彫りは深くしっかりとたたきます。
今日はティッシュカバーを作る手順です。すごく手間がかかります。
① トレーシングペーパーに図案を書きます。
② 本革を少し大き目に裁断します。
③ 革を湿らせた上に図案を重ね鉄筆で写し取ります。
④ スエーベルカッタ-でカットを入れ、工具を使って
叩いて立体感を表現します。
⑤ ローパスパチック(染料)で色塗りをします。
乾かしては塗り、乾かしては塗りを繰り返します。
⑥ 色止めをしてニスを塗り渇いたら、余分な部分を切る。
⑦ 重ね合わせる部分の片方をうすく削ります。
⑧ 革用のボンドで貼り合わせて出来上がりです。
下の画像は色塗りの順序と出来上がりです。
色を塗るとせっかくの彫りの良さがぼやけますね。
しっかり強く表現しないと作品が迫力に欠けます。
デザインは形だけ彫りはありません。
始めに作りたい大きさのセカンドバッグを紙で試作
しましょう。各パーツを念入りに寸法や仕立て手順
を頭に入れてから革の裁断に取り掛かります。
今回は模様(カービング)の無いシンプルなバッグで
KEMEEのロゴが入っているだけです。
裏側に使用する皮も寸法を合わせて裁断しておきます。
革の表側の色塗りをします、貼り合わせるマチの部分
約8ミリを薄く削り取ります。
バックの内側の仕切り部分をあらかじめ縫い合わせ、
各パーツに裏皮を貼り付け仕立て作業に入ります。
千枚通しで穴をあけ、クラフト用の針二本と糸で
縫い合わせていきます。最後の仕上げに綿棒を使って
ふちの部分(切り口)を丁寧にはみ出さないように、
トコノール(皮革の仕上げ剤)を塗ります。
チョットしたお出かけ用のシンプルなセカンドバッグでした。
KEMEEは私のブランド名です。
小さな作品でも、裏皮を貼ったり、チャックをつけたり
デザイン次第では凝った物になると、手で縫ったりする
だけでも大変な作業です。型があって機械で裁断して、
ミシンで仕立てるのとは違って、針を通す穴は千枚通し
を使い一穴づつコツンコツン叩いて開けていきます。
でもまぁ、それもこれも手づくりの楽しみのひとつです。
色を塗って乾いたら、各パーツを組み合わせていきます。
チャック部分は一番先に縫い付けておきます。
アイディア次第で色んな物が作れます。参考作品としてご覧下さい。
使い勝手が悪いかもしれませんが、使い込めば何とか成ると
思っています。もっとシンプルで使いやすい小銭入れを作り
ましたが、売れて今、手元には残っていません、工芸と言う
分野も作者が芸術的になったり、趣向を凝らせば日常的な物
から少しかけ離れていくように感じます。使いやすさを考慮
して作品に取り組むべきか、大袈裟だがアーティスト感覚を
どう生かすか?作品センスを求められ悩む所でございます。
クラフト展出品作品!
今から24年前に昆陽寺に行き脚立の上に乗って吽形と阿形の
横顔と納骨堂の中をのぞきながら観音様をスケッチしました。
それを元にトレーシングペーパーにイメージした図案を描き、
草書(くずした)文字は仏教の教えの本から四字熟語を選びました。
横幅が80cmぐらいの大きな作品です。拡大してご覧下さい。
阿と吽左右の仁王を出来るだけ深くカットを入れ迫力が出るようにした。
田舎の実家の玄関を入った右側の壁に飾ってあります。いい色になっていました。
四字熟語は草書の見本を半紙に書いたものをトレースに写して皮に重ね
両面スリム鉄筆を使って力を込め押え付けるようにして表現する。
額縁の模様は仏具展に行ってスケッチしたものから図案を構成した。
観音様は出来るだけ柔和で穏やかで崇高な顔になるようにしました。
作りたいと思った構想から工芸展に出展まで約3カ月要しました。
額縁も牛革です。サイズは37インチぐらいの大きさです。
これからレザークラフトを始めようかなと思っている方は
とりあえず、基本キット革細工用具セットBを揃えましょう。
今はレザークラフトの専門店に出かけなくてもパソコンで
購入できるので便利ですね。
こちら革細工用具 材料セットC の方がいいかも知れません。
初めからいろいろとそろえる必要はありません。後から少しづつ
必要と感じた工具や道具を増やして行った方がいいでしょう。
ちなみにこちらで紹介しているのはレザークラフトセットですが、
たくさんありすぎてどれを選べばいいのか迷いますね…。
レザークラフトのカービング工具類に関してはご自分が
作りたい物に合わせて買い揃えていく方がいいと思います。
美しいデザイン、基本は唐草模様的なレザーカービング(革の彫刻)を施した
オリジナルのバッグや小物類を作ってみませんか?レザークラフトは革の裁断
から装飾、染色、仕立まですべてご自分で楽しめます。
カービングは シェリダンスタイルから スツールマンやケン・グリフィンなどの
クラシックスタイル、動物や風景などを彫るフィギュアカービングまであります。
初級でも楽しめるし、上級者になればなったで奥深い革のアーティストの世界へ
と導かれ、あなたのデザインでレザークラフトを楽しめます。
手始めに、キーホルダー、ペンケース、メガネケース、印鑑ケース、小銭入れなど
の小物を作ってみましょう。模様を書いて革を切って叩いて彫って色を塗って…!。
世森友の楽しい面白いレザークラフト講座
伊丹市梅ノ木5丁目6-17 コミュニティカフェ「青い屋根」