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納得! 直木賞

2019年01月14日 | Weblog
 昔、読書し初めの頃、これといって好きな作家さんもなく、何を読もうかと迷った時、
直木賞を巡った本を中心に読んでいったことがある。
受賞作はもちろん、候補作も。

今回、久しぶりに読んだんだけど、お気に入りの作家さんの本を買ってみたら偶然、
直木賞受賞作だった。




篠田節子 著 「女たちのジハード」


これまで数冊読んだ直木賞作品って、「あれっ?」って思うことな多かった。
これなら、同じ著者でも他の本のほうがずっと面白いじゃん?って。

受賞してから益々面白くなったのかな?って思ってみたりしたけど、発表時期がより古かったり。

評価する選考者と、一般読者では基準が異なるのだろうとしか思えないんだけど。



そんなこんなで、期待しないで読み始めたんだけど、
これがとっても面白い。

主人公はT火災という保険会社の、年齢も異なるOL5人。
当然ながら、夫々がそれぞれの考え方で社会、男、に関わって将来について生きている。
20から30過ぎまでの女性たちが、人生について悩み焦り諦めたりしながら。


5人其々のエピソードが短編式に綴られて飽きさせない。
何にも考えてないような、ホケーっとした娘から、良い結婚をひたすら目指す娘。
リストラされる娘、好きな英語を活かす仕事と人生を夢見てあがく娘。
将来を諦めた娘。

最終的には、其々離職(多分全員)し旅立っていくことになるんだけど。
企業においてのOLの立場としての良し悪し、逆に男正社員としての良し悪しが自然に描かれていて、
嫌味がない。

女性目線の男に対しては、女にとっての良し悪ししか描かれていないことが多い中、
それぞれの立場を理解した上で描かれていて、男が読んでも気持ちがいい。
とっても賢い、大人の女性が書いた小説って感じがする。


なにより、其々の女性皆が頑張っている。一生懸命生きてる。そこが良い。
ふと現実の自分の周りを見てみると・・・・、
「めんどくさい」しか言わないような連中ばっかり!
年長者、上司に至っては、めんどくさいからこれやってと、押し付けてくるようなやつしかいない。
押し付けておいて自分は、漫画がとかスマホ弄ってるだとか。(もちろん断るか、無視する自分も大人げないんだけど)
まぁ、大人として、人として上司として最低なやつしかいない。

頑張ってる人はいい。応援したくなる。
頑張ってる人ほど、人生の時間は無限ではないって、ちゃんと解ってるから
行動力も瞬発力あるし、なんと言ってもカッコいい!


決してコメディーではないんだけど、そんな軽いノリでサクサク読めてとっても楽しい小説、
これまで読んだ直木賞にはなかった。
篠田さんの本はこれで4冊目なのだけど、直木賞にふさわしい1番の面白さだった。



追記:
解説によると、5人のOLの中で、男性に1番人気はホケーっとした紀子だったそうな。
解説者(女性)も意外で面白い結果だとか。

いやいや、その娘は無い!って思った自分はやっぱり変わり者か?
結局1番気に入ったのは、最年長の康子だったんだけど・・・・あれ!おかしい?
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