山猫のブログ

人間に必要なものは嗅覚である。毛穴で感じる危機感である。何かがおかしいと思ったら、それはおかしいのである。

巨大資本の長期戦略

2011年10月29日 | 日記


今日も長文になりますのでツイッターはやめてここに記することにします。

前ページで自由貿易について 国境を超える巨大資本(金融マフィア)が企て、実行にうつすタイムテーブルは我々の考える時系よりもはるかに長期的だと書きましたが、それがどのような段階を経ていくのか ということを書いておきたいと思います。

1944年 アメリカのニューハンプシャー州のプレトンウッズで発足した“プレトンウッズ体制”で自由貿易協定“GATT”(General Agreement on Tariffs and Trade)がつくられました。 が、その時同時に発足したのが
“国際通貨基金” (IMF) であり、“国際復興開発銀行” (IBRD)です。この国債復興開発銀行とは今の”世界銀行”です。

そしてこの3つが金融マフィアたちの長期にわたる世界戦略の道具なのです。


2001年、ノーベル経済学賞を受賞した Joseph E. Stiglitz(ジョセフ・スティグリッツ)
スティグリッツは クリントン政権時では米国大統領経済諮問委員会委員長をつとめ、その後世界銀行の副総裁、エコノミストをつとめました。

その彼が世銀を辞め、2001年 「世界銀行の4段階戦略」を公表(暴露というべきか)しました。


1、民営化  発展途上国などに融資と引き換えに国有インフラを民営化させる。この時、国の指導者は10%の手数料をスイス銀行に振り込んでもらっている。


2、資本市場の自由化  国境を超える投資マネーに課税させない。この時の戦略として、海外投資マネーを不動産、為替に流す。そしてその国の経済が上向いたころで海外投資マネーを撤退させる。そうなるとその国の経済は一気に冷え、崩壊寸前になる。そこで国はIMFに助けを求める。IMFは支援条件として金利を30~80%に引き上げ、資産価値を暴落させる。底値になった資産を再び海外マネーが買う。


3、価格決定  生活インフラの価格を上げる。富めるものは富み、一般庶民は疲弊する。

(1985年のタンザニア、1997年の韓国、2001年のアルゼンチンなどは、世銀とIMFが経済を指導し管理した分かりやすい例)


4、自由貿易  この段階で 成長した(経済危機で底値になった他国の資産を買いあさり、安い労働力で利益を得、巨大になった)国際企業がアジアやアフリカになだれ込む。


これが IMFと世銀がやってきたことであり、スティグリッツが公表したIMFと世銀の連携なのです。
いよいよ自由貿易の最終段階に入ってきています。
あらゆる規制が撤廃され、すべてが投資対象になれば、第一次産業はもとより、
社会保障すら危うくなるのではないかと危惧するのは当然なのです。

プレトンウッズとは 3つの道具(IMF、世銀、自由貿易協定)を使って征服するための 戦略 のスタートだったと私は考えます。


ちなみにスティグリッツは2000年にIMFと対立して世銀を辞任したとあります。(ウィキペディア)