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ロータスエリーゼ日記

■ 【試乗インプレ】アルファロメオジュリエッタ & FIAT500ツインエア

2012年02月11日 | クルマ関連記事
 ジュリエッタのデビューフェアに行ってきました。この日伺ったのは、グランドオープンをこのジュリエッタのデビューに合わせた「アルファロメオ横浜町田」さん。GSTさんの新店舗です。現在、僕の友人がここのメカニックとして働いています。

 この日はお店のオープンということで大盛況。イタリアンなおいしいコーヒーや、記念品までいただいちゃいました。



■アルファロメオジュリエッタ

 この日、ジュリエッタの試乗車は1750ccターボのクアドリフォリオ(235ps)と、1.4リッターターボのコンペティツィオーネ(170ps)。前者はMTだけなのでなかにはディーラーの営業マン氏に運転してもらって乗ってる人もいました。僕はこの日は「付き人」だったので試乗で運転はせず。コンペの後部座席に娘と二人で乗せてもらいました。

 なんだよ!試乗してないのかよっ!て言われるかもしれないけど、そのとおり。ごめんなさい。でも、結構いろいろ感じることはできましたのでちょっとだけレポートします。推測を避けるために最低限です。

・1.4のくせに動力性能的にはかなりのもの。だって170psだもの。僕の乗っていた156tsなんて2,000ccで155psですよっ。なので、大人3人+子供1人でも余裕綽々でした。

・剛性感は時代を感じさせるものでした。もう昔のアルファとは大違い。堅いシェルに包まれているがごとく。そのために却って路面のゴツゴツが伝わってくるところもありますが、乗り心地が悪いわけではない。いやむしろかなりよいです。

・試乗コースは3速に1度入るか入らないかくらいの半分渋滞コースだったため、フィーリングや加速感を感じることはできませんでした。このあたりは今度自分でドライブさせてもらってコメントしたいと思います。

・アイドリングストップはごく自然。アルファがアイドリングストップねぇ・・・と、ちょっと複雑な気持ちになりました。

・ツインクラッチの新型AT(TCT)は素晴らしい出来。さすが遅れて来ただけのことはある。セレスピードも味があったけど、これはこれで素晴らしい。乗せてもらっている限りは普通のATのように変速ショックもなくとても快適。しかし、しっかりとダイレクト感は感じられました。

・後席はルーフの絞り込みのせいか、僕の高い座高では少し頭回りが窮屈。でもデザイン優先はアルファの常。それにあえて言うほどではない範囲。大丈夫。

 昔、156の納車時には、新車なのに「イタリア車なんで、少々の塗装ムラとか合版の隙間の不均一なんて気にしないでください」と堂々と言われたものですが、いまやそんなことはない。品質はちゃんと世界に誇れるレベルになっている。アルファも実に成長したものだと思いました。と同時にちょっと寂しいような・・。




■FIAT500ツインエア

 この日はFIAT500ツインエアに試乗してきました。
 このクルマ、個人的には非常に興味を持っていて、発表時から絶対に試乗しようと思っていました。この日ジュリエッタの試乗は大混雑。なのでその間にツインエアに乗せてもらうことにしたのです。むしろ僕はこっちに興味があったりして

 そもそも僕はFIAT500が大好き。昔はオリジナルのチンクェチェント(500の意)に乗りたいと思っていましたが、なかなか叶わず。2008年に現在の新FIAT500がデビューし、これもなかなかいいクルマ。もちろん2008年のデビュー時には1.4、1.2ともに試乗しています。

 オリジナルのチンクは現代にはありえないあの小さな小さな車体に4人の大人が乗れる設計。エンジンは空冷の2気筒をリアに積んでいました。
 新型FIAT500は、2008年に1.4と1.2リッターのエンジンを積んで日本デビュー。外観はかわいらしいオリジナルのイメージを残したものの、中身は現代の小型シティカーになっていました。その後、オリジナル同様に期待された高性能「アバルト」モデルがデビューし、さらにフェラーリとのコラボ限定モデル「トリブート・フェラーリ」(180ps)まで発表されました。もちろん、DIESELやグッチなどのファッションメーカーとの共同制作車など限定車もたくさん出ています。
 そんななか、最後に出てきたのがこのツインエアなのです。いや、最後ではないか。この先ハイブリッドとかでるかもしれないし。でも最後に・・・と言いたかったのは、これぞオリジナルチンクェチェントに最も近いモデルという意味で、「トリ」だと言いたいのです。

 スペックは、なんと875cc。そしてオリジナルと同じ2気筒(!)エンジン。インタークーラーターボで出力は85psです(POP:215万円)。ちなみに1.2リッターモデル(POP:239万円)は69ps、1.4リッターは100ps、アバルト(299万円)は135ps、参考にトリブートフェラーリ様(570万円)は180psでございます。





 さて試乗です。
 ブレーキを軽く踏んでエンジンをかけようと思ったら、まちがえてアクセルを踏んでしまいました。ちょっとペダル類が左に寄ってるんですよね~。改めてエンジンをかけてアクセルをあおってみると、ぶい〜ん、ぶい〜んとおもちゃのような騒々しさ。(笑)
 多くの評論家が「おもしろい」という評したこのクルマ。表現としてはやはり「おもしろい」が適切だと思いました。
 875ccの2気筒で、しかもこのトールスタイルですから「走り」がおもしろいわけはない。じゃ、何がおもしろいのかといえば、オリジナルチンクェチェントを思わせる、もっさりしたエンジン音、振動、うるささを伴う室内の雰囲気かなぁ。
 今回試乗は仲良しの大人3人と子供1人(ディーラーの人も実はお友達)。騒々しい車内では多少声高にしゃべらなくてはならない。だから会話が自然とハイテンションになってそれがなんだか楽しいのかもしれない。

 いまどきのクルマにありえない「ぶいぶい走る感」がみんなを笑顔にしてしまう・・。

 一部の評論家はこんな楽しいクルマを日本のメーカーも見習えなんて言ってるけど、そりゃむり。こんな振動と騒音が車内に入り込むクルマを日本メーカーが作ったら、あなたがたはけちょんけちょんに言うでしょうに?フィアットだってオリジナルチンクへのオマージュが無ければこの騒々しさは許されなかったと思う。

 でもホントに楽しいですよ〜、アクセルを踏み込むとオリジナルチンクのようなぐもーっとした音が背中から聞こえて・・・えっ?なんで背中から?オリジナルはRRだけどこのクルマはFFのはず!・・いま気がつきましたよ。わざと排気音を騒々しく後ろから聞かせることでオリジナルのRRエンジンの雰囲気を演出しているのではないですかねぇ。考えすぎかなぁ。

 一方、騒々しさはともかくとして、満員状態のツインエア、R246の合流でアクセルを踏み込むと、おやおや?かなりイイ加速です。所詮875cc・・と思っていた先入観もあるのでしょうけど、全く“どんくさい”という感じはしません。しかもこのクルマのATはデュアロジック。そう、アルファのセレスピード同様にギアチェンジでハッキリと息継ぎをしながらMTのようにシフトアップして加速していきます。排気音が騒々しいだけに、そのMTのようなギアチェンジがハッキリ感じられて楽しい。もちろんシフトダウンでは自動でぶおん!と回転を合わせてくれます。

 まぁ高速道路ではさすがにつらいんだろうな・・・と思いますが、それはそれ、トラックの風にあおられないようにトコトコと走る500を想像すると楽しいですよね(雑誌等では高速走行もかなりイケると書いてありますが)。





 ところで、アルファロメオ横浜町田さんはあのGSTさんのお店ですが、現在2階にはアプルーブドカーと称して、アルファロメオやフィアットの楽しい中古車がたくさん置かれています。僕は試乗を待つ間に友人とともにこちらも散策してみました。FIAT500にいたっては、DIESEL(軽油ではありませんよ(笑))モデル、アバルトもあり、さらにトリブート・フェラーリまでが置いてありました。

 僕は初めてトリブートの運転席に乗せてもらいましたが、まぁ!なんとその気にさせるクルマなんでしょう。単に「フェラーリに捧ぐ」モデルであるだけでなく、アバルトとのダブルネームであるだけでもなく、その装備ひとつひとつも世界の名ブランド製品を惜しげもなく使っているのです。
 例えばシートはサベルトのリクライニングバケット。こいつがとてもしっくりきて気持ちいい座り心地。ホイールはフェラーリを思わせるアルミ、ブレーキはブレンボの4ポッド、キセノンライトはマニエッティ・マレリ製、メーターはイェーガー社・・・と、運転席に座っているだけでクルマの中をよだれで汚しそうになりました。

 いやいや、いくらなんでもチンクに569万5000円はねーよなー・・と思いつつ、ここまでの装備ならそのくらいになっちゃうのかも。
 さらにこのクルマ、世界中で1695台、日本には150台しか(正規では)入ってきませんから、街で同じクルマにすれ違うことはまずないでしょう。僕は一度だけ近所のGSで給油中に隣にこのクルマがやってきたのを見ました。そのメカニカルなノイズ、高性能者特有の排気音は、とても1.4リッターの小型車のそれとは思えませんでした。

 何度も言いますが、このクルマ、数年乗ってもたぶん値落ちしませんよ。(笑)



 そうそう、ツインエアの登場でベーシックモデルの1.4Lは廃止されたのだそうです。500にモアパワーや走りを求めるならアバルトを選べばよく、やはりベーシックは小排気量に特化するというのは500にとっては当然かもしれません。元気で楽しい2気筒を選ぶか、アンダーパワーだけど普通に静かな1.2を選ぶか、という選択になるわけですな。
 言っときますけど、ツインエアは相当ブイブイとうるさいです。今時こんな音がするのは日本車では軽トラくらいだと思います。それが嫌な方は1.2を選べばよいわけです。
 でも、ツインエア、だれもが「なんだか懐かしい」と思ってしまうのは何故なんでしょうね。素敵です。楽しいです。欲しいです。

 我が家の駐車場、門を壊して自転車置き場まで駐車場を伸ばせばチンクは十分に置ける・・・と言ったら家内に殴られそうになりました(笑)。