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『ゲゲゲの女房』2015総集編、その4。変わったもの、変わらないもの、見えないけどそこにいるもの。

2015-12-15 16:54:08 | 朝ドラ

水木しげる先生追悼特番。
2010年度上半期朝ドラ『ゲゲゲの女房』の総集編、第3回の感想です。


  

本編を見ていないながらも、本筋のストーリーを楽しむ(そして涙する)ことができた、見事なドラマでした。
ああ、いいドラマを観た。





ゲゲゲ感想記事のまとめ。

『ゲゲゲの女房』2015総集編、その3。村木一家の身に足りた温かい暮らしに涙する。

『ゲゲゲの女房』2015総集編、その2。クリエイターもしくは高等遊民の部屋を無許可で片付けてはいけない。

『ゲゲゲの女房』2015総集編、その1。 祖母の話を聞いているような懐かしい温かさ。

「あさが来た」「あまちゃん」他はこちら。
朝ドラ感想記事のまとめ。



■水木プロの豪華すぎるアシスタントたち



熱血漢の倉田は窪田正孝さん。

朝市くんでも重盛でもありません。


カンピョウのような男、菅井は、柄本佑さん。

惣兵衛はんに似てる?
気のせいです。


芸術家肌の小峰さんは斉藤工さん。

昼顔じゃないよ。
ドロドロしないよ。

茂さん役の向井理さんといい、
今2015年に活躍してる(主演張ってる)若手俳優陣が見事にビンゴ。




■アニメ化した悪魔くん


 

 

悪魔くん、よかった。よかった。
みんなよかった。


こういうシーンすごい好きです。



■昭和という時代




改めて後ろ姿で気づく、茂さんの生きてきた昭和。

 

 
「しげさーん!生きて戻れー!」
「茂!死んだらいけんぞ!」


南方戦線で窮地に陥った茂を夢に見るイカル。
見えるはずがない聞こえるはずがないのに叫ぶイカルとイトツの姿。

『村井茂』の原点がこの2人にあるんだなあと。



「みんなが言うんです」
「村井、俺たちのこと描いてくれ」


亡くなった仲間たちの夢を見ると言う茂さん。
仲間たちは見えんけど、おる。


それにしてもこんな形で朝ドラの太平洋戦争が描かれるとは。



■すれちがい


 
「最近働き過ぎじゃないですか?どうか無理はしないでください」
「分かっちょらんなあ」


穏やかにつとめる布美枝さんと険しい顔の茂さんの表情。

そこにさす色がとても対照的。
深刻なシーンなのに美しいなあって。



ぬこの声は永井一郎さんか。
なんだか胸が苦しくなるなあ。


 
「あの人…前はいつも笑っとったなあ」
「あの頃に戻りたい」


「お金はないけど笑ってるよ」と源兵衛さんに言ってた布美枝さんのあとに、これはグッとくる。
本放送だともっとググッとくるんだろえな。



茂さんが布美枝さんからの手紙を引き出しにしまって、それを閉めるまでの間(ま)
これまでの流れを一旦締めるようでグッときた。

総集編でこれなんだから、本放送だともっとくるものがあったんだろうな。



■貧乏は嫌だけれど


 
「いつ貧乏に逆戻りするかわからん」
「だけん私貧乏しててもつらくはなかったです」


最後に笑って去った貧乏神を思い出した。
やっぱり座敷童のような貧乏神だったのかな。



■こういう演出が好きだ




劇が終わるように閉じていくイトツの人生。
全編じっくりみてこの作品のこういう演出を楽しみたいと思った。



■変わったもの




郵便番号が5桁だったころ。
切手代も今より安かったころ。


昭和50年代60年代ってすぐ近くのように感じているけど、
こう改めて『変わったもの』を目にすると時間の流れを感じる。




■妖怪画の第一人者・水木先生




漫画の枠も、国の枠も超えた水木先生の妖怪たち。
水木先生はきっと「世界」の枠も超えて、今頃あの世でサイン会でもしてるのかなとか。

 


「水木先生、これからもよろしくお願いします」
「みんな水木先生と先生の漫画を愛する人たちです」


本放送で聞いてたらしっかり立ち止まらなかったかもしれない言葉だけど、
2015年の今聞くと込み上げてくるものがある。




■娯楽の力


 
「こげな時に絵を描いて笑っとったらいけんかな?」
「ううん。ほら、嬉しそうに見ちょーわ」


源兵衛さんの葬儀でのワンシーン。
笑い、笑顔、娯楽の持つ力を改めて知る。

笑えるってとても幸せなこと。





■横にはいつもお前がいた



「別の人と一緒になっちょったらお父ちゃんどけしてただろう」
「横を見たらいつもお前が立っとったなあ」


彼岸花の階段に座って、ここまで来た道を思う2人が美しくて。



■妖怪・水木しげる


 

 

90年代の鬼太郎を観て育った私、ここで涙腺崩壊。

 

 


「ああ…何だ…みんなおったのか…」


もうドラマなのか現実なのかわからないくらいに泣いた。
あの世で妖怪たちとこうやって会ってるのかなとか。

「まだまだこれから」のとおり、これから『妖怪・水木しげる』になるのかなとか。







なぜこの作品が朝ドラ人気をV字回復させた名作となったのかが、わずかながらも分かった気がします。
季節感が美しい、言葉を大事にしている台詞が美しい、流される涙、ファンタジーな演出……

挙げればキリがないのですが、総集編3回目までを見てふと思ったのが
「時代」かな、と。


時代と共に変わっていくもの。
時代を経ても変わらないもの。

ずっとそこにいるもの。
いるけど見えないもの。



そういうものが、テレビにくぎ付けにさせたのかなと思います。


ありがとうございました。
改めて水木しげる先生のご冥福をお祈りいたします。













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