全教北九州市教職員組合

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教員の初任給はOECD平均を年間 約3000ドル(27万円) 下回っています。

2013年02月26日 20時39分28秒 | インポート

  

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 財務相の諮問機関である財政制度審議会答申「平成 25 年度予算編成に向けた考え方」(2013121日)は、第二に、地方公務員の約3割を占める義務制教職員の定数は、<o:p></o:p>

 

「児童生徒一人あたりで比べると、政策的な定数増加策が加わり、平成に入ってから約36%も増加しており」、<o:p></o:p>

 

それを「5年間で教職員定数を更に4%も増やし、国・地方の人件費を1800億円増加させる施策は、公務員人件費改革の観点から極めて慎重な検討を要する」としています。<o:p></o:p>

 

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 「児童生徒一人あたりの教職員数」での比較は、どのような要素を含んでいるのでしょうか。また、「平成に入ってから」ということは、過去24年間の比較ということになりますが、その間にどのような制度変更が行われたのでしょうか。そして、国庫負担金は増加しているのでしょうか。<o:p></o:p>

 

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児童生徒一人あたりの教職員数の比較に妥当性がありません<o:p></o:p>

 

国庫負担の対象となる教職員には、校長・教頭・教諭等・養護教諭等・学校栄養職員等・事務職員があります。<o:p></o:p>

 

校長、教頭、養護教諭、学校栄養職員、事務職員は学校単位で配置される職で、教諭等は学級数で配置される職です。児童生徒一人あたりの教職員数をいうなら、学級単位で配置される職で比較しないと教育条件水準の測定としては妥当とは思えません。<o:p></o:p>

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国庫負担金は増加していません。教職員の給与費に対する国庫負担金の額は10年間で半分になりました。<o:p></o:p>

 

制度の変更については、2001年度に義務標準法が改正され、各県・各市町村での独自措置としての40人を下回る数での学級編制が実施されるようになりました。国としては、学級編制標準を現状維持のまま、児童生徒減による教職員定数の減を、国庫加配定数の増にあて、一部教科での「少人数授業」に使用されました。また、「少人数学級」への転用も許されるようになった。その結果、確かに「児童生徒一人あたりの教職員数」は増加しました。<o:p></o:p>

 

しかし、これまでの定数増の経過をみると、定数増・予算増が示されても、予算額そのものは減少しています。教職員の給与費に対する国庫負担金の決算額は、1998(平成10)年度の390億円から2011(平成23)年度の15426億円へとほぼ半減しています。これは、非常勤講師を国庫負担対象としたこと(2001年)、総額裁量制によって人を増やしても給与費を減らせる仕組みが作られたこと(2004年)、国庫負担率を1/2から1/3へと減じたこと(2006年)などによっています。<o:p></o:p>

 

教員の初任給はOECD平均を下回っています。<o:p></o:p>

 

労働時間はOECD加盟国平均より年間200時間も長くなっています。<o:p></o:p>

 

答申が論拠とする「児童生徒一人あたりの教職員数」の引用元であるOECDの教育施策に関する調査結果[i]によれば、日本の教員の労働時間は加盟国平均よりも年約200時間も長くなっている。それにも関わらず、実質給与は2000年からの10年間で「-9%」となっている。なかでも、初等・中等教育の教員の初任給は、アメリカドルの換算で25454ドルとOECD 平均(初等教育*小学校 28523ドル、前期中等教育*中学校 29801ドル)を下回っています。<o:p></o:p>

 

「このことは、日本が優秀な高等教育修了者を教職に誘致するにあたって課題となっていると指摘している。<o:p></o:p>

 

その上今回の予算案では、国家公務員の退職金を今年度以降平均400万円も減額する。さらに、国家公務員への給与特例法による平均78%の賃金削減を、地方自治体にも7月以降に実施することを求め、地方交付税3900億円、義務教育費国庫負担金631億円を減額するという、大幅賃下げ予算案となっている。<o:p></o:p>

 


 

[i] 「図表でみる教育:OECDインディケータ2012」 http://www.oecd.org/edu/EAG2012%20-%20Country%20note%20-%20Japan%20%28JPN%29.pdf

 

アクセス2013130<o:p></o:p>