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今月のまとめ - 『南海トラフ地震に関連する情報(定例)』など

2018年03月26日 | 今月のまとめ
             



26日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報(定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。

これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。

それによると、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
とのことです。

具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋)

1.地震の観測状況
主な深部低周波地震(微動)として、2月21日以降、徳島県から豊後水道のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測しています。

2.地殻変動の観測状況
2月22日から3月2日、3月7日から3月10日、及び3月18日から3月23日にかけて愛媛県及び高知県の複数のひずみ観測点でわずかな地殻変動を観測しています。 また、同地域及びその周辺の傾斜及びGNSSのデータでも2月下旬以降、わずかな地殻変動を観測しています。
一方、GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。

3.地殻活動の評価
上記の深部低周波地震(微動)と、ひずみ、傾斜及びGNSSのデータに見られる地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。

この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年3月26日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。

(*) 評価検討会、判定会
第5回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第383回地震防災対策強化地域判定会。
気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。



【関連報道】

◯ NHK - 南海トラフ地震 「特段の変化なし」 評価検討会 (03/26) 【※抜粋】
『「評価検討会」の会長で東京大学地震研究所の平田直教授は、会見で「巨大地震発生の可能性は少しずつ高まっており、地震に対する備えを十分に進めてほしい」と話していました。』

評価検討会の委員1人が交代
気象庁は26日、「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の6人の委員のうち、東京大学地震研究所の加藤照之教授が、今月31日付けで退任することを明らかにしました。
加藤委員は65歳。平成13年に「東海地震判定会」の委員に就任し、去年11月の「南海トラフ地震に関連する情報」の運用開始以降は、「評価検討会」の委員を務めてきました。
気象庁によりますと、加藤委員からは、今月31日付けで東京大学を定年退職するのに合わせて、委員を退任したいという申し出があったということです。
一方、加藤委員の退任に伴い、来月1日付けで、名古屋大学大学院の山岡耕春教授が新たに委員に就任する予定です。山岡教授は59歳。おととし4月からは地震の研究者で作る日本地震学会の会長を務めていて、気象庁は「南海トラフで起きる地震活動全般に詳しい山岡教授に委員の就任を依頼した」としています。
ただ、山岡教授は名古屋を拠点としているため、地震が発生して交通機関が止まるなど、気象庁にすぐに来られない場合には、地元の気象台に来てもらうなどして連絡を取り合うことにしています。』


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。本文中太字は管理人】
南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。
南海トラフ地震に関連する情報」は、南海トラフで、ふだんと比べて巨大地震が起きる可能性が高まったと評価された場合、気象庁が「臨時」の情報を発表するもので、去年11月から運用が始まりましたが、国は情報が出た場合の住民などの対応について今も明確に示していません。
この情報について日本大学の研究グループは、先月、全国の2000人の住民にインターネットでアンケートを行いました。アンケートでは、この情報を知っているかなどについて聞いたところ、「全く知らなかった」と答えた人が34%いたほか、「なんとなく聞いたことがあった」が33%、それに「この情報が発表されることは知っていたが、目的や内容は知らなかった」と答えた人が15%で、情報そのものや内容を知らない人は合わせて82%に上りました。
地域別で見てもこの傾向は変わらず、特に大きな被害が想定される東海や近畿、四国でも情報の目的や内容について知らない人はいずれも80%前後に達しました。』
『調査を行った、災害時の情報伝達に詳しい日本大学の中森広道教授は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあるが、今回の結果からはこの情報が出たときに住民の望ましい対応につながらないだけでなく、混乱につながることも考えられる。国はただ単に情報を出すだけではなく、どう行動すべきかなど地域ごとの対応をしっかり決めたうえで、情報の周知を急ぐべきだ」と話しています。』

住民や自治体の対応が明確にならず
南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報の運用は、東日本大震災の巨大地震を予測できなかったことなどをきっかけに、それまでの予知を前提とした東海地震の情報を取りやめて導入されました。
具体的には、南海トラフ沿いでマグニチュード7.0以上の地震が発生したり、東海地域に設置されている「ひずみ計」と呼ばれる機器がふだんとは異なる変化を観測したりした場合など異常な現象が起き、巨大地震発生の可能性が高まったと評価された場合に「臨時」の情報が発表されることになっています。
国は、この情報が出たときの対応について、静岡県や高知県、それに中部経済界を「モデル地区」に指定して検討を進めているほか、今月末までに検討会を立ち上げて本格的な議論を始める方針です。
しかし、情報の運用開始から4か月余りがたった今も、住民や自治体などの対応についてはまだ明確になっておらず、専門家や自治体からは、国に対し、早急に方針を決めるよう求める声が出ています。』

新情報の生かし方 住民が考え始める動きも
『10日に京都大学が開いたワークショップでは、南海トラフの巨大地震で強い揺れや津波に見舞われる近畿地方の自主防災組織などで活動している住民ら30人が参加しました。
参加者は5つのグループに分かれ、気象庁が「臨時」の情報を発表した際に自分たちがどう行動するべきかなどについて話し合いました。
議論の中では、まず、この情報は本当に地震が起きるのかわからず「不確実性が高い」として、「『ふだんより巨大地震発生の可能性が高まっていると評価された』という内容はあいまいで、地区の住民に避難を呼びかけていいのか分からない」などといった意見が出ていました。
さらに、国や自治体の対応方針がまだあまり決まっていないことについては、「避難所の開設など自治体によって防災対応に差が出てくるのではないか」といった不安の声が聞かれました。
そのうえで、今の時点で自分たちにできることについて議論し、「高齢者や障害者など早めの避難が必要な人がいたら手伝う」とか、「備蓄倉庫の食料や機材をすぐに取り出せるよう準備しておく」などといった意見が出ていました。
参加者の1人で、神戸市の高校で防災教育を担当している63歳の男性教諭は「大きな地震が起きるかもしれない状態の中、生徒を家に帰していいのかなどとても悩ましい問題だ。出された情報の範囲の中でどういう防災行動をとるか、これから学校でも教師と生徒が一緒になって考えるようにしたい」と述べ、学校や家庭で防災対応を考えることが重要だと話していました。
ワークショップを企画した京都大学の清水美香特定准教授は「南海トラフの臨時情報のように不確実な情報が出た際にどう行動するかについては正解はなく、人それぞれ違うと思う。自分はどうするべきなのか日頃から考えておくことが大事で、防災訓練のようにみんなが一緒になって取り組む場を作っていってほしい」と話していました。』


◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。本文中の太字は管理人】
これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。

どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」管理人注)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』







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