for elise

ロータスエリーゼ日記

■ Citroen C4 Picasso

2015年08月01日 | C4 Picasso
 2台続いたEクラスワゴンの後継車。それは「シトロエン グランドC4ピカソ」でした。

 どうです?おしゃれな僕のイメージにピッタリではないでしょうか?誰ですか?「変わったところ」がピッタリとか言ってる人は・・。
 はい、シトロエンと言えば、昔から「変わったクルマ」を出すことでも有名。デザインしかり、機能しかりです。例えばメーター、例えばウインカーレバー、例えばブレーキペダル、例えばステアリング・・・と、普通は世界共通で、奇抜なことをやり様がないようなところでやってくるのがシトロエンです。

 ただ、単に人を驚かせるだけではなく、ちゃんと機能とデザイン・アイデアの理論が一貫しているところがシトロエンの特徴です。例えばシトロエンの代名詞でもあった「ハイドラクティブ・サスペンション」は、何十年も前に”自動車サスペンションの常識”を覆すような機構で発明され、その乗り心地は「雲の上のような」とか「船に乗っているような」と表現されました。しかもこの機構ひとつでパワステやブレーキサポートまで動かしていたのですからスゴイ発明です。

 奇抜なことをやるだけではなく、ご存じのとおりWRC(国際ラリー選手権)では、ずいぶん前から常勝メーカーです。かつて名もないスバルが世界に認められたように、WRCでの活躍は海外で極めて高い尊敬を集めます。そこで常勝のシトロエンは、決しておしゃれでお気楽なだけのラテンメーカーではなく、実は技術的にも創造性にも優れたメーカーとして認められているのです。
 「何ものにも似ないデザインと先進機能の融合」。これがいまや世界でのシトロエンの評価。壊れるとか安っぽいというイメージではすでにありません。

 「万人」がその価値を認めるドイツ車や日本車の方向性とは真逆の、「個人主義」の国のクルマです。僕がメルセデスから離れてフランス車を求めたのは、子供たちにもそういった「個性」や「価値観」を大切にしてもらいたいと願ったから・・ということにしておきます(笑)。
 

 C4ピカソはさすがに現代のクルマで、昔のシトロエンに比べればそれほど「変」ではありません。それでも、「シトロエンらしさ」は十分に感じられます。
 例えばその柔らかな乗り心地。プジョー同様に粘る足ですが、少しスポーティに振っているプジョーよりシトロエンはやわらかな印象です。ただ、しっかりと腰がある、粘りがあるのは共通的な特徴です。

 デザイン的にも、未来的なフロントマスク(どこか名車C6を思わせます)、3D的なテールランプ、Aピラーのでかい三角窓、折れそうなシフトレバー、往年のボビンメーターを再現したデジタルメーター、すべてのスイッチをタッチパネル化したモニターなどなど、これまた機能とデザインを融合した奇抜さにあふれます。

 なかでも最近のシトロエンのウリともいえる、パノラマ・フロントウインドウは、運転席・助手席のサンバイザをスライドすると、頭上近くまでフロントウインドウが広がるというもの。加えて運転者の頭上すぐ後ろから後部座席までつながった巨大なパノラマ・ガラスルーフは開放感抜群。C4ピカソのガラス面積はなんと5.7㎡に達するそうです。




 「あーあ、Tanaちゃんも、なんだかんだ言ってミニバンかよ」と思われた方、そこはこだわりをわかっていただきたい(^^)。
 このクルマ、確かに7シートを備えますが、実際にはミニバンほど大きくはないのです。プラットフォームはプジョー308と同じで、Eワゴンよりなんと24cm(!)も短い。プリウスαよりも短いんです。カタチはミニバンのようですが、日本のミニバンと並ぶとかなりコンパクトなのがわかります。トヨタによるとミニバンの定義は「三列シート」らしいですが、このクルマの3列目は原則的にはエマージェンシーであり、通常は5人で空間をぜいたくに使うというコンセプトです。
 実は、これは世界的なトレンドで、BMWも新2シリーズで同じコンセプトの車を出してきました。また、フル3列シートが人気の日本でも変化が起こっています。大きな8人乗りを一人で通勤に使っていたお父さんが、やはり運転も楽しくて、経済的で・・といったことを求めて、最近は小型の5+2シートが売れているそうです。各社から続々と同じコンセプトの車が出てきていますね。欧州ではパーソナルムーバ―とかいうそうです。僕に言わせればこのクルマは「ワンボックス型セダン」です。


 まぁでも、否定はしません。これまで僕が言ってきたことをかなり無視したクルマ選びですから。

■「背の高い車はキライ。」
 はい、言ってました。今でもそうです。クルマが動く乗り物である限りにおいて、軽ければ軽いほどよく、低ければ低いほどよいのは当たり前です。その究極がエリーゼなわけですが、実用性も考えれば、ワゴンタイプが我慢の範囲かなと思っていました。
 「ワンボックスなど絶対に買わない。あんな冷蔵庫みたいなクルマはいやだ。」はい、これも言いました。今回のクルマ、身長は167cmあります。我が家にとって、パジェロに次ぐ過去最高の背の高さです。ごめんなさい。でも、思った以上に高さを感じないのも事実です。このしくみの秘密はまた別途レポートします。
 でも、腰を曲げずに乗り降りできるのは、ちょうど一年前に腰をやってしまった僕にとっては実はありがたいことです。

■「ターボはキライ。」
 はい、言ってました。今でもそうです。しかし、これは家族車で高速長距離クルージングが多い場合には別。実際、E320CDIもターボのおかげで胸のすくような加速を得ていました。今回はたったの1600ccなので、これまたターボなしは考えられません。これは致し方なし、と。今どき排気量を下げるためにターボは仕方ないとあきらめざるを得ません。なおこのクルマ、ほとんどターボラグは感じません。ただ、CDIのような高速での胸のすくシームレスな加速は・・むり。

■「FFはキライ。」
 はい、言ってました。今でもそうです。アルファロメオでさえ手放した最後の理由はFFの限界を感じたこと。気持ちよさの限界です。しかしそれもスポーツ走行的なところであり、家族車においては恐らく気にならないはずです。むしろ居住性などの面では有利と考えれば、家族車においてのFFは許容です。
 でも、前輪で引っ張られる感覚とか、荒れた路面の上り坂とか、雨の交差点スタートとか、FFのトラクションの低さに閉口してしまうことは、やはりあります。


色々とこれまでの主張・コンセプトから確かに外れておりますが、お許しください。
大変申し訳ありません。(笑)

https://youtu.be/Sj2gpWD8mFk