SOLITARYの・・・

バイク、車、読書と・・・良いことだけ。

あくまでも”日記”なので!

その問題は・・・

2017年06月28日 | Weblog
 数年前に自殺した少年の、その現場へ幾度と足を運ぶ主人公。
遅かれ早かれ、やがて確実にやってくる”死“。にも関わらず、どうして人は・・・?




三田誠広 著 「いちご同盟」

ピアノが好きな中3の少年。
スポーツはだめ、勉強も中くらい?
目立たなくおとなしい、そして友人も居ない、ただピアノが好きな少年が主人公。


ある日、学校では有名人の野球部、エースで4番の徹也から、強引にビデオ撮影を依頼される。
撮影後、そのまま病院へ連れて行かれ、病室で上映を頼まれる。

病室に居たのは徹也の幼馴染の女の子、直美だった。



恐妻家の父親、ピアノ講師の母親、学力優秀な弟と暮らす少年。
高校受験という、人生の分かれ道にかかって、進路を悩む。

死に向かって限りある人生の将来とは?
野球で進路が選び放題の徹也と将来の有無さえあやふやな直美。
「どうせ死んでしまう」と残して死んだ少年。

進路を悩み人生の夢、目標も全く見えないままに迫ってくる時間。



人生で最初と言っていい、分かれ道の時期にあたって、
明るい未来の可能性を持った人から、落ちこぼれてしまって進学も就職もままならない人。
そして明日の命さえ解らない人。自ら未来を打ち切った人。

究極と言って良いそれぞれの未来を目の当たりにし、自分の将来を描けないでいる。
誰でもそんな時期を通ってきたはず。

未来が見えないのが普通と言ってもいいこの時期。


いちご同盟なんて可愛らしいタイトルがついているけど、、
本当に悩ましいシリアスな内容。

あくまでも、人生に悩む少年が主人公でありながらも、脇役の直美が不憫でならない。

直美のリクエストで弾く「ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ」。
作中で、少年は病院で弾くにはふさわしくない言っているが、
”亡き”は本来、亡くなったと言う意味ではないらしい。
”当時を偲んで”の意が痛切だとか。


本を読んで、初めて聞いてみたんだけど、サティーの「ジムノペディ」の様な、とってもいい曲。
どことなく切ない、哀愁を帯びた旋律。

ここ最近クラシックが絡む小説を読むことが多い。
当然、作中に登場する楽曲は全て聞いてみる。聞きたくなってしまう。

歳のせいか、どんどんクラシックが心地よくなってくる。
もともと、バンドでギターを引いていた時からバッハは好きだったんだけど・・・。
バッハってギターソロのフレーズとカブってること多いと思うから、聞きやすいというより、
乗りやすいとおもうから。



短期間に色々なことに出会って、少年は1つの進路に絞り込んで、物語は終わるんだけど、
時限がある人生に対する行き方についての”答え”は出てこなかった。



昔、同じことを相当長い期間考えていた。25年はあったろうか。

で、答えは出てきた。
どう生きるか、ちゃんと答えを出した。


しかし、周りに聞いてみたところ、
「そんなことは考えたこともない」と言う人間ばかり。
考えたことがある人に出会ったことがない。考えるほうがおかしいのか?って思ってみたり。

そう言う意味では、この本は初めての同士のように感じた。
やはり、同じことを考える人は居るんだよなぁ・・!
考えたほうが、目標を決めて有意義に生きられると思うのだが?


日本人は外国と違って、老後を嫌うらしいんだけど、それもまた将来が見えないから。
夢がないからじゃないかな?後は死ぬだけってさ。


どうせ何時か死ぬんだから、死ぬ間際まで楽しんだほうが勝ち。
リタイヤしたら、やりたいこと早くも1つ見つけた!

ってか、早くリタイヤしたい!
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静かなる怒りのような

2017年06月25日 | Weblog
 以前、こんな事が事実であってなならない。フィクションでなければいけない、絶対に!
って思った、谷村志穂さんの「黒髪」。

それと同等あるいはそれ以上の物語がを読んでしまった。
しかもノンフィクションとして。





小池真理子 著 「悪女と呼ばれた女たち」

もともとあまりノンフィクションは読まない。
客観的記述による文体なので、長編の新聞記事同様、人それぞれの感情が伝わってこない。
だから、物語としては楽しくはない。
感情移入もできず、あくまでも第3者、他人事としてしか見られないから。


それでも買って読んだのは大好きな小池真理子さんだったから。
発表は1982年!35年も前の本。
著者が30歳の頃。


本来8人の「悪女」を書いたらしいだけど、文庫では6人が描かれている。

ノンフィクションらしく、上記のようにあくまでも真実とのみを綴った”記事”形式。
それでもやっぱり小池さん、面白いのである。

ただし、内容は、”残酷”としか言いようがない女性の生き様ばかり。
同じ人生なら、ぬるま湯に浸かった、可もなく不可もない、曇の様な、平坦な人生を長く生きるより、
短くても変化に飛んだ人生をおくりたいと願う自分でさえも、目を背けたくなる人生。

6人中5人は罪人として裁判にかけられ、極刑〜執行猶予になっている。

各話の締めくくりには、作者の意見が述べられているんだけど、
皆、タイトルの”悪女”と言う呼び名はふさわしくないということ。
本人のみの意志でこんな結果になってしまった訳ではなく、
それぞれの時代に翻弄されてしまった被疑者ではないのか?ということ。


同性のの女性としての作者の、”悪女”と呼ばれるまでに至った、それぞれの時代背景、政治や思想、
そして異性の”男”に対する、怒りの様な唸り声が聞こえるように各話を締めている。

あってはならないと考えられる事が実際に起きていた事実。しかもそれが氷山の一角より小さいくらい。
こんな惨たらしいことが、多々あったであろうことが容易に想像できると。

悪女がいたのではなく、悪女を作り上げてしまったのだと。



あまりに残酷なため、新聞にも全容が記載されない事件があると聞いたことがある。
今現在でも時々あるくらいだから、昭和中期までの”熱い”日本なら多々あっただあろうと思われる。
今現在のように単純なデモで政治に抗議して終わる、”冷めた”日本と違って。

”熱い”のは嫌いじゃない。
熱くなる思想が、健全に絶対的に正しいのなら、実力行動さえも正攻法だと言ってしまうほどに。
だからこそ、少しでも間違った思想で実力行動を起こしてしまうのは絶対に許せない、駄目!

法としてではなく、”人として”やって良い事と悪い事が解ってないバカが、意外に多くいると考えるのは間違いだろうか?



最後に”男”として、各話を読み終える度に、”女”に対し申し訳なく感じてしまったのは自分だけなのだろうか?

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物持ちが良い。っか業者泣かせ?

2017年06月24日 | Weblog
 普通10年ちょい。大体15年くらいで寿命交換らしい。
なんでも、温度が不安定になって、時期に点火しなくなるとか。
噂には聞いていたんだけど、何の問題もなく働いてくてれる、ウチの給湯器。
1度も交換してないから、つまり25年近く生きてることになる。
業者曰く、最高でも20年で、25年物は初めて見たとか。

本体は問題なくても。リモコンの液晶が曇ってきて温度設定や湯量設定、時計等殆ど見えない状態。
しかもメインスイッチ以外のスイッチの反応が悪くなってきていた。




 昨年末の大掃除。ってか年末しかしないんだけど、レンジフードを磨いてたら、
外側フードの塗装が剥げてきた。
素材の銀色が、塗装のこげ茶からから目立ってダサい。
よく見ると、2年前のNBのようにあちこち塗装が浮いている。

仕事柄、新築マンションのモデルルームにはよく行くので、あの平たいレンジフード(換気扇)が気になっていた。
あの形状で換気できる?フィルターは?掃除は?・・・って。




同じくガステーブル。3つ口+オーブンのビルトインコンロ。
これも年末しか、まともに掃除しなかったせいもあってか、汚れがひどく、なかなか取れない。
アルミのカバーを変えてはいるんだけど大体見苦しい。

しかも奥の小さいコンロが点火しづらい状況になってきた。
長年使ってると、通気だかガスだか、とにかく詰まってくるんだそうな。
ガステーブルに寿命があるなんて考えたこともなかった!



3つともガス関係。どうせ業者に頼むなら同時のほうがお得かも?
って事で業者に見積り依頼。

”本命”と似た社名の業者に、”誤って”見積り依頼してしまった事に気づいたのは、その業者からの電話にて。
すぐに本命にも見積もりの連絡。
結果として見積合せが出来、15%も安く発注出来たので、ラッキー!かな。


これが、こうなった、の画像
  風呂のリモコン

  キッチンのリモコン

  レンジフード

  ガステーブル

給湯器は同じ24サイズで機能もほぼ同じながらも、やはりお湯が出るまでの時間が速い。
湯温設定等範囲も広くインターホンまでついてるし。明らかに進化してる。
リモコンも液晶ではなく・・・なんやろ?・・・電光表示なのでとっても見やすい。

ガステーブルもガラストップなので掃除が楽。
その都度汚れを拭いとけば良い(拭きやすい)ので、綺麗な状態をキープしやすい。
レンジにはオート機能があって、魚とかいい頃合いに焼いてくれるらしい。
タイマーもそれぞれついてるから、もうキッチンタイマー不要だね。

レンジフードもオシャレでスイッチも静か。換気の音も静か。
タイマーとかもついてるし、何と言ってもフィルターを使わなくていいから掃除が簡単で、見苦しくなもい。


NBからNDに買い替えた時の進化にも驚いたけど、家電?も随分と進化してるんだねぇ。
こんなところ・・・・もう進化の余地なしと思われるところが進化してる。
NDで言うと坂道発進時のブレーキキープとか、半クラッチのアシストとかさ。

エンジンのスタートスイッチと同じく、点火ボタンも1度押せは、着火まで点火してくれるとか。
びっくらコイいたよ、ホント。



 最近ちょくちょく痛みだした、左の膝。
事故から早くも、まる9年。普通の人より早くダメになる可能性があるって、医者に言われてる。
つまり人工関節にしなければならない状態になりやすいらしい。


ガス関係も一新したし、膝も新しいのに買い換えるか!・・・・って気軽に言えればいいんだけどなぁ。

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軽い!ライトノベル

2017年06月20日 | Weblog
 サクサク読めて、軽い感じで終わる。”これぞライトノベル”って感じ。
それだけなら、特に感想を書き綴ることもなかったんだけど。

ファンタジーなラブストーリーなのは、「ぼくは明日、きのうの・・・」や「陽だまりの彼女」と
同系列と言える。
ただそこに、”タイムパラドックス”なる理論が絡んでいたから、SFとしてもとても興味深かったから。




松尾由美 著 「九月の恋と出会うまで」


以前にあるTVで、
「パラレルワールドは確かに存在する。
もし存在していなければ、色々な理屈が通らなくなってしまうというのがその証拠」
と、ある先生が言っていた。
ただし、他の時間の流れる世界との接点、接触方法が解らないから現実に証明ができないらしい。



訳あって引っ越した部屋で、詩織はエアコンの配管用の穴から人の声を聴く。
1年後の未来に生きる人間だという。
その証拠として、この先1週間の新聞の見出しを予言してみせるその声の主。

信用させた上で、詩織に隣人の尾行調査を依頼するが、理由を言わない。
その目的とは?多発する空き巣との関係は?



ミステリーとしても面白かったんだけど、考察し、結論づけたその理由が女性作家とは思えない、物理学の世界。
パラドックスという単語は聞いたことがあったけど、
過去を変えると健在との矛盾が生じ、変わらない過去が再び生じ、繰り返さざることで、その先に続かなくなってしまう。

先にすすめるためには、理由がなくとも、連続して過去を変え続けなければならない。
つまり、過去を固定しなければならない。
固定することによって、これまでの未来とは別の未来の流れに本流を移してしまうことになるらしい。

解りやすく言うと、例えば・・・・、この本を読むのが1番解りやすい。

となると、もしもタイムマシンが出来たら、本流や支流が沢山存在してて、
どの時間的流れの、どこの時点へ移動するかもちゃんとセッティングしないといけなくなるし、
現時点の流れがどこにあるのかも把握しなければ、とても似ているが別の世界に戻ってしまう可能性もある。
タイムマシンが完成し、時間移動するということは、パラレルワールド自体が、その都度発生することになるのだから。

ラブストーリーとしてはライトノベルらしく、とてもハッピーエンドとなるんだけど、
タイムパラドックス、パラレルワールドといった物理学のほうが面白くって、
意外な方面で楽しませてくれた。

ライトノベルって言いながらも物理学に興味を持たせてくれたんだから、ライトではなかった
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傑作では?

2017年06月16日 | Weblog
 最後の最後まで犯人が解らなく、容疑者が絞られない。
主人公以外、最大の味方までもが怪しく思えてくる。

そして最後の最後に現れた真犯人は、容疑から完全に離れていた、思わぬ人物だった!




小池真理子 著 「殺意の爪」

これぞミステリーって言って良いのでは?
380頁近い本であって、最後の数ページまで真犯人が判らない。
しかもヒロインが殺されかけるその寸前まで、誰もが怪しい。

1度も弛むこと無く、右肩上がりで謎が深まってゆく。
読者の心拍数が上がり続けるよう、タコメーターがレッドゾーンに向かってゆっくりと、
しかし確実に上がり続けるように物語は進んでゆく。

同じ様なサスペンス・ミステリーで、「墓地を見下ろす家」があるけど、
今回はそこに、不倫や恋愛要素が絡んで、しかもその相手も怪しいと思えてくる周到な設定。
もう。”凄い”としか言いようがない本だった。



妻子ある医者と不倫関係にある比呂子は、逢引(古っ!)専用に借りたマンションで、医師、流二を待っていた。
上階から男女の大きな声とドアの閉まる音。シャワーの音。そして悲鳴を聞く。
現れない流二を諦め帰路につく途中、不信な男と、マニュキアを拾う。

翌日、上階で女の死体が発見され、やがて容疑者が捕まった。

不倫相手の関係を隠すために、知っている情報を隠すことにしたが、
そこに無実を証明するためと、容疑者の兄、鏡一郎が現れ、比呂子にも接近してきた。


裁判の証言台に立つ決心をした比呂子は命を狙われる。
真犯人か?それとも・・・・・・。




むやみに犯人が解らないのではなく、ちゃんと数人に絞られている。
そのどれもが実に怪しく疑う要因もある。
だからこそ襲われてる比呂子の恐怖が生々しい。誰に助けを求めたら良いのか解らない。

首を絞められながら見た、全く想定外の犯人とは!




小池さんのサスペンス・ミステリーは他にも面白いのが沢山有るんだけど、
やっぱりどれも、他のジャンル同様悲劇な終わり方が多い。

主人公にとってハッピーエンド的な作品はとっても少ない中で、
数少ないハッピーエンドの”予感”がする終わり方だったのが心地良かった。


ハズレのない小池真理子さんの本の中でも、「殺意の爪」は
人に進められる、ミステリーの代表作の1つと言っても良い面白さだった。
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オリジナル 1

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