
池井戸潤 著の「オレたちバブル入行組」を読みました。
バブル期に都市銀行に就職した中間管理職の
復讐劇となっています。
思い返せばバブル期には銀行が潰れるとは誰も思わず、
入行すれば一生安泰が確約されていたハズが、
バブル崩壊に伴う大量の不良債権の発生、銀行の淘汰などがありました。
情勢の変化に色々な銀行マン人生の悲哀がにじみ出ているようです。
主人公はクールなキレ者課長で、悪者支店長から不祥事の全責任を
主人公に負わせようと画策されますが、そのほとんどを返り討ちし、
胸のすく思いです。
組織の中では正しいことを正しいと言えない空気が蔓延しており、
上司に歯向かったり、空気を乱したりすると左遷や降格の恐れがあるため、
物申せなくなり組織の硬直化を起こしているところが多々あると思います。
そんな中で、この主人公のように与えられた役割で全力を尽くし、
振りかかる火の粉を完膚なきまでに叩き潰すことは、
あるべき組織人の姿かと感じました。
☆3.5
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