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【ジャズ喫茶編】えぐいよ!!べっぴんさん【さくら強く生きろ】

2017-02-12 16:12:16 | 朝ドラ
2016年後期BK朝ドラ『べっぴんさん』の第15週から19週、ジャズ喫茶編を一気に。


芳根京子のポテンシャル、ハンパない件。



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●15週の話をちょこっと。



小山からの一報、皇室御用達への道から始まった昭和34年。

「大変なご用命をいただいた! 今度お生まれになる皇太子ご夫妻のお子様です!」


紀夫もわーーー!!!

昭和35年当時の「皇太子御夫妻」というと、もちろん今の天皇陛下と美智子妃殿下のこと。
キアリスのモデル・ファミリアが皇室御用達に認定されたのは有名な話ですが、いやまあ……


これドラマでやるのは難しいよね……

見てみたいけど……

ぶっちゃけ難しいよね……

だってさ、画がどうしようもないでしょう。

映像の世紀スタイルで当時の御成婚のときのお写真を使うことも出来なくないだろうけど。
これ、ドキュメンタリーじゃなくてドラマですからねえ



天皇が登場するドラマといえば。
記憶に新しいところだと、2015年の『天皇の料理番』。
昭和天皇はラストにシルエットだけの登場でした。
(噂だと梶原善がシルエット役をやったとか)

映画ならちょくちょくありますね。
『日本のいちばん長い日』の本木雅弘の昭和天皇もよく覚えてます。
ものすっごいプレッシャーだったとか。



あとは2012年の『終戦のエンペラー』、2005年の『太陽』などがありますが。
これどちらも分類的には外国映画だもんなあ。


朝ドラであるんですかね。
登場人物として皇室が出てくる作品。
玉音放送なんかはありますが、「放送当時に存命の皇室」って話になるとちょっとわからんですね。


楽しみにしていた部分でもあったので、残念っちゃ残念ですけど。
でも落ち着いて考えたら、この皇室御用達のくだり、「エピソードちょびっと出しただけでもとりあえずよく頑張った!」なのかもしれません。




●えっぐいぞお……


そんな感じで始まったさくら反抗期編。


これがまたえぐいったらもう。

脚本の渡辺千穂さん、やりましたな、と。

もちろん賛否両論はあると思いますが、私個人的には「面白い!」と思います。
正しくは「えぐい」。



だってエグイでしょう。

戦後の混乱期を乗り越えてキアリスを創業。
皇室御用達の一流メーカーになるまで育て上げた主人公・坂東すみれ。
いわば一流人。

そのすみれが、娘の気持ちをサッッッッパリわかってない。
母親としてはあかん子なのではないか、と。


14週までにも「すみれ、おいすみれ」ってのはプンプン匂っていました。

仕事に夢中になりすぎて朝帰りしちゃったり。
さくらが成長したことに気付かなかったり。
おぜんざい爆弾で炎上してる場面に灯油をドボドボ注いだり。

 
11週

よくよく考えたらこのへんも布石だったんだなあ。



●さくら、麻田さん泣くぞ。


愛娘・さくらが15歳となるのですが、このさくらがまったくもう……。

さくら、ねえさくら。
視聴者が怒ってるからそろそろ落ち着こうよ。


さくら編をさくら視点でまとめてみると以下のようになります。

15週「さくら」で、

「いい子に育ってくれてよかったなあ」
「(さくらがいるから)安心して家を空けられるよ」

という紀夫とすみれの言葉に戸惑いを隠せない様子。
2人は自分のことをいい子だと言うけれど、そんな自分が嫌だ、と。

でたでた、反抗期。

そこで龍ちゃんに連れられて行ったジャズ喫茶。
出会ったのが、河合二郎(林遣都)と山本五月(久保田紗友)

 

五月に誘われるままにナイトクラブ『青い月』に行っちゃうさくら。
髪を盛って大きなピアスをつけて。
ミニ丈のドレス、ばっちり化粧をして、ヒールの高いパンプス。

これね、女の子なら誰でも通るであろう『おしゃれ』への目覚めですよね。

ましてやさくらの母親は、キアリスのすみれですよ。
キアリスって子供服メーカーですよ。
「いい子」とされてきたさくらが着てきた服ってほとんどキアリスのものだったでしょうし、さくらもそれが当たり前だと思っていた。
そこに疑問を感じたときに出会ったのが、五月だったっていう。





着たことのないミニスカート。
初めてのパンプス。
こんな世界があるなんて知らなかった。
こんな服があるなんて知らなかった。

自分ひとりだったら手は出せないけれど、誰かが一緒なら。
どんな格好をしたっていいじゃない?
みんながしてるんだから。
楽しいんだから。



っていうのを、こうもドラマとして見せられると。
若かりし頃の自分を思い出して頭が痛いったらもう……


ピンクのドレスが似合うのはさすがの15歳、なのですが。

でもさくらぁ、麻田さん泣くぞぉ。




●主人公sage


次の16週「届かぬ心」

夜遊びしていたのがバレたさくら、龍ちゃん、健ちゃんの3人。
「謝ればいいというわけやないでしょう。さくら、嘘までついてあんなところに行くなんて、何を考えているの!」
と聞く耳持たず激おこのすみれ。



このすみれがうざいったらもう。
ヒロインですよ、すみれってヒロインですよ。
ヒロインageならぬヒロインsageっていう。



しかもキアリスのキ、君枝ちゃん。


「健ちゃんは大丈夫よね?」


出た、うちの子だけは大丈夫っていう謎の信頼。
いや健ちゃんみたいなタイプが一番危ないんじゃねえの。

さらにキアリスのリ、良子ちゃん。
連れ出したのは龍ちゃんだったので「ごめんね、うちの龍アホだから」と謝るのですが。

「龍ちゃんは男やけど、さくらは女の子なのよ。ちょっと、甘やかしすぎなんやない?」
とすみれが逆ギレ。

これに頭にきちゃった良子ちゃん。


「行きたいと言ってついて行ったのはさくらちゃんやない」

でたでた。
いくらの仲良し女友達でも、子育てのこと他人にとやかく言われたくない発言小町案件。

やだもう不穏大好き。


しかし大人だったのが明美ちゃん。



フォローしてくれたので、キアリス空中分解は未然に防がれました。
さすがだ明美先輩。



●ビンタ事件


事の発端のさくらの話に戻します。
すみれの仕事はとにかく忙しい、約束をしてもいつも破られる。
そんなすみれが「誕生日の夜は絶対一緒に過ごそう」なんて言うもんだから…

「絶対とか言わんほうがええし、約束もしないほうがええよ、お母さんは。そんなふうに言われてしまうと、こっちは期待してしまうの。もうたくさんやわ!」

さくらしんどいなあ、辛いなあ。

港で二郎に会ったさくら。
「どうして働いているの?」とお嬢様発言ぶちかますんですが…
しょうがない、だって恋だもの。



そう、さくらちゃん恋をしてしまったんです。
相手は高瀬アナ似の二郎ちゃん。

その二郎が「誕生日、お店においで」と言うもんだから、もうハイテンション。
すみれとの約束なんか忘れて、ナイトクラブでヒャッハー。


そりゃそうだ。
16歳、微妙に気まずい母親と過ごすより、気の合う友達と好きな男がいる場所の方が楽しいに決まっとる。


いやいやでもでも、ナイトクラブって、さくらおい。
ハイレベルな夜遊びじゃねえか。

あんたお母さんの仕事、どんなのだかわかってるかね。
皇室御用達のベビー服扱ってんだぞ。
ジャズ喫茶はまだよしとしても、あんまりはしゃぎすぎると……


と思ったらすみれに居場所がバレました。
ババアと化したすみれがナイトクラブにズカズカ乱入。
「何をしてるのよ?!」と激怒して、みんなの前でビンタ。


「忙しい忙しい言うて自分のことしか考えてないくせに」
「自分のことやない。仕事なんやから」
「好きでしてる仕事やろ、自分が。それやったら自分のためやない」
「自立もしてないくせに勝手なことよう言うわ」


このやりとりがリアルすぎて。
震えましたよマジで。


で、この一連のシーンが芳根京子劇場。

この30代を演じている芳根京子さん、撮影当時19歳ですよ。
老けメイクっていうか老け仕草。

「かわいいおばさん」じゃなくて「ババア」だよ。


何度も言いますが、中の人・芳根京子、19歳。

劇中でも言われてますが
「うるせーよババア」
「おばさんが世間知らずなだけでしょ」
とすみれが孤立していきます。

まさかの朝ドラヒロイン孤立っていう。

この後無事にすみれ株が持ち直したからよかったものの。
幼少期から応援してきたヒロインが周りから孤立しちゃう姿ってのは観ててしんどくなっちゃいますね。


何度も言いますが、中の人・芳根京子19歳。
未来が楽しみな役者さんです。




●いっそ清々しい理由なき反抗


17週「明日への旅」18週「守るべきもの」とポジティブな週タイトルが続きますが。

さくら、家出(といってもゆりの家)しながら、理由なき反抗。

ここまで振り切って描くと気持ちいいものがあります。

「思春期の反抗に理由なんてねえんだよ!」
「夢だとか希望だとかみんながみんな持ってるとは思うなよ!」
「周りに流されちゃう、影響受けやすい子だっているんだよ!」
「でもそれなりに毎日必死で生きてるんだよ!」

って感じで。

ゆり姉ちゃんも家出職人だったので、さくらの理解者になってくれるかなと思いきや。
さくら、もうそれどころじゃない。
だって二郎のことが好きで好きでたまらない。

五月が行方不明?
二郎が付き合ってる?
そんなこと関係ねえよ!!
おら東京行く!!
プロ目指す二郎さんと一緒に暮らす!!

それがおらの幸せなんだよ!!
朝ドラのテンプレな幸せ押しつけんじゃねえよ!!!
(そこまで言ってない)

ここまで振り切れるといっそ清々しいなって思いました。




●結果最悪のプロポーズじゃねえか


すみれとさくらの膠着状態。
事態が急転したのが、19週「希望」での五月の妊娠発覚でした。

すみれにとっちゃいくら小生意気な小娘でも、お腹の中に子どもがいるとなれば状況が別。
さくらからしてみれば二郎を略奪したくてしかたない恋敵でも、お腹の中に子どもがいるとなれば状況が別。

そう、これお母さんと赤ちゃんの幸せを願ったドラマでした。

坂東家で五月を預かり、母子の安全を確保。
キアリスで雇用をし、経済的にも安心。


「二郎ちゃんに会いたい」

そんな五月を知らない二郎。
東京へ向かおうとする二郎。

そこに飛び込んできたのが、二郎の弟くんでした。
「大変だ、アル中お父ちゃんが逃げた。母ちゃんやばい。兄弟もやばい」
二郎からしてみれば青天の霹靂。
東京行きどうなるの。
俺やっとつかんだチャンスなのに

さらにそこに乱入のさくら。


「運命に立ち向かえよ!」

お 前 が 言 う な。

で結局二郎は五月に会いに行きました。


「五月愛してる」
「二郎愛してる」
「結婚しよう」
「そうしよう」


エンダ-------------イヤアアア------------




っていうのが、19週の金曜日の流れだったんですけど。
これ何かおかしいですよね。

だって二郎の家族の話、何もプロポーズ直前にねじこんでこなくても。
これじゃ二郎が現実から逃げるために五月にすがったみたい。


個人的な感想ですが。

…………これ、わざとですよね?(ゲスい顔)

さくらがおま言う案件を声高に叫んだのも、
視聴者が「お前が言うんじゃねえよ」って突っ込ませるのを見越した上でしょう。

さくらは一瞬で冷めたんだろうな。
このくらいのお年頃の恋って、惚れるときはとにかく早いけど、その分冷めたらもう「なにこのkuzu」だもんね。


さらに二郎のプロポーズ。

「アル中の父が出ていって母もやつれてて弟たちを養わなきゃいけないし、
プロドラマーになる夢も捨てきれてないし、
ていうか淋しくてもうしんどいだけなんだけど、

でも五月結婚しよう」


「坂東家やキアリスの皆さん優しいし、
喜代さん明美さん頼りになるし、
ていうか二郎ちゃんと結婚するより頼りになる女性に囲まれて子育てしたほうがシングルマザーでもベターな選択だとは思うけど、

でも二郎ちゃん結婚しよう」

前後のシーンを組み合わせると、こうなるわけです。


「二郎と五月は一件落着ゴールイン、
おまえら幸せになれよー、
もっと幸せになれたルートあるかもしれないけどね
っていう。



幸せな感動のプロポーズ、と見せかけて触ってみたら棘がささる脚本。
さすが『ファーストクラス』『泣かないと決めた日』の渡辺脚本。

前半でもちょくちょく出てきていた「私の中の明美」「私の中の良子」「私の中の紀夫」。
それが今になって「私の中のさくら」そして「私の中のすみれ」で浮き彫りにされる。

賛否両論はあれど、なかなか興味深い脚本です。








●青春は続くよどこまでも


えぐいえぐいとは言いつつも。



ものつくりシーンあったり。


婦人服は華やかだったり。


手芸作品登場したり。


すみれと喜代さん、五月がチクチク針仕事していたり。



メリヤス工場の優しい雰囲気も。
橋詰じいさんの笑顔には涙が出そうでした。

五十八パパンの臨終の演出もぐっときましたね。

 

絵本から飛び出してきたような幻想的な臨終。
第1週に、はなさんが言ってた
「旅立つ者は知っているのです。これからは大切な人たちを見守っていけることを」
って語りが今になってじんわりきます。







●余談ですけど。


すずさんの話や栄輔のくだりをだいぶ端折ってしまいました。
文字数足りん。
やはり朝ドラは定期的に振り返っていかないと膨大な量になってしまいますね。



グーグル先生のサジェストがだいぶえらいことになっておりますが。



出産、子育て、思春期、老後。
戦争や起業という前半の話から離れて、現実社会に即したテーマを扱っていたジャズ喫茶編。
賛否両論わかれるのは当然だと思います。

個人的には毎日楽しんで観ています。

もちろん間延び感は否めません。
でもそれ以外は特にない。

その間延びがだめだと言われてしまったら元も子もないんだけど、
作劇の禁じ手をやらかしたわけでもない。

演出の様々な工夫も伝わってくるので、今後の大阪万博期編も楽しみにしていようと思います。








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