僕が免許を取った頃、高性能エンジンといえばDOHC(ツインカム)であり、ターボはまだ一部の高性能車だけでした。そんなところへ「ツインカムターボ」なんていう「えーい両方じゃ!」的な夢のようなエンジンが(確か最初はトヨタから)出てきてワクワクしたのを覚えています。
「ターボ」とは、それまで捨てていただけの排気ガスの力でタービンを回し、そのタービンの回転力で燃料ガスをエンジンへ強制的に送り込むという技術です。もとはと言えば酸素の薄いところを飛ぶ飛行機のエンジンで酸素を効率的にエンジンへ送るために開発された技術です。
ターボは「アクセルを踏み、排気ガスがタービンを回し、その力で燃料と酸素がエンジンにぶち込まれ、急激に回転が上がりパワーがでる」という一連の行程を経るため、どうしてもアクセルを踏んでからパワーが出るまでにタイムラグ(これをターボラグと言います)が生まれること、思った感覚とズレた急激なロケット加速感になること、などの欠点があり、これが僕のターボ嫌いの理由でもあります。
自動車メーカーもこの20年ほど同じ理由でターボ好き・ターボ嫌いなメーカーに分かれてきたと思います。日本ではトヨタがどちらかと言えばターボ嫌い、日産がターボ好き。海外ではBMWはターボ嫌い、アウディはターボ好き。
ただ、ターボが通常の排気量以上のパワーが出せるのも事実であり、現在は燃費向上を目的として、排気量は減らしてターボ化(しかも小型ターボでレスポンスを良く)でパワーを稼ぐ・・というのが欧州自動車メーカーのトレンドになっています。
たとえば2Lカーだったフォルクスワーゲンゴルフやパサートは今や1.2Lや1.4Lのターボです。シトロエンもなんとC5を3.0LのV6から1.6Lターボにしてしまいました。前述のドライビングフィールを最も重視するBMWでさえ、最近は多気筒化・大排気量化を抑制する目的でターボ化を進めています。
一方、「DOHC」はエンジンの構造技術であり、「ダブルオーバーヘッドカムシャフト」の略です。
現在のエンジンはほとんどがOHC(SOHC)であり、上部にあるひとつのカムシャフトが吸気と排気両方のバルブを開け閉めします。それでエンジンが高回転になってくるとこの開閉のタイミングが合わなくなってきて、一定以上は回転が上がりづらくなるわけです。
「DOHC」は、文字通りカムシャフトがオーバーヘッド(エンジン上部)にダブルで(ふたつ)あって、それぞれが各気筒の吸気と排気を別々に担当することで、各バルブの開け閉めを高回転までちゃんと追従してできるため、エンジンがパワフルな高回転まで正確に回るようになる、という技術です。DOHCはカムシャフトが2つあるので、略して「ツインカム」とも呼びます。
(なお、現在はDOHCは高回転までを回すだけの目的の技術ではありません。例えば先日出たマツダのエコカー(なんとガソリンNAエンジンを突き詰めた技術で30km/l!)デミオなどもDOHCだそうです。)
ターボは燃料を強制的に送り込んで爆発力を高めようとする技術であり、DOHCはエンジンを高い回転まで回してパワーを得ようとする技術です。エンジンは一般に高回転であるほどパワーもレスポンスも良いからです。
このようにターボとDOHCは全く違う別々の技術ですから、その「両方」を備えた「ツインカム+ターボ」というエンジンがあって当然なのですが、それが一般実用車に採用され始めたのはたったの20数年前なのです。
なんでこんな話を書いたかと言うと、CDIワゴン君って実はその「ツインカムターボ」なんですよ〜(笑)。
しかもターボはインタークーラー付きターボです。いまだって「ツインカムターボ」なんていうエンジンはほとんどスポーツカーにしか採用されないものですが、それがディーゼル車に適用されているっていうのがスゴイと思いませんか?そもそもディーゼルエンジンにDOHCってあるんですねぇ。僕は知りませんでした。
もちろんDOHCとはいえディーゼルですから最大出力の発生は4000rpm程度ですし、レッドゾーンはなんと4600rpmという低さですから、あまり高回転を回す目的のDOHCとは思えません。むしろ4000回転くらいまでを正確に回すことが目的なのでしょうかね。いや、正確に爆発させることが、実は未燃焼ガスを含まないクリーンな排気ガスを実現しているのかもしれません。とすれば環境目的のDOHCなのかな?
昔は高性能を誇示するために、「DOHC」とか「TWINCAM」とか「turbo」というステッカーがずいぶん流行ったのですが、このクルマにも「TWINCAM turbo」なんていうステッカー(今でも売ってるのか?)貼ってみましょうか。嘘ではないのだけどいったいどれだけの人が信じるかなぁ・・(笑)。
注:このブログは、決してEクラスワゴンのブログではありません。
「ターボ」とは、それまで捨てていただけの排気ガスの力でタービンを回し、そのタービンの回転力で燃料ガスをエンジンへ強制的に送り込むという技術です。もとはと言えば酸素の薄いところを飛ぶ飛行機のエンジンで酸素を効率的にエンジンへ送るために開発された技術です。
ターボは「アクセルを踏み、排気ガスがタービンを回し、その力で燃料と酸素がエンジンにぶち込まれ、急激に回転が上がりパワーがでる」という一連の行程を経るため、どうしてもアクセルを踏んでからパワーが出るまでにタイムラグ(これをターボラグと言います)が生まれること、思った感覚とズレた急激なロケット加速感になること、などの欠点があり、これが僕のターボ嫌いの理由でもあります。
自動車メーカーもこの20年ほど同じ理由でターボ好き・ターボ嫌いなメーカーに分かれてきたと思います。日本ではトヨタがどちらかと言えばターボ嫌い、日産がターボ好き。海外ではBMWはターボ嫌い、アウディはターボ好き。
ただ、ターボが通常の排気量以上のパワーが出せるのも事実であり、現在は燃費向上を目的として、排気量は減らしてターボ化(しかも小型ターボでレスポンスを良く)でパワーを稼ぐ・・というのが欧州自動車メーカーのトレンドになっています。
たとえば2Lカーだったフォルクスワーゲンゴルフやパサートは今や1.2Lや1.4Lのターボです。シトロエンもなんとC5を3.0LのV6から1.6Lターボにしてしまいました。前述のドライビングフィールを最も重視するBMWでさえ、最近は多気筒化・大排気量化を抑制する目的でターボ化を進めています。
一方、「DOHC」はエンジンの構造技術であり、「ダブルオーバーヘッドカムシャフト」の略です。
現在のエンジンはほとんどがOHC(SOHC)であり、上部にあるひとつのカムシャフトが吸気と排気両方のバルブを開け閉めします。それでエンジンが高回転になってくるとこの開閉のタイミングが合わなくなってきて、一定以上は回転が上がりづらくなるわけです。
「DOHC」は、文字通りカムシャフトがオーバーヘッド(エンジン上部)にダブルで(ふたつ)あって、それぞれが各気筒の吸気と排気を別々に担当することで、各バルブの開け閉めを高回転までちゃんと追従してできるため、エンジンがパワフルな高回転まで正確に回るようになる、という技術です。DOHCはカムシャフトが2つあるので、略して「ツインカム」とも呼びます。
(なお、現在はDOHCは高回転までを回すだけの目的の技術ではありません。例えば先日出たマツダのエコカー(なんとガソリンNAエンジンを突き詰めた技術で30km/l!)デミオなどもDOHCだそうです。)
ターボは燃料を強制的に送り込んで爆発力を高めようとする技術であり、DOHCはエンジンを高い回転まで回してパワーを得ようとする技術です。エンジンは一般に高回転であるほどパワーもレスポンスも良いからです。
このようにターボとDOHCは全く違う別々の技術ですから、その「両方」を備えた「ツインカム+ターボ」というエンジンがあって当然なのですが、それが一般実用車に採用され始めたのはたったの20数年前なのです。
なんでこんな話を書いたかと言うと、CDIワゴン君って実はその「ツインカムターボ」なんですよ〜(笑)。
しかもターボはインタークーラー付きターボです。いまだって「ツインカムターボ」なんていうエンジンはほとんどスポーツカーにしか採用されないものですが、それがディーゼル車に適用されているっていうのがスゴイと思いませんか?そもそもディーゼルエンジンにDOHCってあるんですねぇ。僕は知りませんでした。
もちろんDOHCとはいえディーゼルですから最大出力の発生は4000rpm程度ですし、レッドゾーンはなんと4600rpmという低さですから、あまり高回転を回す目的のDOHCとは思えません。むしろ4000回転くらいまでを正確に回すことが目的なのでしょうかね。いや、正確に爆発させることが、実は未燃焼ガスを含まないクリーンな排気ガスを実現しているのかもしれません。とすれば環境目的のDOHCなのかな?
昔は高性能を誇示するために、「DOHC」とか「TWINCAM」とか「turbo」というステッカーがずいぶん流行ったのですが、このクルマにも「TWINCAM turbo」なんていうステッカー(今でも売ってるのか?)貼ってみましょうか。嘘ではないのだけどいったいどれだけの人が信じるかなぁ・・(笑)。
注:このブログは、決してEクラスワゴンのブログではありません。