー・環境負荷も、割り箸より大きいはずだ。

 

さて、こうした塗り箸と割り箸を、どのように環境負荷も含めて比較するかが難しい。
単純に食堂で塗り箸を1日2回使うとすると、1カ月で60回使える。本数は割り箸の60分の1になる。木の消費量も60分の1か。
価格は、1本2~5円の割り箸の60倍なら300円までなら釣り合う。でも、この値段なら人工樹脂塗りだろうな。漆塗りの箸なら数千円、万を行く逸品もあるが。

 

数年前、輪島の塗り箸と吉野の割り箸の両メーカー同士の論争があった。その結論は、どちらも守り育てなくてはならない、だったと思う。


世界チェンソーアート競技会in東栄パート2

2006-05-29 11:53:25 | 時事ネタ

まだ当事者のHPではアップされていないようなので(本ブログのリンク欄見てください)、勝手に紹介するが、まず城所啓二氏が、ワールドクイックパフォーマンスで優勝、つまり初代世界チャンピオンになった。作品は写真の鹿。

また出来杉こと梶谷哲也氏も予選で5位入賞。作品は2匹の犬。

いずれも本ブログに時々コメントを寄せていただいている。

 

大会の様子などは、当事者がそのうち書き込むだろうから、あまり深く触れない。ただ日本で初のチェンソーアートの世界大会が開かれたことの意味を考えたい。
参加者はアメリカ、イギリス、ドイツ、スウェーデン、オーストラリアなど海外から11人(うち招待選手7人)、日本全国より52人(うち招待選手は4人)。日本に本格的に入ってきて6年で、ここまでの広がりを持った。

 

2日間で消費した木材は、約20立米だという。小さめの住宅1軒分だろう。大会運営費は、約500万円。かなり切り詰めたそうだが、大会全体の経済効果は、推測で1300万円以上と計算した。さらにPR効果がある。全国のニュースに流れたはずだから、東栄町とチェンソーアートの名がかなり広めたことになる。

 

さて、こうした効果をどのように評価するべきか。


世界チェンソーアート競技会in東栄

2006-05-29 00:36:12 | 時事ネタ

土曜日の夜に奈良を出て、車で愛知県東栄町に行ってきました。

ここで開かれた「世界チェンソーアート競技会in東栄」を見学するためです。東栄町で毎年開かれていたチェンソーアート競技会をパワーアップして、歴代チャンピオンや外国人招待選手も含めた大会です。

 

そして、先ほど帰って来ました。詳しいことを報告するには疲れているので、とりあえず結果報告だけすると、優勝したのは和歌山県田辺市龍神村の城所啓二さん。ダントツでした。

 

ここで見聞きしたことは、またおいおい。写真も後でアップします…。

 


『田舎で暮らす!』と『田舎で起業!』

2006-05-27 16:30:13 | 出版後の反響

ちょっとAmazonで、『田舎で暮らす!』を検索してみた。

 

すると私が書いた著作が並んでいる。それも売れ行き順らしい。さすがに新刊である『田舎で暮らす!』が一番であった。そして二番手に『田舎で起業!』が入っていた。昨年の『だれが日本の「森」を殺すのか』が三番に落ちている。

 

それからしばらくして再びやってみると、今度は『田舎で起業!』が一番になっていた。田舎で暮らす!』が二番手。順位が入れ代わっている。

その後もデッドヒート?を演じて、この二冊が上位に並ぶ。どうやら『田舎で暮らす!』が『田舎で起業!』も牽引しているらしい。相乗効果で両方売れてくれるのなら大歓迎(^o^)。ただし、『田舎で起業!』の残部は、あまりないのでお早めに。

 

この二冊、タイトルも内容も似ているのだが、実はスタンスは微妙に違う。『起業』は田舎の人向けのメッセージであるのに対し、『暮らす』は都市民向けのメッセージなのである。そのことに気づいているかな?


カテゴリーの再編

2006-05-26 01:12:32 | ドーデモ体験談

すでに気がついている人もいるかもしれないが、カテゴリーを再編した。

 

木製品・建築」を追加したのである。 具体的には、木造建築はもちろん、割り箸関係もみんなコチラに移した。

 

これまでの記事もカテゴリーを分類し直していこうかと思っている。 だんだんどこに分類してよいか迷う記事を書くと、とりあえず気分で当てはめていたが、すると後で探し出すのに苦労する。案外、自分で書いたものなのに、後で読み返すことがあるのだよ。コメントもだけど。それを元に雑誌向けの記事のアイデアを練ったりもする(^^;)。ここで書いたことが、そのうちどこかに載るかもしれない。ほとんど論考実験室になっているのでした。


書評・公明新聞

2006-05-25 11:43:31 | 書籍・映画・番組など

公明新聞5月22日号に、『田舎で暮らす!』の書評が載った。
感謝。

 

公明新聞は、『だれが日本の「森」を殺すのか』でも書評を載せてくれた。政党機関紙には献本していないと思うので、ちょっと意外。しかも掲載紙を送ってきてくれた。こうした新聞は珍しい。ともあれ感謝感激である。

最近、書評チェックをさぼり気味。もうすぐブログ一周年になるのに、だれ気味かなあ。

 

 


出版社のFSC認証取得

2006-05-24 15:06:32 | 林業・林産業

東京に行った際、ある出版社が「FSCの認証を取った」と聞かされた。

 

FSCは、森林管理協議会が行う森林認証制度だが、これには2種類ある。
一つは、森林認証。つまり森林所有者が、その管理手法を審査されるもの。環境に配慮していれば認証を取得できるわけだ。
もう一つは、そうした認証のお墨付きをもらった森林から出るもの(主に木材)の流通に関わる認証。認証済の森林から出た木材も、その流通過程でほかの木材と混ぜられたりするといけないから、確実に消費者の元に区別されて届けるシステムを作っていることを証明するものだ。CoC認証と呼ぶ。チェーンで結ぶ、という意味である。

 

さて、出版社がFSC認証を取るというのは、後者である。認証のある森林から出た木材パルプをCoCによる流通を経て紙に加工され、それを使って出版することを証明されるという。
つまり、近く日本で初めてFSC認証の本が出版されるのだ。

 

まだ出版前だから出版社名や著者などは伏せておく。これで本が売れるとは思わないが(^o^)、FSCでこんなことも可能なんだということを示せるだろう。
ちなみに海外では、ドイツの出版社が、「ハリーポッター」をFSC紙で出版している。


木造住宅の建設現場

2006-05-23 10:43:53 | 木製品・建築

我が家のすぐ側で、現在3軒の住宅の建築が進んでいる。それも並びだ。おかげで工事車両などが行き交い、狭い道が大変(加えて下水道工事も進んでいる)なのだが、それでも住宅の建築過程が見学できる。

 

施工は、みなハウスメーカー。それにしても、早い。基礎が終わったら、ほとんど1日で外観が立ち上がった家もある。パネル工法だから、パネルを張り合わせると壁が全部完成するのだ。
一方で、軸組工法で太い梁を入れているのも見かける。もちろん外材だが。接合部はみんなボルト。ほぞ穴や本さねなどなく、運び込まれる木材はみんなプレカット済だ。

 

一応断っておくが、私はパネルとかボルトがダメと思っているわけではない。実はほぞ穴を開けるよりボルトの方が、木材を貫通する穴が小さくて済み、強度が保てるという論もある。パネルも、強度は軸組より強いという声もあった。壁全体で支えるからだ。それに早いというのは、建築費の削減に大きく寄与するだろう。
強度も計算し尽くされ(手抜きなどがない場合)安心できる。

 

しかし、この「早い」というのが曲者で、そのために乾燥材が求められ、プレカットが進み、大工の技量が落ち…という連鎖が起きる。現場の条件に合わせた工夫も求められない。アベレージ高得点の家はできるが、味わい深さとか最高級の家にはならないわけだ。

 

では、どちらを求めるか。庶民としては、味わいより価格かなあ。

 


割り箸の本

2006-05-22 10:42:31 | 仕事関係

東京で、某出版社の人とあった際、次のテーマとして何を考えているかと問われて、思わず「割り箸」と応えてしまった。実は、深く考えていない(~_~;)

 

ただ改めて考えてみると、可能性はあると思い出した。
中国の割り箸輸出禁止の可能性などタイムリーだし、そもそも私は割り箸問題に関しては10数年前から取り組んでいるのだ。当時は、「割り箸が熱帯林を破壊する」という戯言に対して「割り箸こそ森を守る」と訴えたし、昨年からは輸入割り箸の激増問題をチェックしてきた。環境問題から付け刃で取り組む記者に対して、林業的視点を持つのは私しかいないと自負もある。
また、最近はやたら専門的になっている執筆活動だが、割り箸なら一般人にもとっつきやすいだろう。

その点では悪くないのだが、実はそう簡単ではない。数ある企画の中で、自分の中の優先順位も考える。スタンスも悩む。単なる業界ルポなら誰でもできる…とはいわないが、つまらない。面白い切り口はないものか。割り箸職人をクローズアップするとか、いっそ児童向きにするか…。思い切り偏った?視点もいいかもしれない。中国の割り箸謀略説とか日本史を動かした割り箸(⌒ー⌒)。はたまた花粉症は割り箸で治す、ついでに割り箸ダイエット。トンデモ本や。

取材の問題もある。中国まで行くかどうかはともかく、タイムリーさを狙うなら、時間が勝負。私は、自慢ではないが、遅筆である(-_-)。
そして経費も重要だ。雑誌記事と絡ませることができなければ、書き手の持ち出しになる。それでも引き合うのか。こっちもプロだからねえ。ちゃんと計算するのだよ。(国会図書館まで通って追いかけているテーマは、採算度外視なんだけど(^^;)

 

さて、どうしようかな。出版社側は、結構乗り気なんだけどね。


新書の運命

2006-05-21 17:12:29 | 出版後の反響

『田舎で暮らす!』版元の平凡社とも話したのだが、近頃は新書の種類も増え、みんな月に何冊も出す。本屋の棚も取り合いだ。結果的に月刊誌並に消費されてしまう。

 

かつて新書や文庫は、そのシリーズ性より、永く本屋の書棚に陳列されるものだった。だが、今では単行本よりサイクルが早いかもしれない。
そのうえ、分類上は新書であり、内容による分類より外れるので、せっかく「森林」「環境」とか「田舎暮らし」というテーマでも、その専門の棚には入りにくい。それでは、探している読者の手に届きにくいのではないか…。

 

東京の三省堂書店を覗くと、「農業」とか「地域づくり」の棚の一部に、田舎暮らしも含まれていた。さすがに『田舎で暮らす!』も平積みであった。しかし、隅の方だ。
そこで店員の目を盗み、平積みされている本を大移動させて、拙著を真正面に移した(^^;)。


民主党の森林・林業再生委員会

2006-05-20 00:45:16 | 政策・行政関係

東京で国会議員事務所を訪れた件だが、正確に記せば、前田武志参議院議員の事務所である。

その理由は、何も国会図書館に関する愚痴を言いに行ったのではなく、その晩に開かれた民主党の『次の内閣』農林水産部門、森林・林業再生委員会の会合にオブザーバーで出席させてもらえることになったからだ。

 

政策秘書の鈴木さんの案内で、衆議院の議員会館会議室に行くと、そこには何人かの議員らが集まっていた。名簿には14人ばかりの名が並んでいたが、出席者は8人くらいか。そして2人は途中退座。結構こじんまりした会合である。
今回は第1回目ということで、事務的な手続きが決められた後に、菅直人議員(肩書は、民主党農林漁業再生本部本部長)が、「これまで勉強した日本の林業の問題点を整理してみます」と、黒板に向かいつつ、解説した。

 

それが、なかなか鋭いのだ。菅議員が林業を語るだけでも意外感があるのだが、決して通り一遍ではない。
まず「日本では、林業が成り立っていない」とずばりと言い切った。そして、
1、森林の生長量と伐採量の持続的計画性がない(いわゆる恒続林思想がない)。
2、林野庁の出している二酸化炭素削減(3,9%を森林が吸収)案は、政治的にはともかく科学的には何の意味もない。
3、国有林はおろか、民有林でも本来の「経営」がほとんど行われていない。
4、国産材の利用が進まないのは、ニーズに応えていないうえ、安定供給に欠けるから。そのために必要な林道・作業道の普及も遅れている。
5、用材だけが林業ではなく、森林の廃物の利用(バイオマス・エネルギーを含む)がなければ林業経営は成り立たない。

 

細かい点に関しては、いろいろ突っ込み所があるのだが、本質はそのとおりだと言ってよいだろう。すでに各地を視察して、現場の声を聞いたようだ。

 

その後の議員間の意見交換でも、集まっていた議員は、意見の差はあっても、前提としての認識に大きなズレはなさそうだ。
ただ、前田議員が「森林と市民をつなぐべき森林組合が腐っている」と発言したとき、みんなはピンと来なかったようだが、私は思わず噴き出した(^o^)。

 

実は、私は5年前に民主党の同じような会の勉強会に講師として招かれたことがあって、その時私は、林業が産業として成り立っていない点を力説し、経済的概念からの森林政策を提案した。『日本の森はなぜ危機なのか』と重なる内容である。
が、その際の出席者(議員)は、あまり理解できないような反応だった。森林は税金をつぎ込んで守るべき、という発想が強かったのだ。
だから正直言って、今回の会議の内容もあまり期待していなかったのだが、嬉しい誤算となったようだ。(ちなみに、当時の出席議員は、今回とは全然違う。多くは離党しちゃった。)

 

ただ基本認識はよくても、その改革をどのような政策としてまとめられるのかは別問題。あくまで経済性を重視すれば、林業は立ち直っても見捨てられる森林が出るだろう。地域経済全体を考えないと肝心の森林は守れない。かといって、大規模な資金投入は逆効果だと思うし、そもそも金もない。
今後どんな政策を打ち出すか注目しよう。そして、実行性も。このブログでも話題にした、法制局や既得権益の壁をいかに乗り越える策を練るか。誰も反対しづらい、WinWinの策に期待している。

 

ちなみに、内輪の会合だからだろうが、思わず「林業のことやっても、票にはつながらない」という声も出た(^^;)。それでも「来年の参議院選挙の前までに、山村地域に希望が湧くビジョンを打ち立てたい」とのこと。森林ビジョンの立案は、参院選挙の一人区対策でもある。政治の、表裏の生々しさがある。


ともあれ都市型政党と思われている民主党が、農山村問題に熱心になるのは、結構なことである。党首が、岩手出身の小沢氏になった点も効いているかな。


 


国会図書館顛末記

2006-05-19 11:26:56 | 仕事関係

国会図書館の資料を巡る顛末。

 

すでに書き込んだが、某資料を探して奈良や大阪の図書館を歩いている。検索ではあるはずの古雑誌が見つからず、とうとう最後の頼みの綱は、国会図書館となった。東京である。(関西館なら近くなのだが…)

そこで探してもらうと、問題の雑誌は昭和29年のものだが、30年からしか電算処理していないという。それでも目録ではあるらしい。書庫での確認と複写は、個人では無理なので地元の図書館に申し込む。すると、1カ月はかかるという…。

それで頭に来て、直接東京の国会図書館に乗り込もうと考えたわけである。そして予定を組んでいると、出発前日の夕方、地元図書館より電話。
「申し込まれた資料は、痛みがひどく、閲覧不可という返事が来ました」

唖然呆然愕然。復刻版がないか、探してみます…というわずかな言葉はあったが、期待はできない。ただ東京へはほかの予定もあったので出発する。
でもって、とりあえず見学でもしてやるかと、雨の中訪ねた国会図書館は閉館日だったのだが(>_<)、そのすぐ側にある参議院議員会館を訪問する。以前から親交のあった某議員の秘書のところにお邪魔して、この資料を巡る笑い話?をした。

 

すると、議員ルートで一度当たってみるとのこと。

 

そして東京から帰った18日深夜、とりあえずメールチェックすると…
「コピー手に入りました」との報。

 

なんでも、国会図書館本館にはなく、国会議事堂内の分館にあったそうだが、改めて国会図書館とは、国会のため、国会議員のためにあるんだなと再認識した次第である。

 

いや、皆さんのご協力で、少しずつ謎のミッシング・リンクが埋められていくようで、ワクワクします(笑)。
これらの成果をいつか発表できる日を作らねばならないと意を強くしています。

 

ちょっと絵文字多すぎ…


国産材の輸出障害

2006-05-16 10:14:05 | 林業・林産業

久しぶりに国産材の海外輸出について。

 

森コロで国産材の中国輸出の動きを紹介して以降、様々な木材輸出の話が進んでいる。国も動きだしたし、各県・各木材団体も色気を出している。
中国だけでなく、韓国もターゲットだ。鹿児島県に続いて宮崎県も試みようとしている。韓国の住宅事情は、集合住宅が中心だが、徐々に一戸建ても広がりつつある。だが木造ノウハウに欠けている。木材も自国にほとんど産しない。日本の木材を売り込むチャンスだ。

住友林業も韓国の住宅市場に参入することを決めた。同社の海外進出は、北米、中国に次いで3か国目。韓国大手建材メーカーの東和ホールディングスと共同出資で住宅会社を5月に設立するそうだ。

ただ気をつけたいのは、当初は2×4にて建築すること。つまり外材を使った住宅。その後木軸工法、ラーメン工法(鉄骨?)の導入を検討するというが、国産材を使うとは言っていない。韓国の建材ばかりかもしれない。ただ市場が広がるのだからチャンスは増える。

 

ただ中国輸出を始めとして、イマイチ進展がないのは、中国側の事情や慣れない貿易にとまどう日本の木材業界、そして為替変動のせいもあるだろうが、案外見落としがちな障害は、小泉首相の動向だ。

もし中国に木材を送った頃に靖国参拝でもされたら、中国はおそらく報復に出る。その際、木材貿易に難癖つけて陸揚げさせなかったり、代金支払いを遅くする可能性は高い(過去に例がある)。下手すると数千万円の損害が出る。それが怖い、と関係者はいう。韓国は、そこまで行かないにしても、停滞する可能性は強い。
首相の9月の退陣まで木材輸出は進まないかも。