11日、気象庁から、今月の『 南海トラフ地震に関連する情報(定例) 』(上記表中の下段参照)が発表されました。
これは、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況について、評価検討会、判定会(*)で定期的に評価した調査結果を取りまとめたものです。
それによると、先月に引き続き、「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時(注)と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません。」
とのことです。
具体的には、最近の南海トラフ周辺の地震・地殻活動について、次のように説明されています。(※抜粋。太字は管理人)
1.地震の観測状況
11月2日に紀伊水道の深さ44kmを震源とするM5.4の地震が発生しました。この地震は、発震機構が東北東・西南西方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、フィリピン海プレート内で発生しました。
プレート境界付近を震源とする主な深部低周波地震(微動)を以下の領域で観測しました。
(1) 四国東部から中部:10月30日から11月9日まで
(2) 紀伊半島西部:11月3日から11月6日まで
2.地殻変動の観測状況
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。また、周辺の傾斜データにもわずかな変化が見られました。また、上記(1)の期間に同地域及びその周辺のGNSSのデータでも、わずかな地殻変動を観測しています。
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
GNSS観測によると、2018年春頃から、九州北部でこれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。
2018年9月までのGNSS-音響測距観測によると、2017年末頃から、紀伊水道沖の海底でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。
3.地殻活動の評価
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)と、ひずみ、傾斜、GNSSのデータに見られる変化は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
GNSS観測で観測されている2018年春頃からの九州北部の地殻変動は、日向灘北部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
GNSS-音響測距観測で観測されている2017年末頃からの紀伊水道沖の地殻変動は、紀伊水道沖のプレート境界浅部におけるゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。
(注)南海トラフ沿いの大規模地震(M8~M9クラス)は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が70~80%であり、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から既に70年以上が経過していることから切迫性の高い状態です。
11月2日に紀伊水道の深さ44kmを震源とするM5.4の地震が発生しました。この地震は、発震機構が東北東・西南西方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、フィリピン海プレート内で発生しました。
プレート境界付近を震源とする主な深部低周波地震(微動)を以下の領域で観測しました。
(1) 四国東部から中部:10月30日から11月9日まで
(2) 紀伊半島西部:11月3日から11月6日まで
2.地殻変動の観測状況
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置されている複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測しました。また、周辺の傾斜データにもわずかな変化が見られました。また、上記(1)の期間に同地域及びその周辺のGNSSのデータでも、わずかな地殻変動を観測しています。
GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しています。
GNSS観測によると、2018年春頃から、九州北部でこれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。
2018年9月までのGNSS-音響測距観測によると、2017年末頃から、紀伊水道沖の海底でそれまでの傾向とは異なる地殻変動を観測しています。
3.地殻活動の評価
上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)と、ひずみ、傾斜、GNSSのデータに見られる変化は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
GNSS観測で観測されている2018年春頃からの九州北部の地殻変動は、日向灘北部のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
GNSS-音響測距観測で観測されている2017年末頃からの紀伊水道沖の地殻変動は、紀伊水道沖のプレート境界浅部におけるゆっくりすべりに起因するものと推定しています。
上記観測結果を総合的に判断すると、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは今のところ得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていないと考えられます。
(注)南海トラフ沿いの大規模地震(M8~M9クラス)は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が70~80%であり、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から既に70年以上が経過していることから切迫性の高い状態です。
この発表の内容について詳しくお知りになりたい方は、
気象庁HP 平成30年12月7日評価検討会・判定会(定例)「南海トラフ地震に関連する情報(定例)について -最近の南海トラフ周辺の地殻活動-」 、
および同ページ掲載のPDF文書をご覧ください。
(*) 評価検討会、判定会
第14回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第392回地震防災対策強化地域判定会。
気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報(「南海トラフ地震に関連する情報(臨時・定例)」)の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。
第14回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第392回地震防災対策強化地域判定会。
気象庁は2017年11月1日から、東海地震の情報の発表を取りやめ、東海地域を含む南海トラフ全域を対象に巨大地震の可能性を評価する新たな情報(「南海トラフ地震に関連する情報(臨時・定例)」)の発表を始めました。これを受けて新設された「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」は、東海地域を対象とした従来の「地震防災対策強化地域判定会」と一体となって同時開催されることになりました。
評価検討会および判定会は同じ委員で構成されています。
【関連報道】
◯ NHK - 南海トラフ地震 臨時情報への対応 報告書まとまる (12/11) 【※抜粋。太字は管理人】
『「南海トラフで巨大地震が発生する可能性が高まった」という臨時の情報が出た場合の対応について、中央防災会議の作業部会が報告書をまとめました。地震のケースによっては、津波からの避難が間に合わない地域のすべての住民があらかじめ避難するとしています。』
『報告書では、南海トラフで想定される震源域の半分程度が先行してずれ動いて「マグニチュード8クラス」の地震が発生し、残りの震源域で巨大地震が懸念される場合の避難の考え方が示されました。
最初の地震で大きな被害が及んでいない地域でも、次の地震に備えて津波からの避難が明らかに間に合わない地域のすべての住民のほか、避難が間に合わない可能性がある地域で避難に時間がかかる高齢者などはあらかじめ避難するとしています。
そのうえで、避難の期間は「1週間程度を基本」としています。
このほか、震源域やその周辺でマグニチュード7クラスの地震が発生したケースでは、その後の巨大地震に備えるための避難までは求めず、日頃からの備えを再確認したうえで、必要に応じて自主的に避難するとしています。』
『報告書では、臨時の情報が発表されるケースを3つに分けて、それぞれの防災対応を示しています。
ケース1 「M8クラス」
まず、南海トラフのプレートの境目で、震源域の半分程度が先行してずれ動いて「マグニチュード8クラス」の地震が発生し、残りの震源域で巨大地震が懸念されるケースです。
最初の地震で大きな被害が及んでいない地域でも、次の地震に備えて津波からの避難が明らかに間に合わない地域のすべての住民のほか、間に合わない可能性がある地域の高齢者などはあらかじめ避難するとしています。
その期間は「1週間程度を基本」としています。
ケース2 「M7クラス」
次に、震源域やその周辺でマグニチュード7クラスの地震が発生したケースです。
その後の巨大地震に備えるための避難までは求めず、避難場所の確認や家具の固定など日頃からの備えを再確認したうえで、必要に応じて自主的に避難するとしています。
ケース3 「ゆっくりすべり」
そして、プレートの境目がゆっくりとずれ動く「ゆっくりすべり」が通常とは異なる場所などで観測されたケースです。
この場合は地震に対する日頃からの備えを確認するとしています。』
◯ 静岡新聞 - 南海トラフ地震「特段変化なし」 気象庁評価検討会 (09/08) 【※抜粋。太字は管理人】
『紀伊水道沖で2017年末ごろから観測されている海底地殻変動について「プレート境界浅部におけるゆっくりすべりによる可能性がある」と評価した。平田会長は「プレートが強く固着している深いところまで動きが拡大すれば注意が必要だが、現時点ではただちに大地震発生の可能性が高まったとは考えていない」と説明した。』
◯ NHK - あなたならどうする?もし南海トラフ巨大地震の新情報が出たら… (05/15) 【※抜粋。太字は管理人】
『南海トラフ巨大地震。その「発生の可能性がふだんより高まった場合」、去年11月から気象庁が発表することになったのが「南海トラフ地震に関連する情報」(臨時※)です。しかし、この情報をめぐっては、国が情報が出た場合の対応指針を明確に示していないことなどから、運用開始当初から「情報が出た場合、どうすればいいの?」という課題が指摘され、自治体や住民からは、戸惑いの声も上がっていました。一方、運用開始から半年がすぎ、大きな被害が想定される地域では、独自に対応を考える動きも出てきています。今後30年以内の発生確率が「70%から80%」と切迫する中、いつ発表されるかわからないこの情報。取材を通して感じたのは、そろそろ、国の指針が出るのを待っているだけではだめなのではないかということです。「もしも情報が出たら、あなたならどうしますか?」』(※管理人補足)
◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。小見出しを除く太字は管理人】
『南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。
◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。小見出しを除く太字は管理人】
『これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。
どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」※)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』(※管理人補足)
◯ NHK - 南海トラフ地震 臨時情報への対応 報告書まとまる (12/11) 【※抜粋。太字は管理人】
『「南海トラフで巨大地震が発生する可能性が高まった」という臨時の情報が出た場合の対応について、中央防災会議の作業部会が報告書をまとめました。地震のケースによっては、津波からの避難が間に合わない地域のすべての住民があらかじめ避難するとしています。』
『報告書では、南海トラフで想定される震源域の半分程度が先行してずれ動いて「マグニチュード8クラス」の地震が発生し、残りの震源域で巨大地震が懸念される場合の避難の考え方が示されました。
最初の地震で大きな被害が及んでいない地域でも、次の地震に備えて津波からの避難が明らかに間に合わない地域のすべての住民のほか、避難が間に合わない可能性がある地域で避難に時間がかかる高齢者などはあらかじめ避難するとしています。
そのうえで、避難の期間は「1週間程度を基本」としています。
このほか、震源域やその周辺でマグニチュード7クラスの地震が発生したケースでは、その後の巨大地震に備えるための避難までは求めず、日頃からの備えを再確認したうえで、必要に応じて自主的に避難するとしています。』
『報告書では、臨時の情報が発表されるケースを3つに分けて、それぞれの防災対応を示しています。
ケース1 「M8クラス」
まず、南海トラフのプレートの境目で、震源域の半分程度が先行してずれ動いて「マグニチュード8クラス」の地震が発生し、残りの震源域で巨大地震が懸念されるケースです。
最初の地震で大きな被害が及んでいない地域でも、次の地震に備えて津波からの避難が明らかに間に合わない地域のすべての住民のほか、間に合わない可能性がある地域の高齢者などはあらかじめ避難するとしています。
その期間は「1週間程度を基本」としています。
ケース2 「M7クラス」
次に、震源域やその周辺でマグニチュード7クラスの地震が発生したケースです。
その後の巨大地震に備えるための避難までは求めず、避難場所の確認や家具の固定など日頃からの備えを再確認したうえで、必要に応じて自主的に避難するとしています。
ケース3 「ゆっくりすべり」
そして、プレートの境目がゆっくりとずれ動く「ゆっくりすべり」が通常とは異なる場所などで観測されたケースです。
この場合は地震に対する日頃からの備えを確認するとしています。』
◯ 静岡新聞 - 南海トラフ地震「特段変化なし」 気象庁評価検討会 (09/08) 【※抜粋。太字は管理人】
『紀伊水道沖で2017年末ごろから観測されている海底地殻変動について「プレート境界浅部におけるゆっくりすべりによる可能性がある」と評価した。平田会長は「プレートが強く固着している深いところまで動きが拡大すれば注意が必要だが、現時点ではただちに大地震発生の可能性が高まったとは考えていない」と説明した。』
◯ NHK - あなたならどうする?もし南海トラフ巨大地震の新情報が出たら… (05/15) 【※抜粋。太字は管理人】
『南海トラフ巨大地震。その「発生の可能性がふだんより高まった場合」、去年11月から気象庁が発表することになったのが「南海トラフ地震に関連する情報」(臨時※)です。しかし、この情報をめぐっては、国が情報が出た場合の対応指針を明確に示していないことなどから、運用開始当初から「情報が出た場合、どうすればいいの?」という課題が指摘され、自治体や住民からは、戸惑いの声も上がっていました。一方、運用開始から半年がすぎ、大きな被害が想定される地域では、独自に対応を考える動きも出てきています。今後30年以内の発生確率が「70%から80%」と切迫する中、いつ発表されるかわからないこの情報。取材を通して感じたのは、そろそろ、国の指針が出るのを待っているだけではだめなのではないかということです。「もしも情報が出たら、あなたならどうしますか?」』(※管理人補足)
◯ NHK - 南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず (03/11) 【※抜粋。小見出しを除く太字は管理人】
『南海トラフ巨大地震の新情報 8割超が内容知らず
去年、国が運用を始めた南海トラフ巨大地震発生の可能性を評価する新たな情報について、専門家が行ったアンケートの結果、8割を超える人が、この情報そのものや内容を知らないことがわかりました。専門家は「南海トラフ巨大地震は東日本大震災を上回る被害となるおそれがあり、情報の周知を急ぐべきだ」と指摘しています。
◯ NHK - 地震は予知できない?防災対策なぜ大転換 (2017/10/10) 【※抜粋。小見出しを除く太字は管理人】
『これからどうなる?
気象庁は、11月1日から、新たに「南海トラフ地震に関連する情報」を発表します。新たな情報が発表される対象は、これまでの東海地域だけでなく、東海から九州にかけての「南海トラフ全体」に広がりました。
情報には「臨時」と「定例」の2つがあり、このうち「臨時」の情報は、南海トラフ沿いで、異常な現象が観測され、巨大地震と関連するかどうか調査を開始した場合などに発表されます。
具体的にどのような場合に発表するか、今後、気象庁が検討しますが、予知との決定的な違いは「いつごろ、どこで、どのくらい大きな地震が起きるか」と絞り込んだ情報ではなく、「いつもに比べて大きな地震が起きる可能性が高まっている」として、あくまでも可能性の高まりを伝えるという点です。
このため「臨時」の情報が出た場合、今のところ▽関係省庁は情報収集をするための警戒態勢をとり、▽内閣府は、避難場所や避難経路、家庭での備蓄などを改めて確認するよう国民に呼びかけるということです。
一方、現時点で国は、予知を前提としてきた「大震法」を廃止するのか、形を変えて残すのかについては結論は出ていません。国の検討会の委員からは、「一斉に避難を開始する大震法に基づく『警戒宣言』のような仕組みは必要だ」という指摘も出ていて、国は引き続き検討する考えを示しています。
どう備える?
では、新たな情報が出た場合、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか?
現時点で国は、各自治体や住民がどう対応し行動すべきかまでは、方針を示していません。
ただ専門家は、この情報(「臨時」※)が出た場合、ふだんに比べて巨大地震の起こる確率が高くなっているのは間違いないため、その後、実際に起きても大丈夫なように、▽避難場所や避難経路はどこか ▽食糧や水など備蓄が最低でも3日分あるか ▽家族との連絡手段や集合場所をどうするかなどを改めて確認することが重要だと指摘しています。
また、こうした情報が出ないまま、巨大地震が起きることも十分ありうるので、ふだんから住宅の耐震化や家具の固定などの備えを進めておくことが重要です。』(※管理人補足)