クイーンエリザベス級航空母艦
Queen Elizabeth Class aircraft carrier
クイーン・エリザベス級航空母艦 (クイーンエリザベスきゅうこうくうぼかん、Queen Elizabeth class aircraft carrier) は、イギリス海軍で配備が予定されている航空母艦である。現在開発中であるF-35統合打撃戦闘機やヘリコプターの搭載を予定している。
排水量 基準:45,000トン 満載:67,669トン
Overall Length全長 284m
Beam (Waterline) 吃水全幅 39m
船舶乗組員 767名 航空要員 610名
兵装 ファランクスCIWS 3基
30mm単装機銃 4基
M134ミニガン 多数
搭載機 F-35B 約30機
各種ヘリコプター 約10機
同型艦
艦番号 R08 クイーン・エリザベス
艦名 HMS Queen Elizabeth
起工 2009年7月9日
艦番号R09 プリンス・オブ・ウェールズ
艦名 HMS Prince of Wales
起工 2011年5月26日
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当初計画
イギリスはインヴィンシブル級航空母艦の後継として、CTOL機運用も考慮に入れた次世代空母の模索を1990年代から進めており、1998年の国防戦略見直し (Strategic Defence Review) で研究が正式に承認された。CVF計画 (Carrier Vessel Future programme) と名づけられた次世代空母の建造に、防衛産業6社から請負と設計の提案があり、翌年には自国企業のBAEシステムズ社とフランスに本拠地を置くタレス・グループ (Thales Group) の2社に絞られた。
2002年にイギリス海軍とイギリス空軍がSTOVL機であるF-35B ライトニングIIの導入を発表した。これにより次世代空母がSTOVL機の運用に適していることが必要になり、また前級よりも搭載機の要因から大型であることが重要となった。そして翌年に採用されたのは排水量がインヴィンシブル級の3倍もあるタレス・グループのデザイン案であった。しかし結局、産業育成・雇用推進などの面から自国のBAEシステムズが主幹事社となり、同社とパートナーシップを結ぶバブコック・グループのロシス造船所で建造が開始された。
当初計画によると、F-35B ライトニングIIとヘリコプターをあわせて最大48機の搭載を予定していたが、後述のようにF-35はB型からC型、再度B型に変更されている。ヘリコプターはマーリン HM.1哨戒ヘリコプターや早期警戒型のAEW.7をアップグレードしたシーキング ASaC.7の搭載を予定しているが、ティルトローターのV-22 オスプレイの搭載と運用も視野にいれて設計されている。標準的な合計運用機数は約40機である。
また、この段階では3隻のインヴィンシブル級を2隻のクイーン・エリザベス級で代替する予定であった。さらに本開発計画は、原子力空母「シャルル・ド・ゴール」の姉妹艦となる次期空母を求めていたフランス海軍の興味をひき、共同開発の動きがあったが、フランス政府は導入決定を先送りしている。このことが本級の価格高騰の原因にもなっている。
計画の大幅な変更
2010年10月25日、戦略見直し事業に伴い、イギリス海軍はクイーン・エリザベス級の内の1隻の調達を断念すると発表した。艦載機を航空母艦1隻分にすることで、高騰するF-35のコスト76億ポンドを含む82億ポンドを削減でき、2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」を、2018年に退役する揚陸ヘリ空母(ヘリコプター揚陸艦)「オーシャン」の代替艦にすることで、さらに6億ポンドの削減になると見積もられている。さらに11月25日には、英『ガーディアン』電子版が、「プリンス・オブ・ウェールズ」がインド海軍に売却される可能性があると報じた。
開発が遅延・高騰化しているF-35は、短距離離陸垂直着陸機のB型から通常離着陸機のC型に変更することが発表されが、2012年5月10日イギリス政府は、C型の実戦配備が2023年まで遅れる見込みのため再度B型に変更すると発表した[3]。またハモンド国防相は、F-35B型に変更されることにより、電磁式カタパルトやアレスティング・ワイヤーを装備しないことを示唆している。そのため1番艦「クイーン・エリザベス」は、2016年に電磁式航空機発艦システム(EMALS)を搭載せずヘリ空母として完成し、EMALSを搭載した「プリンス・オブ・ウェールズ」の2019年就役を待って予備役編入の予定[4]だったが、こちらも変更される可能性がある。
2012年5月の段階では、2020年頃以降に2隻ともがSTOVL空母として完成予定である。
(wikipedia)
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