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【ネタバレ注意】comico『第3艦橋より』、元老院の謎を考える。【追記した】

2015-05-01 13:53:37 | 漫画いろいろ

毎度おなじみ、comico木曜連載、城谷間間さんの『第3艦橋より』



いや、だからマジで面白いんだって。
騙されたと思って読んでみろください。



で、本エントリー、最新76話に関して激しくネタバレします。
未読の方はご注意ください。






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「第3艦橋より」の読み応えポイント5つ
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「第3艦橋より」のストーリーが肉厚すぎて、考え始めたら眠れそうにない問題←激しくネタバレしてます。





先日、4月30日公開の最新話がなかなか衝撃でした。
(最新話近辺までのあらすじはこちら→「第3艦橋より」のあらすじ、65話くらいまで

第76話「HUMANITY IS THE DEVIL」



64話で居住区のPTS通信をチコリィに預けたマリーゴールド艦長は、元老院のPTSを乗っ取るべく、それぞれの記憶に侵入していきます。


(62話)

元老院をPTSから切り離す、そのために必要なものが『侵入コード』です。
その侵入コードの情報を得るべく、元老院の魂を観測(記憶を覗き見)マリーゴールド艦長ですが……


スッチ『ポピー・アジェナを愛す』


オリス『スッチ先生を守れる男になりたい』


ナミ『イザキへの贖罪とスイへの罪悪から解放されたい』


イザキ『僕はナミの目になりたかった』


スイ『この愛の答えを知りたい』

記憶に侵入する中で
スッチさん、オリス、ナミ、イザキ、スイの5人の侵入コードは明らかになりました。
スッチさんをはじめ、それぞれの侵入コードの理由が丁寧に描かれます。

順番からして次はリンの侵入コードが明らかになるのか、と思いきや。

前回、75話『嘘』で、リンは格納の直前オリスにあることを打ち明けました。


タイトルからして、
「ヨベルに逢いたいための嘘」
「想像妊娠?」

あたりが妥当でしょうか。
そもそもテヤ人は外宇宙では妊娠はできないはずです。
だからこの発言が嘘だとはわかりやすいんですが。
(ぶっちゃけ「もしかしてオリスの言葉が『嘘』?」とにらんでました)

ところがどっこい、76話。
嘘をついて時間を稼ごうとするリンのところに、半年ぶりのヨベルがやってきました。
わずかな時間でリンとヨベルは2人きりになり、お互いの思いを打ち明けるのですが、

「だったら一緒に死んで…ヨベル」
とリンはヨベルの胸部にナイフを突き立てます。
そのあとにこう続けました。
「私との子供を残せないなら、こんな世界要らないでしょ…?」


もちろんこの記憶を観ているマリーゴールド、スッチ、オリス、スイ、ナミ、イザキは、「??」状態。
(6人は魂の間にいます)
「これは一体なんだ!あの男が死んだぞ!こんな記憶はありえない!」とマリーゴールド艦長。

そりゃありえないですよね。
ヨベルは生きてるんですもん。
ここでリンに殺されてたら、じゃああのヨベルなんなの、ってなるのは当然です。

そんな一同のところに突如やってきたのが、まさかのリン。



「かわいそうなマリーゴールド。今お前がみた私の記憶は偽物…。
 いつから別の世界線を観測させられていたと思う?
 ねぇ…マリーゴールド」

「お前のような下等生物に、ヨベルの記憶には触れさせない。ヨベルは私が守る」

「大嫌いなのよ。この糞ガキ…」


リンの記憶は、パラレルワールド(時間稼ぎの為に用意していた)のもの。
艦長が観測していたのはその別世界のほうのもの(現実のリンの記憶ではない)だった、という感じですか。

この展開を予想してた人いたら正直に手をあげろください。





とまあ、65話以降の話がこんな感じです。

他にもスマロが復活してことみのピンチを助け、ニボシの魂を宿していることが発覚したり。
治療中だったポピー君が目覚めて、スッチさんが産む予定だった子の魂を宿していることが発覚したり。

まあいろいろあったんで、本編読んでください。

前回、盛大なネタバレ伏線回収(→「第3艦橋より」のストーリーが肉厚すぎて、考え始めたら眠れそうにない問題)であまり触れていなかったのですが。
ストーリーの鍵を握る『元老院』という存在。

実は結構序盤でもう出てるんですが、本格的に物語上の布石となってくるのが…

・30話『Senate』
  (スッチさんが元老院の1人だと発覚する)
・37話『Preface』
  (スッチさんがポピー君にテヤ人の歴史を話している)
・55話~59話『彼女の想いでⅠ~Ⅳ』
  (スッチさんの過去編。ほかの元老院6人の名前が明らかになる。)
・63話『Eli lema sabacthani/A』
  (元老院が艦長を攻撃、ことみが招聘される)
・73話『優しい男』~
  (マリーゴールド艦長が魂の観測を試みている)

こんなあたりでしょうか。


元老院は、かつてテヤ人が絶滅したときの生き残りの7人。
ウルヴァ(スッチさんの旦那)によって作られた血清を投与された、スッチさんと新生児6人でした。
妊娠できない、つまり子孫を残すことができないことが発覚した彼らは、スッチと衝突しながらも、自分自身たちは魂として生き残り、複製体の研究にとりかかります。
その複製体が後のQWERTY人ですが、思考制御がないと暴走してしまうため強力な思考制御素子が施行されています。
また元老院そのものへの反逆がないように、PTS通信網というシステムで意識管理がなされています。

っていうのが元老院なんですが、ちょっとここでマリーゴールド艦長と元老院の点に着目してみましょう。

17話『Blame』より


地球観測に際して意見を述べたマリーゴールドに対し、「我らに仇なす子どもの考え捨て置け」(誰が言ったのかは不明)。
(その後マリーゴールドは更迭され、権限剥奪ののち、幼児退行を起こしてしまいます)

63話『Eli lema sabacthani/A』より



「忌々しい名前だ…僕は本当にあいつが嫌いだよ。創造主(おや)への感謝がない傲慢なネズミだ」


元老院、特にヨベルがマリーゴールドに対して言及するときに「親」や「子」という表現を使っているのが、気になる。
(リンは「クソガキ」だったけど)




というのも髪色の件があるためですね。
55話で登場するウルヴァ・アジェナの髪色は水色。


で、前述のとおりポピー君に宿った魂はウルヴァとスッチの子どもの魂。


あと、74話でスイの侵入コードが明らかになったとき、スイ&ナミの関係性と艦長&マリナの関係性、チコリィ&セリの関係性なども注目されました。
スイ、マリナ、セリ、それからオリスもですが、髪色は白色です。

髪色と「魂の遺伝」、何か関係があるんじゃないの。



となれば、リンやヨベルが金髪で、マリーゴールド艦長もまた金髪という点を鑑みると。
「マリーゴールド艦長はリンとヨベルの子ども?」

いやいやいや、だって妊娠できないはず…はずだけど……

もしかして: 試験管 ?




ここで思い出されるのが26話。
マリナの回想シーンですが、母体樹の前で艦長が「お母さん…」と涙している場面。


母体樹ってこれ。


そしてこれも1点。69話『未来・過去・今Ⅰ』より。

「私がヨベルの子ども、たくさん産んであげるから」(リン)


ここからはもう完全に仮説なのですが…

リンがヨベルとの子どもを欲するあまりに、体外受精などを試みても何ら不思議ではないはずです。
(技術レベルはわからないけど、遺伝子情報だけで受精くらいできそうだな)
そして作り上げたのが母体樹。
このシステムなら「たくさん」ヨベルとリンの遺伝情報を持った子どもが作れます。
その母体樹から生まれたのが艦長であるマリーゴールド。
リンやヨベルにとっては子どものようなものかもしれません。


いやしかしチコリイはどうなる。
妊娠できないってのをどう理解するかが問題のような気もする。





ところで。

いつパラレルワールド入ったの?

どこからが『嘘』なのか、ということですよね。

艦長は73話から元老院の記憶を観測し始めて、事前に明らかになっていたスッチとオリスを除く、イザキ、ナミ、スイの侵入コードを明らかにします。
そして75話。
ファンも期待の「リンの侵入コードは?!」ってなったときのタイトルが『嘘』であると。
さらに76話、「今お前がみた私の記憶は偽物」とラスボス感満載でリンが降臨してくると。

【どこから別の世界線になったのか問題】
・リンが格納される直前、オリスと話しているところ
・「妊娠した」と打ち明けているところ
・ヨベルが現れたてキャッキャウフフしてるところ
・リンが一気にヤンデレるところ
・ていうかもうイザキ、ナミ、スイの侵入コードのあたりから全部。


何が意外だったかって、オリスまでも騙したってことです。
魂の格納に関してはスッチさんの件もあったので、オリスにとっては良くも悪くも色濃い記憶のはず。
もしも「妊娠報告が嘘だったら」、オリスはそこで「違くね?」ってわかりますよね。
けれど、オリスもスッチもこのことはわからないと話している。
とすれば、リンが嘘の世界を見せ始めたのは、ヨベルと2人きりになって以降、ということになるわけです。

しかしリンにそんなことが可能なんでしょうか。


70話、少年時代の元老院たち。
艦橋区探索にいったヨベル、オリス、イザキでしたが、「あの漂流物(神の目)」のところでヨベルが目に食われてしまいました。
1週間後に無事戻ってきたヨベルでしたが、その様子はどうもおかしい。
「今にして思えば…それは私の知っているヨベルではなかったのかもしれない」とオリスも述べています。
リンはといえば、帰らないヨベルをクマ作ってまで待っていた様子がうかがえます。

で、73話。
複製体に対して殺戮を繰り返すリンが描かれています。
「なんで愛もないのに生まれてくるの」と。

肝心の75話。
いよいよリンが格納されるときになり、ヨベルに逢いたいと漏らすリン。
ヨベルは半年ほどオリスやリンのところを離れていたとのこと。

またここから完全に仮説ですけど。
リンがヨベルの異変を察知していても不思議ではないし、行方不明になったヨベルを探しに神の目のところへ行っていても何ら不思議ではない。

神の目はそもそも観測者。
元々は外宇宙からテヤ人の魂の多くを観測していたものです。
リンが何らかの形で神の目と関わったとすれば、その観測者たる能力を得ている可能性もあるかもしれません。


それにしてもどうなるんだ。




うーん、まだどこかにヒントがありそうな気はするんですが。
ちょっとうまくまとまらなかったんですが、もう来週まで待つしかないのでここらへんにしておきます。

ほんとに考えさせられる作品です。
読解力が求められている気がするんだよね。
その手の作品が好きな人にはほんっとにオススメしたい。

だからね、ほら読んでみろください。





5月1日追記。瞳の赤青について。

リン、記憶の中にいるときと、魂の間にやってきたときに大きな違いがありました。





どちらも76話より。
可愛さとかヤンデレ具合とかそういうことではなく、瞳の色が青から赤に変わってます。

この瞳の色の変化は、ヨベルにもありました。





これは70話。

わかりやすいのが71話。


やはり赤く変化してます。
眼の色というより瞳孔の色ですね。

ヨベルの変化前と変化後になにがあったかというと、「漂流物に食われた」です。
あの中で何かがあったことは確実なんでしょうが、ヨベルと同様の変化をリンがしているのをみるとやはりリンも漂流物に何らかの形で触れたのかもしれません。

で、「青い瞳」の人物を探してみました。
前述のヨベルとリンの変化前以外、あとスマロの片目以外だと、この人しか見つかりませんでした。



スッチさん。
(見落としてたらコッソリ教えてください)

ついでに「赤い瞳の人物」も。





艦長もポピー君も赤色です。
他にもマリナとかチコリィとかいるんですが、少なくとも青ではありません。

もっと言えば、この人?たちも赤色の瞳でした。


元老院が作った複製体の初期バージョン。


リン格納前の複製体。


こぴみ(ことみの複製体)

この赤色がどこから来てるのかといえば、やはりコレなのかな。


ウルヴァの手記にありましたが、眼がレンズ状という点がどこか象徴的のようにも思えます。


はたして眼の色の赤青の違いは、一体何を表すんでしょうか。








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