岩淸水

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バーニー・サンダースがアイオワで語った言葉【演説完訳】

2016年02月17日 06時52分28秒 | 保管記事


 

  記事の紹介です。


 

 


バーニー・サンダースがアイオワで語った言葉【演説完訳】

 


2016年02月17日  国際 

 

 ようやく日本でもバーニーサンダース旋風が伝えられるようになってきた。

 

  しかし遅きに失した感もある。今後開催される予定の各州予備選で、明確に「サンダース候補がクリントン候補を抑える」との事前予想を立てられるものは、ほぼない。彼の圧勝が事前の世論調査からも明確に予見し得たのは先日行われたニューハンプシャー予備選までだ。今後、民主党の候補者レースが進むにつれサンダースは苦戦を強いられるだろう。

 

  とはいうものの、アイオワ州予備選でクリントン候補とほぼ同率の得票を獲得し、ニューハンプシャーで圧勝をおさめたことは、驚嘆に値する。去年、彼の出馬表明を見て、ここまでの善戦を予想したものはいなかったはずだ。中には、バーニーサンダースを泡沫候補扱いする人々もいた。

 

  かくいう筆者も、「バーニーサンダース、やるかもなぁ」と真剣に彼のキャンペーンに注目するようになったのは、去年10月のことでしかない。

 

  ともあれ、サンダースはこうした予想を完全に覆した。今後の予備選の雲行きは不透明なものの、2016年2月中旬の現段階でサンダース候補が善戦しており、全米を対象とした世論調査ではクリントン候補との支持率はほぼ拮抗するまでになったことは事実だ。

 

  現実を直視しよう。

 

  今後の予備選の趨勢は予断を許さないものの、サンダースの支持率は上がっている。

 

  アメリカの有権者が決して高くは評価しない高齢/猫背/メガネと言う外見上の特徴や、社会主義者だと自称する特異なポジショニングがありながら、サンダースの支持率は上がっているのだ

 

 これが現実なのである。

 

  そしてその現実を直視するためにも、区区たる分析に取り組むのではなく、まず彼が何を言い、何を有権者に語っているのか、そのまま聞いてみよう。

 


バーニー・サンダース、2月1日の演説

 

  アイオワ州予備選の「クリントン候補とほぼ同率」という選挙結果が出た直後、サンダースは総括演説を行った。

 

  この総轄演説には、彼の政策・主張、そして選挙手法がコンパクトにまとめられている。実によく練られた演説であった。

 

  その演説を、そのまま翻訳する。

 

  なお原文は、PBSがYouTubeに公開した当該演説の動画” Watch Bernie Sanders’ full speech after Iowa caucuses”を視聴し、確認した。

 

“ありがとう。アイオワ、ありがとう!

 

  9月前、私たちはこの美しい州にやってきました。地盤も鞄も看板も何もありませんでした。そして、アメリカ合衆国最強の政治的組織を相手どったのです

 

 そして、今夜。まだ結果ははっきりしませんが、どうやら、ほぼ互角という結果を収めました。

 

  そして、まだ。。。

 

 (聴衆より“バーニー!バーニー!”の連呼。演説中断)

 

  そして、まだ結果は全部出ていませんが、どうやら我々は、アイオワの代議員の半数を獲得したようです。

 

  この機に、クリントン元国務長官と、どなたか。。。そう、極めて精力的な選挙活動を展開した彼女の選対に、祝意を申し上げたい。

 

  そして、オマリー知事にも感謝を申し上げたい。敗北はいつも過酷なものです。私も、一度ならず選挙に負けた経験があリます。しかしオマリー知事は、議論に多大な貢献をし、政策議論中心の選挙戦を展開し、そしてそのことによってアメリカの人々からの尊敬を獲得したのです。

 

  今夜の出来事を考えると、アイオワの人々は、極めて明確なメッセージを、政界のエスタブリッシュメントたち、経済界のエスタブリッシュメントたち、そして、(ここで記者席を指差す)メディアのエスタブリッシュメントたちに叩きつけたのだと思うのです。

 

  この国が直面する巨大な危機を考え合わせると、もはや状況は政界のエスタブリッシュメントたちや経済界のエスタブリッシュメントたちでは間に合わないのです。アメリカの人々が主張するのは、そしてこれは、何も進歩主義者からだけではなく、保守派からも中道派からも私は聞きました、“もうこれ以上、壊れきった選挙資金制度に我慢できない”ということなんです。

 

  私は、以前、上院復員軍人委員会の委員長を務めました。そしてその職掌として、復員軍人の権益を守るために粉骨砕身しただけではなく、我々と我々の生活を守るために貢献した沢山の人々とお会いすることができました。そうした軍人たちが守ってくれたアメリカの民主主義は、一人一票であって金持ちが選挙を買収することではないはずです!

 


photo by Michael Fleshman on flickr (CC BY-SA 2.0)
 全国各地の人々が、350万人もの人々が、我々の選挙活動を支えてくれたという事実に、私は、圧倒され感動しています。BernieSanders.comを訪れたそうした人々による献金額の平均をご存知でしょうか? なんと、平均27ドルなんです! 我々は、富裕層やウォールストリートや「アメリカ株式会社」の利益を代表しません。彼らのお金なんていらないんです。

 

  誇りを持って申し上げますが、我々は民主党唯一のスーパーPAC(訳者注:特別政治活動委員会 各候補者の企業献金や個人献金の窓口となる組織。政治献金を無制限に集めることができることから近年、批判の的となっている)を持たない陣営です。そして、我々がアイオワで健闘し、おそらくはニューハンプシャーでもそれに続く各州でも健闘するであろう理由は、アメリカの人々が不正な経済にNOを叩きつけているからです。もうこれ以上、平均的なアメリカ人が低賃金で長時間働いているにもかかわらず、新たに創造される富が富裕層の1%に集中するような経済を必要としていないのです

 

 アメリカの人々は、この国が、公正さの上に築き上げられた国だと理解しています。トップ1%の中のわずか1/10の人が、その他90%の人の合計よりも多くの富を所有しているのは公正ではありません。この国最大の金持ち20人が、この国の底辺半分の人々の合計よりも多くの富を持っているのは、公正ではありません。

 


 「Enough is enough!(もうたくさんだ!)」

 

  みなさん。革命的なアイデアへの準備はいいでしょうね?

 


 


 その革命的なアイデアとは、我々が、富裕層だけでなく、勤労世帯にも機能する経済体制を作るということです。

 

  そして、数百万もの人々が貧困ライン賃金で働いている状況で、我々は、最低賃金を15ドルに引き上げるということこです!

 

  そして、そうです、女性にも同一賃金を支払うのです!

 

  アイオワ中を駆け巡りました。我々の陣営は集会に次ぐ集会で7万人近い人々とお話ししました。

 

  多くの人々が立ち上がって”バーニーさん!大学行ったんだ、大学卒業したんだ、で、今、6万ドル、8万ドル、9万ドルの借金を抱えている”とおっしゃるのを聞きました。

 

  狂ってる。これは狂ってる。彼らはまともな教育を受けようとしただけです。罰せられるべきではない。これこそが 2016年に、公立大学は学費無料になるべきだと信じる理由です。この主張に対しては私の批判者たちはこういうでしょう「バーニーさんよ、そりゃいい考えだ。タダだってね。でもどうやって財源を確保するの?」と。財源の確保をどうするか言いましょう。ウオールストリートの投機筋に課税すりゃいいんですよ。貪欲で無軌道で不法なウオールストリートの振る舞いは、この国の経済を無茶苦茶にしました。国民はそのウォールストリートを助けたんです。今度は、ウォールストリートが中流層を助ける番です。

 

  そして我々がアメリカの変革を語る時、どの国よりも沢山の人々を刑務所に入れているという不名誉な現実に行き当たります。それもアフリカ系とラテンアメリカ系に偏って。我々は、刑務所や拘束ではなく、雇用と教育を若者に提供します。

 

  ちょっと驚くべき話をしましょう。

 

  私は上院エネルギー委員会と上院環境委員会に所属しています。世界中の科学者たちと話をしました。議論の結果は明白。気候変動は、真実です。そして我々には、世界中の国々と共同して、我々のエネルギーシステムを化石燃料から省エネそして持続可能エネルギーに変えていくべき、倫理的な責任があるのです。

 

  びっくりするのは、本当にびっくりするのは、共和党のどの候補者も、世界中の科学者が同意するこの話に触れないということです。なんで彼らが触れないかわかりますか? 彼らが気候変動の現実を認め変革を主張した途端、何が起こるかわかりますか? 彼らはコーチ一族や(訳者注:カンザス州に拠点を置く全米第二位の規模を誇る私企業・コーチ工業の創業家一族)や化石燃料業界からの献金を失うんです。選挙資金ばかり心配するな、自分たちの子や孫に残していくこの星の事を心配しろと、共和党の候補者には申し上げたい。

 

  この選挙期間中、私は、何度もなんども批判され続けてきました。いいんです。大丈夫です。

 

  でも、私が信じていることを繰り返し申し上げましょう。世界のすべての主要国が健康保険を国民の権利として提供しているのだから、アメリカ合衆国も同じようにすべきだと。ウオールストリートジャーナルやワシントンポスト、そして、「アメリカ株式会社」とかにいる私の批判者には、健康保険は権利であって特権じゃない!とはっきり申し上げます!

 

  そしてそれが、公的医療保険制度こそがすべての人々に医療を提供し、医薬品によるぼったくりをなくし、中流世帯の年間数千ドルに上る医療コストを削減すると信じる理由です。

 

  他の大統領候補が言わないことで、この演説を締めくくりましょう。

 

  それは、どの大統領でも、バーニーサンダースでも、誰であれ、若年層や高齢者が必要とする変革をもたらすことはできないということです。大統領一人の力は限られています。次々と献金してくるウォールストリート、「アメリカ株式会社」のような大きな選挙資金提供者は強大なので、どの大統領も、やらねばならぬことを一人ではやれないのです。

 

  だからこそ、今夜アイオワがやったことは、政治革命なのです!

 

  もうすでに政治に興味を失った人々、ワシントンで行われていることに失望し不満を持っている人、これまで政治に興味を持っていなかった若者を含む数百万の人々が一緒に、若者や労働者や高齢者がともに立ち上がっり「もう沢山だ!」と、我々の政府は、この偉大な国の政府は、少数の金持ちではなく我々みんなの政府なのだ!と声をあげる政治革命。この革命が起こるとき、我々は、この国を変えることができるのです。

 

  ありがとう!”
http://hbol.jp/83029

  記事の紹介終わりです。

 サンダース【わが郷・政治家】1941~ サンダース アメリカ合衆国

 

 

 ■ Site Information

■ 2009年7月9日
  「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
  本稿はその保管用記事です。

■ 2010年3月2日
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