東海地震に対する意識を高めるブログ

東海地震への防災・減災意識を高めるため東海・東南海・神奈川周辺で発生したM3以上の有感地震を眺めるシンプルなブログです。

今月のまとめ - 『南海トラフ地震に関連する情報(定例)』など

2018年12月11日 | 今月のまとめ
            



11日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。

これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。

それによると、先月に引き続き、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時(注)と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
とのことです。

具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋。太字は管理人)

1.地震の観測状況
11月2日に紀伊水道の深さ44kmを震源とするM5.4の地震が発生しました。この地震は、発震機構が東北東・西南西方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、フィリピン海プレート内で発生しました。
プレート境界付近を震源とする主な深部低周波地震(微動)を以下の領域で観測しました。
(1) 四国東部から中部:10月30日から11月9日まで
(2) 紀伊半島西部:11月3日から11月6日まで


2.地殻変動の観測状況
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。また、周辺の傾斜データにもわずかな変化が見られました。また、上記(1)の期間に同地域及びその周辺のGNSSのデータでも、わずかな地殻変動を観測しています。
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
GNSS観測によると、2018年春頃から、九州北部でこれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。
2018年9月までのGNSS-音響測距観測によると、2017年末頃から、紀伊水道沖の海底でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。


3.地殻活動の評価
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)と、ひずみ、傾斜、GNSSのデータに見られる変化は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
GNSS観測で観測されている2018年春頃からの九州北部の地殻変動は、日向灘北部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
GNSS-音響測距観測で観測されている2017年末頃からの紀伊水道沖の地殻変動は、紀伊水道沖のプレート境界浅部におけるゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。


(注)南海トラフ沿いの大規模地震(M8~M9クラス)は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が70~80%であり、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から既に70年以上が経過していることから切迫性の高い状態です。

この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年12月7日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。

(*) 評価検討会、判定会
 第14回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第392回地震防災対策強化地域判定会。
 気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報(「南海トラフ地震に関連する情報(臨時・定例)」)の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
 評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。



【関連報道】

◯ NHK - 南海トラフ地震 臨時情報への対応 報告書まとまる (12/11) 【※抜粋。太字は管理人】
『「南海トラフで巨大地震が発生する可能性が高まった」という臨時の情報が出た場合の対応について、中央防災会議の作業部会が報告書をまとめました。地震のケースによっては、津波からの避難が間に合わない地域のすべての住民があらかじめ避難するとしています。』
『報告書では、南海トラフで想定される震源域の半分程度が先行してずれ動いて「マグニチュード8クラス」の地震が発生し、残りの震源域で巨大地震が懸念される場合の避難の考え方が示されました。
最初の地震で大きな被害が及んでいない地域でも、次の地震に備えて津波からの避難が明らかに間に合わない地域のすべての住民のほか、避難が間に合わない可能性がある地域で避難に時間がかかる高齢者などはあらかじめ避難するとしています。
そのうえで、避難の期間は「1週間程度を基本」としています。
このほか、震源域やその周辺でマグニチュード7クラスの地震が発生したケースでは、その後の巨大地震に備えるための避難までは求めず、日頃からの備えを再確認したうえで、必要に応じて自主的に避難するとしています。』
『報告書では、臨時の情報が発表されるケースを3つに分けて、それぞれの防災対応を示しています。

ケース1 「M8クラス」
まず、南海トラフのプレートの境目で、震源域の半分程度が先行してずれ動いて「マグニチュード8クラス」の地震が発生し、残りの震源域で巨大地震が懸念されるケースです。
最初の地震で大きな被害が及んでいない地域でも、次の地震に備えて津波からの避難が明らかに間に合わない地域のすべての住民のほか、間に合わない可能性がある地域の高齢者などはあらかじめ避難するとしています。
その期間は「1週間程度を基本」としています。

ケース2 「M7クラス」
次に、震源域やその周辺でマグニチュード7クラスの地震が発生したケースです。
その後の巨大地震に備えるための避難までは求めず、避難場所の確認や家具の固定など日頃からの備えを再確認したうえで、必要に応じて自主的に避難するとしています。

ケース3 「ゆっくりすべり」
そして、プレートの境目がゆっくりとずれ動く「ゆっくりすべり」が通常とは異なる場所などで観測されたケースです。
この場合は地震に対する日頃からの備えを確認するとしています。』


◯ 静岡新聞 - 南海トラフ地震「特段変化なし」 気象庁評価検討会 (09/08) 【※抜粋。太字は管理人】
『紀伊水道沖で2017年末ごろから観測されている海底地殻変動について「プレート境界浅部におけるゆっくりすべりによる可能性がある」と評価した。平田会長は「プレートが強く固着している深いところまで動きが拡大すれば注意が必要だが、現時点ではただちに大地震発生の可能性が高まったとは考えていない」と説明した。』


◯ NHK - あなたならどうする?もし南海トラフ巨大地震の新情報が出たら… (05/15) 【※抜粋。太字は管理人】
『南海トラフ巨大地震。その「発生の可能性がふだんより高まった場合」、去年11月から気象庁が発表することになったのが「南海トラフ地震に関連する情報」(臨時※)です。しかし、この情報をめぐっては、国が情報が出た場合の対応指針を明確に示していないことなどから、運用開始当初から「情報が出た場合、どうすればいいの?」という課題が指摘され、自治体や住民からは、戸惑いの声も上がっていました。一方、運用開始から半年がすぎ、大きな被害が想定される地域では、独自に対応を考える動きも出てきています。今後30年以内の発生確率が「70%から80%」と切迫する中、いつ発表されるかわからないこの情報。取材を通して感じたのは、そろそろ、国の指針が出るのを待っているだけではだめなのではないかということです。「もしも情報が出たら、あなたならどうしますか?」』(※管理人補足)


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。小見出しを除く太字は管理人】
南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。


◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。小見出しを除く太字は管理人】
これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。

どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」※)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』(※管理人補足)





今月のまとめ - 『南海トラフ地震に関連する情報(定例)』など

2018年11月07日 | 今月のまとめ
            



7日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。

これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。

それによると、先月に引き続き、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
とのことです。

具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋)

1.地震の観測状況
10月7日に愛知県東部の深さ42kmを震源とするM5.0の地震が発生しました。この地震は、発震機構が東北東・西南西方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、フィリピン海プレート内で発生しました。
11月2日に紀伊水道の深さ44kmを震源とするM5.4の地震が発生しました。この地震は、発震機構が北東・南西方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、フィリピン海プレート内で発生しました。
プレート境界付近を震源とする主な深部低周波地震(微動)を以下の領域で観測しました。
(1) 紀伊半島北部から東海:9月18日から10月17日まで
(2) 四国西部:9月29日から10月15日まで
(3) 四国東部から中部:10月10日から10月15日まで
(4) 四国東部から中部:10月30日から継続中
(5) 紀伊半島西部:11月3日から継続中


2.地殻変動の観測状況
上記(1)から(5)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。また、周辺の傾斜データにもわずかな変化が見られています。また、上記(1)、(2)の期間に同地域及びその周辺のGNSSのデータでも、わずかな地殻変動を観測しています。
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
GNSS観測によると、2018年6月頃から、九州北部でこれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。
2018年9月までのGNSS-音響測距観測によると、2017年末頃から、紀伊水道沖の海底でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。


3.地殻活動の評価
上記(1)から(5)の深部低周波地震(微動)と、ひずみ、傾斜及びGNSSデータに見られる変化は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
GNSS観測で観測されている2018年6月頃からの九州北部の地殻変動は、日向灘北部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
GNSS-音響測距観測で観測されている2017年末頃からの紀伊水道沖の地殻変動は、紀伊水道沖のプレート境界浅部におけるゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。

この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年11月7日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。

(*) 評価検討会、判定会
 第13回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第391回地震防災対策強化地域判定会。
 気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報(「南海トラフ地震に関連する情報(臨時・定例)」)の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
 評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。



【関連報道】

◯ NHK - 南海トラフ評価検討会「特段の変化観測されず」 (11/07) 【※抜粋】
『評価検討会の会長で、東京大学地震研究所の平田直教授は「巨大地震が今後30年以内に発生する確率は70%から80%と高い状態だ。引き続き注意してほしい」と話していました。』


◯ MBS NEWS - 南海トラフ地震臨時情報、専門家が気象庁で初訓練 (10/05) 【※抜粋。太字は管理人】
『気象庁は5日午後、南海トラフ沿いの遠州灘でマグニチュード8.2の巨大地震が発生し、東海地方で最大震度7が観測されたほか、関東から四国までの太平洋沿岸に大津波警報が発表されたとの想定で訓練を行いました。(中略)気象庁は、南海トラフ沿いで地震や異常が観測された場合、「臨時情報」を発表する可能性があり、それに伴い「南海トラフ地震評価検討会」が訓練で開催されるのは今回が初めてです。』


◯ 静岡新聞 - 南海トラフ地震「特段変化なし」 気象庁評価検討会 (09/08) 【※抜粋。太字は管理人】
『紀伊水道沖で2017年末ごろから観測されている海底地殻変動について「プレート境界浅部におけるゆっくりすべりによる可能性がある」と評価した。平田会長は「プレートが強く固着している深いところまで動きが拡大すれば注意が必要だが、現時点ではただちに大地震発生の可能性が高まったとは考えていない」と説明した。』


◯ NHK - あなたならどうする?もし南海トラフ巨大地震の新情報が出たら… (05/15) 【※抜粋。太字は管理人】
『南海トラフ巨大地震。その「発生の可能性がふだんより高まった場合」、去年11月から気象庁が発表することになったのが「南海トラフ地震に関連する情報」(臨時※)です。しかし、この情報をめぐっては、国が情報が出た場合の対応指針を明確に示していないことなどから、運用開始当初から「情報が出た場合、どうすればいいの?」という課題が指摘され、自治体や住民からは、戸惑いの声も上がっていました。一方、運用開始から半年がすぎ、大きな被害が想定される地域では、独自に対応を考える動きも出てきています。今後30年以内の発生確率が「70%から80%」と切迫する中、いつ発表されるかわからないこの情報。取材を通して感じたのは、そろそろ、国の指針が出るのを待っているだけではだめなのではないかということです。「もしも情報が出たら、あなたならどうしますか?」』(※管理人補足)


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。小見出しを除く太字は管理人】
南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。


◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。小見出しを除く太字は管理人】
これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。

どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」※)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』(※管理人補足)





今月のまとめ - 『南海トラフ地震に関連する情報(定例)』など

2018年10月05日 | 今月のまとめ
            



5日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。

これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。

それによると、先月に引き続き、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
とのことです。

具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋)

1.地震の観測状況
プレート境界付近を震源とする主な深部低周波地震(微動)を以下の領域で観測しました。
(1)奈良県から伊勢湾:9月18日から10月1日まで
(2)豊後水道から愛媛県中予:9月29日から継続中

2.地殻変動の観測状況
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測し、現在も継続しています。また、周辺の傾斜データにもわずかな変化が見られています。
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
2018年9月まで実施したGNSS-音響測距観測によると、紀伊水道沖の海底で2017年末頃からそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。

3.地殻活動の評価
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)と、ひずみ及び傾斜データに見られる変化は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
GNSS-音響測距観測で観測されている2017年末頃からの紀伊水道沖の地殻変動は、紀伊水道沖のプレート境界浅部におけるゆっくりすべりによる可能性があると考えられます。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。


この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年10月5日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。

(*) 評価検討会、判定会
 第12回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第390回地震防災対策強化地域判定会。
 気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報(「南海トラフ地震に関連する情報(臨時・定例)」)の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
 評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。



【関連報道】

◯ MBS NEWS - 南海トラフ地震臨時情報、専門家が気象庁で初訓練 (10/05) 【※抜粋。太字は管理人】
『気象庁は5日午後、南海トラフ沿いの遠州灘でマグニチュード8.2の巨大地震が発生し、東海地方で最大震度7が観測されたほか、関東から四国までの太平洋沿岸に大津波警報が発表されたとの想定で訓練を行いました。(中略)気象庁は、南海トラフ沿いで地震や異常が観測された場合、「臨時情報」を発表する可能性があり、それに伴い「南海トラフ地震評価検討会」が訓練で開催されるのは今回が初めてです。』


◯ 静岡新聞 - 南海トラフ地震「特段変化なし」 気象庁評価検討会 (09/08) 【※抜粋。太字は管理人】
『紀伊水道沖で2017年末ごろから観測されている海底地殻変動について「プレート境界浅部におけるゆっくりすべりによる可能性がある」と評価した。平田会長は「プレートが強く固着している深いところまで動きが拡大すれば注意が必要だが、現時点ではただちに大地震発生の可能性が高まったとは考えていない」と説明した。』


◯ NHK - あなたならどうする?もし南海トラフ巨大地震の新情報が出たら… (05/15) 【※抜粋。太字は管理人】
『南海トラフ巨大地震。その「発生の可能性がふだんより高まった場合」、去年11月から気象庁が発表することになったのが「南海トラフ地震に関連する情報」(臨時※)です。しかし、この情報をめぐっては、国が情報が出た場合の対応指針を明確に示していないことなどから、運用開始当初から「情報が出た場合、どうすればいいの?」という課題が指摘され、自治体や住民からは、戸惑いの声も上がっていました。一方、運用開始から半年がすぎ、大きな被害が想定される地域では、独自に対応を考える動きも出てきています。今後30年以内の発生確率が「70%から80%」と切迫する中、いつ発表されるかわからないこの情報。取材を通して感じたのは、そろそろ、国の指針が出るのを待っているだけではだめなのではないかということです。「もしも情報が出たら、あなたならどうしますか?」』(※管理人補足)


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。見出しを除く太字は管理人】
南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。


◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。見出しを除く太字は管理人】
これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。

どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」※)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』(※管理人補足)






今月のまとめ - 『南海トラフ地震に関連する情報(定例)』など

2018年09月07日 | 今月のまとめ
             



7日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。

これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。

それによると、先月に引き続き、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
とのことです。

具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋)

1.地震の観測状況
プレート境界付近を震源とする主な深部低周波地震(微動)を以下の領域で観測しました。
(1)瀬戸内海中部から愛媛県東予、高知県中部:8月6日から13日まで

2.地殻変動の観測状況
上記(1)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。また、同地域及びその周辺の傾斜データでも、わずかな地殻変動を観測しました。
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
2018年8月まで実施したGNSS-音響測距観測によると、紀伊水道沖の海底で2017年末頃からそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。

3.地殻活動の評価
上記(1)の深部低周波地震(微動)と、ひずみ及び傾斜データで観測した地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
GNSS-音響測距観測で観測されている2017年末頃からの紀伊水道沖の地殻変動は、紀伊水道沖のプレート境界浅部におけるゆっくりすべりによる可能性があると考えられます。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。


この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年9月7日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。

(*) 評価検討会、判定会
 第11回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第389回地震防災対策強化地域判定会。
 気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報(「南海トラフ地震に関連する情報(臨時・定例)」)の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
 評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。



【関連報道】

◯ 静岡新聞 - 南海トラフ地震「特段変化なし」 気象庁評価検討会 (09/08) 【※抜粋。太字は管理人】
『紀伊水道沖で2017年末ごろから観測されている海底地殻変動について「プレート境界浅部におけるゆっくりすべりによる可能性がある」と評価した。平田会長は「プレートが強く固着している深いところまで動きが拡大すれば注意が必要だが、現時点ではただちに大地震発生の可能性が高まったとは考えていない」と説明した。』


◯ NHK - あなたならどうする?もし南海トラフ巨大地震の新情報が出たら… (05/15) 【※抜粋。太字は管理人】
『南海トラフ巨大地震。その「発生の可能性がふだんより高まった場合」、去年11月から気象庁が発表することになったのが「南海トラフ地震に関連する情報」(臨時※)です。しかし、この情報をめぐっては、国が情報が出た場合の対応指針を明確に示していないことなどから、運用開始当初から「情報が出た場合、どうすればいいの?」という課題が指摘され、自治体や住民からは、戸惑いの声も上がっていました。一方、運用開始から半年がすぎ、大きな被害が想定される地域では、独自に対応を考える動きも出てきています。今後30年以内の発生確率が「70%から80%」と切迫する中、いつ発表されるかわからないこの情報。取材を通して感じたのは、そろそろ、国の指針が出るのを待っているだけではだめなのではないかということです。「もしも情報が出たら、あなたならどうしますか?」』(※管理人補足)


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。見出しを除く太字は管理人】
南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。


◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。見出しを除く太字は管理人】
これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。

どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」:管理人注)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』






今月のまとめ - 『南海トラフ地震に関連する情報(定例)』など

2018年08月07日 | 今月のまとめ
             



7日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報(定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。

これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。

それによると、先月に引き続き、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
とのことです。

具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋)

1.地震の観測状況
プレート境界付近を震源とする主な深部低周波地震(微動)を以下の領域で観測しました。
(1)愛媛県中予から愛媛県南予:7月10日から28日
(2)豊後水道:7月18日から20日

2.地殻変動の観測状況
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。
一方、GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
なお、2018年5月まで実施したGNSS-音響測距観測によると、紀伊水道沖で通常とは異なる変化を2017年末頃から観測しています。

3.地殻活動の評価
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)及びひずみ観測点で観測した地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
GNSS-音響測距観測で観測されている紀伊水道沖の通常とは異なる変化は、紀伊水道沖における非定常地殻変動によるものである可能性があります。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。


この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年8月7日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。

(*) 評価検討会、判定会
 第10回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第388回地震防災対策強化地域判定会。
 気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報(「南海トラフ地震に関連する情報(臨時・定例)」)の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
 評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。



【関連報道】

◯ NHK - 南海トラフ巨大地震 評価検討会「特段の変化なし」 (08/07) 【※抜粋。太字は管理人】
『評価検討会の会長で東京大学地震研究所の平田直教授は「南海トラフ地震が起きる可能性は高い状態が続いている。引き続き備えを進めてほしい」と話しています。』


◯ NHK - あなたならどうする?もし南海トラフ巨大地震の新情報が出たら… (05/15) 【※抜粋。太字は管理人】
『南海トラフ巨大地震。その「発生の可能性がふだんより高まった場合」、去年11月から気象庁が発表することになったのが「南海トラフ地震に関連する情報」(臨時※)です。しかし、この情報をめぐっては、国が情報が出た場合の対応指針を明確に示していないことなどから、運用開始当初から「情報が出た場合、どうすればいいの?」という課題が指摘され、自治体や住民からは、戸惑いの声も上がっていました。一方、運用開始から半年がすぎ、大きな被害が想定される地域では、独自に対応を考える動きも出てきています。今後30年以内の発生確率が「70%から80%」と切迫する中、いつ発表されるかわからないこの情報。取材を通して感じたのは、そろそろ、国の指針が出るのを待っているだけではだめなのではないかということです。「もしも情報が出たら、あなたならどうしますか?」』(※管理人補足)


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。見出しを除く太字は管理人】
南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。』


◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。見出しを除く太字は管理人】
これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。

どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」※)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』(※管理人補足)





今月のまとめ - 『南海トラフ地震に関連する情報(定例)』など

2018年07月06日 | 今月のまとめ
             



6日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報(定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。

これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。

それによると、先月に引き続き、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
とのことです。

具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋)

1.地震の観測状況
プレート境界付近を震源とする主な深部低周波地震(微動)を以下の領域で観測しました。
(1)長野県南部:6月19日から30日
(2)愛知県:6月27日から28日
(3)奈良県から和歌山県:6月22日から25日
(4)愛媛県東予から瀬戸内海中部:6月13日から19日
(5)徳島県北部から愛媛県東予:6月20日から26日


2.地殻変動の観測状況
上記(1)、(2)、(3)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。
また、GNSS-音響測距観測によると、紀伊水道沖で通常とは異なる変化を2017年末頃から観測しています。
一方、GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。


3.地殻活動の評価
上記(1)、(2)、(3)の深部低周波地震(微動)及びひずみ観測点で観測した地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
GNSS-音響測距観測で観測されている紀伊水道沖の通常とは異なる変化は、紀伊水道沖における非定常地殻変動によるものである可能性があります。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。


この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年7月6日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。

(*) 評価検討会、判定会
 第9回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第387回地震防災対策強化地域判定会。
 気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報(「南海トラフ地震に関連する情報(臨時・定例)」)の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
 評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。



【関連報道】

◯ NHK - あなたならどうする?もし南海トラフ巨大地震の新情報が出たら… (05/15) 【※抜粋。太字は管理人】
『南海トラフ巨大地震。その「発生の可能性がふだんより高まった場合」、去年11月から気象庁が発表することになったのが「南海トラフ地震に関連する情報」(臨時※)です。しかし、この情報をめぐっては、国が情報が出た場合の対応指針を明確に示していないことなどから、運用開始当初から「情報が出た場合、どうすればいいの?」という課題が指摘され、自治体や住民からは、戸惑いの声も上がっていました。一方、運用開始から半年がすぎ、大きな被害が想定される地域では、独自に対応を考える動きも出てきています。今後30年以内の発生確率が「70%から80%」と切迫する中、いつ発表されるかわからないこの情報。取材を通して感じたのは、そろそろ、国の指針が出るのを待っているだけではだめなのではないかということです。「もしも情報が出たら、あなたならどうしますか?」』(※管理人補足)


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。見出しを除く太字は管理人】
南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。


◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。見出しを除く太字は管理人】
これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。

どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」※)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』(※管理人補足)






今月のまとめ - 『南海トラフ地震に関連する情報(定例)』など

2018年06月07日 | 今月のまとめ
             



7日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報(定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。

これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。

それによると、先月に引き続き、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
とのことです。

具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋)

1.地震の観測状況
全般的に顕著な地震活動はありません。

2.地殻変動の観測状況
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。

3.地殻活動の評価
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界 の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。

この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年6月7日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。

(*) 評価検討会、判定会
 第8回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第386回地震防災対策強化地域判定会。
 気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報(「南海トラフ地震に関連する情報(臨時・定例)」)の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
 評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。



【関連報道】

◯ NHK - 南海トラフ評価検討会「特段の変化 観測されず」 (06/07) 【※抜粋。太字は管理人】
『評価検討会の会長で東京大学地震研究所の平田直教授は「南海トラフ巨大地震が発生する確率は引き続き非常に高い状態が続いているので、備えを進めてほしい」と話しています。』


◯ NHK - あなたならどうする?もし南海トラフ巨大地震の新情報が出たら… (05/15) 【※抜粋。太字は管理人】
『南海トラフ巨大地震。その「発生の可能性がふだんより高まった場合」、去年11月から気象庁が発表することになったのが「南海トラフ地震に関連する情報(臨時※)」(※管理人補足)です。しかし、この情報をめぐっては、国が情報が出た場合の対応指針を明確に示していないことなどから、運用開始当初から「情報が出た場合、どうすればいいの?」という課題が指摘され、自治体や住民からは、戸惑いの声も上がっていました。一方、運用開始から半年がすぎ、大きな被害が想定される地域では、独自に対応を考える動きも出てきています。今後30年以内の発生確率が「70%から80%」と切迫する中、いつ発表されるかわからないこの情報。取材を通して感じたのは、そろそろ、国の指針が出るのを待っているだけではだめなのではないかということです。「もしも情報が出たら、あなたならどうしますか?」』


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。見出しを除く太字は管理人】
南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。』


◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。見出しを除く太字は管理人】
これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。

どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」:管理人注)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』





今月のまとめ - 『南海トラフ地震に関連する情報(定例)』など

2018年05月09日 | 今月のまとめ
             



9日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報(定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。

これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。

それによると、先月に引き続き、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
とのことです。

具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋)

1.地震の観測状況
主な深部低周波地震(微動)として、4月13日から4月21日にかけて、伊勢湾から三重県のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測しました。

2.地殻変動の観測状況
4月13日頃から4月20日頃にかけて愛知県及び三重県の複数のひずみ観測点でわずかな地殻変動を観測しました。また、同地域及びその周辺の傾斜データでも、わずかな地殻変動を観測しました。
一方、GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。

3.地殻活動の評価
上記の深部低周波地震(微動)と、ひずみ及び傾斜データで観測した地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。

この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年5月9日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。

(*) 評価検討会、判定会
 第7回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第385回地震防災対策強化地域判定会。
 気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報(「南海トラフ地震に関連する情報(臨時・定例)」)の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
 評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。



【関連報道】

◯ NHK - 南海トラフ評価検討会「特段の変化は観測されず」 (05/09) 【※抜粋。太字は管理人】
『評価検討会の会長で、東京大学地震研究所の平田直教授は「南海トラフ巨大地震が発生する可能性は、引き続き高い状態が続いているので、備えを進めてほしい」と話しています。』


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 運用開始から半年 (05/01) 【※抜粋。太字は管理人】
『「南海トラフ地震に関連する情報」は、気象庁が、それまでの予知を前提とした東海地震の情報の発表を取りやめて新たに運用を始めたもので、南海トラフでふだんに比べて巨大地震が発生する可能性が高まった場合などに「臨時」の情報が発表されます。
この情報の運用が始まって1日で半年になりますが、「臨時」の情報が出た場合、住民や自治体、企業などがどう対応すればよいか、国はまだ明確に示しておらず、先月、検討会を立ち上げて本格的な議論を始めました。』

『国の検討会の主査を務める名古屋大学の福和伸夫教授は、「情報が出たあとの対応が決まっていないのは危険なので、国の基本的な方向性を早く示す必要がある。その一方で、地域や組織ごとに対応が異なることもあり、多くの国民が当事者意識を持つ必要がある」と述べ、国が指針を示すのを待つだけでなく、地域ごとに議論を進める必要があると指摘しています。』


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。本文の太字は管理人】
南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。


◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。本文の太字は管理人】
これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。

どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」:管理人注)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』






今月のまとめ - 『南海トラフ地震に関連する情報(定例)』など

2018年04月06日 | 今月のまとめ
             



6日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報(定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。

これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。

それによると、先月に引き続き、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
とのことです。

具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋)

1.地震の観測状況
主な深部低周波地震(微動)として、2月21日から3月31日にかけて、徳島県から豊後水道のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測しました。

2.地殻変動の観測状況
2月下旬から3月下旬にかけて愛媛県及び高知県の複数のひずみ観測点でわずかな地殻変動を観測しています。また、同地域及びその周辺の傾斜及びGNSSのデータでも2月下旬以降、わずかな地殻変動を観測しています。
一方、GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。

3.地殻活動の評価
上記の深部低周波地震(微動)と、ひずみ、傾斜及びGNSSのデータに見られる地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。

この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年4月6日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。

(*) 評価検討会、判定会
 第6回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第384回地震防災対策強化地域判定会。
 気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報(「南海トラフ地震に関連する情報(臨時・定例)」)の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
 評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。



【関連報道】

◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の評価検討会「特段の変化なし」 (04/06) 【※抜粋】
『「評価検討会」の会長で、東京大学地震研究所の平田直教授は記者会見で、「次の巨大地震に少しずつ近づいているので、被害が少なくなるよう準備を続けてほしい」と話しました。』


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。本文の太字は管理人】
南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。
南海トラフ地震に関連する情報」は、南海トラフで、ふだんと比べて巨大地震が起きる可能性が高まったと評価された場合、気象庁が「臨時」の情報を発表するもので、去年11月から運用が始まりましたが、国は情報が出た場合の住民などの対応について今も明確に示していません。
『地域別で見てもこの傾向は変わらず、特に大きな被害が想定される東海や近畿、四国でも情報の目的や内容について知らない人はいずれも80%前後に達しました。』
『調査を行った、災害時の情報伝達に詳しい日本大学の中森広道教授は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあるが、今回の結果からはこの情報が出たときに住民の望ましい対応につながらないだけでなく、混乱につながることも考えられる。国はただ単に情報を出すだけではなく、どう行動すべきかなど地域ごとの対応をしっかり決めたうえで、情報の周知を急ぐべきだ」と話しています。』


◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。本文の太字は管理人】
これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。

どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」:管理人注)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』






今月のまとめ - 『南海トラフ地震に関連する情報(定例)』など

2018年03月26日 | 今月のまとめ
             



26日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報(定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。

これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。

それによると、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。
とのことです。

具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋)

1.地震の観測状況
主な深部低周波地震(微動)として、2月21日以降、徳島県から豊後水道のプレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)を観測しています。

2.地殻変動の観測状況
2月22日から3月2日、3月7日から3月10日、及び3月18日から3月23日にかけて愛媛県及び高知県の複数のひずみ観測点でわずかな地殻変動を観測しています。 また、同地域及びその周辺の傾斜及びGNSSのデータでも2月下旬以降、わずかな地殻変動を観測しています。
一方、GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。

3.地殻活動の評価
上記の深部低周波地震(微動)と、ひずみ、傾斜及びGNSSのデータに見られる地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した「短期的ゆっくりすべり」に起因すると推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。

この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年3月26日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。

(*) 評価検討会、判定会
第5回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第383回地震防災対策強化地域判定会。
気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。



【関連報道】

◯ NHK - 南海トラフ地震 「特段の変化なし」 評価検討会 (03/26) 【※抜粋】
『「評価検討会」の会長で東京大学地震研究所の平田直教授は、会見で「巨大地震発生の可能性は少しずつ高まっており、地震に対する備えを十分に進めてほしい」と話していました。』

評価検討会の委員1人が交代
気象庁は26日、「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の6人の委員のうち、東京大学地震研究所の加藤照之教授が、今月31日付けで退任することを明らかにしました。
加藤委員は65歳。平成13年に「東海地震判定会」の委員に就任し、去年11月の「南海トラフ地震に関連する情報」の運用開始以降は、「評価検討会」の委員を務めてきました。
気象庁によりますと、加藤委員からは、今月31日付けで東京大学を定年退職するのに合わせて、委員を退任したいという申し出があったということです。
一方、加藤委員の退任に伴い、来月1日付けで、名古屋大学大学院の山岡耕春教授が新たに委員に就任する予定です。山岡教授は59歳。おととし4月からは地震の研究者で作る日本地震学会の会長を務めていて、気象庁は「南海トラフで起きる地震活動全般に詳しい山岡教授に委員の就任を依頼した」としています。
ただ、山岡教授は名古屋を拠点としているため、地震が発生して交通機関が止まるなど、気象庁にすぐに来られない場合には、地元の気象台に来てもらうなどして連絡を取り合うことにしています。』


◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。本文中太字は管理人】
南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。
南海トラフ地震に関連する情報」は、南海トラフで、ふだんと比べて巨大地震が起きる可能性が高まったと評価された場合、気象庁が「臨時」の情報を発表するもので、去年11月から運用が始まりましたが、国は情報が出た場合の住民などの対応について今も明確に示していません。
この情報について日本大学の研究グループは、先月、全国の2000人の住民にインターネットでアンケートを行いました。アンケートでは、この情報を知っているかなどについて聞いたところ、「全く知らなかった」と答えた人が34%いたほか、「なんとなく聞いたことがあった」が33%、それに「この情報が発表されることは知っていたが、目的や内容は知らなかった」と答えた人が15%で、情報そのものや内容を知らない人は合わせて82%に上りました。
地域別で見てもこの傾向は変わらず、特に大きな被害が想定される東海や近畿、四国でも情報の目的や内容について知らない人はいずれも80%前後に達しました。』
『調査を行った、災害時の情報伝達に詳しい日本大学の中森広道教授は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあるが、今回の結果からはこの情報が出たときに住民の望ましい対応につながらないだけでなく、混乱につながることも考えられる。国はただ単に情報を出すだけではなく、どう行動すべきかなど地域ごとの対応をしっかり決めたうえで、情報の周知を急ぐべきだ」と話しています。』

住民や自治体の対応が明確にならず
南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報の運用は、東日本大震災の巨大地震を予測できなかったことなどをきっかけに、それまでの予知を前提とした東海地震の情報を取りやめて導入されました。
具体的には、南海トラフ沿いでマグニチュード7.0以上の地震が発生したり、東海地域に設置されている「ひずみ計」と呼ばれる機器がふだんとは異なる変化を観測したりした場合など異常な現象が起き、巨大地震発生の可能性が高まったと評価された場合に「臨時」の情報が発表されることになっています。
国は、この情報が出たときの対応について、静岡県や高知県、それに中部経済界を「モデル地区」に指定して検討を進めているほか、今月末までに検討会を立ち上げて本格的な議論を始める方針です。
しかし、情報の運用開始から4か月余りがたった今も、住民や自治体などの対応についてはまだ明確になっておらず、専門家や自治体からは、国に対し、早急に方針を決めるよう求める声が出ています。』

新情報の生かし方 住民が考え始める動きも
『10日に京都大学が開いたワークショップでは、南海トラフの巨大地震で強い揺れや津波に見舞われる近畿地方の自主防災組織などで活動している住民ら30人が参加しました。
参加者は5つのグループに分かれ、気象庁が「臨時」の情報を発表した際に自分たちがどう行動するべきかなどについて話し合いました。
議論の中では、まず、この情報は本当に地震が起きるのかわからず「不確実性が高い」として、「『ふだんより巨大地震発生の可能性が高まっていると評価された』という内容はあいまいで、地区の住民に避難を呼びかけていいのか分からない」などといった意見が出ていました。
さらに、国や自治体の対応方針がまだあまり決まっていないことについては、「避難所の開設など自治体によって防災対応に差が出てくるのではないか」といった不安の声が聞かれました。
そのうえで、今の時点で自分たちにできることについて議論し、「高齢者や障害者など早めの避難が必要な人がいたら手伝う」とか、「備蓄倉庫の食料や機材をすぐに取り出せるよう準備しておく」などといった意見が出ていました。
参加者の1人で、神戸市の高校で防災教育を担当している63歳の男性教諭は「大きな地震が起きるかもしれない状態の中、生徒を家に帰していいのかなどとても悩ましい問題だ。出された情報の範囲の中でどういう防災行動をとるか、これから学校でも教師と生徒が一緒になって考えるようにしたい」と述べ、学校や家庭で防災対応を考えることが重要だと話していました。
ワークショップを企画した京都大学の清水美香特定准教授は「南海トラフの臨時情報のように不確実な情報が出た際にどう行動するかについては正解はなく、人それぞれ違うと思う。自分はどうするべきなのか日頃から考えておくことが大事で、防災訓練のようにみんなが一緒になって取り組む場を作っていってほしい」と話していました。』


◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。本文中の太字は管理人】
これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。

どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」管理人注)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』