-Number Girl Syndrome-

気ままに気まぐれに書いていきます。居心地は良好、・・・でありたい。

ソコカラ、ナニガ、ミエル?

2007-02-24 21:20:15 | ♡映画♡

私は今、のんきに春休みを過ごしているわけだけど
こんなときしかできない自分の自由な時間に
何をしたいかって言うと
何かこう、・・・感性とかを磨くようなことをしたい。

これがまたうまく言えないんだけどね。


音楽だとか映像作品だとか
まぁ絵画でも何でも


芸術的なものに触れることって大事だなーなんて思う。


そんでもって根っからの映画好きの私は
春休みには時間と予算の許す限り映画を見ようと決めたわけで。



今回は春休み映画フェア第一作目となる

『鉄コン筋クリート』

について書きたいと思います。






とりあえず映画の前に予告編が流れて
数々の秋葉系アニメーション映画が紹介された。
誰もが特に意識するわけでなくそれらの映像を見ると思う。


とりあえずあれらの作品のファンには申し訳ないけど。


あー言った人としての形態が崩れた身体的(顔や体型)描写だったり、
明らかに性的興奮をあおるような衣装
電子的といって良いような甲高い耳障りな声が流れる映画とか作品に

これっぽっちも興味がなく、むしろ好きじゃない。


それが当たり前になってきてるんだから
秋葉系という言葉の奥深くにある
何か“正常”とはいえない世界を
少し怖く思った。


でもまぁアニメーション自体は
完全素人の私が見てもやっぱりかなりの質だなーって思う。
そういうところの才能は本当にすごいと思うんだけどさ。



だけど『鉄コン』が始まったら
そんな秋葉系予告のアニメーションなんか
申し訳ないけど天と地の差。

ありえないくらい画面に引き込まれた、って言うのかな。



大人と子供、ヤクザ、ネコ、
いろんなものが混在する町、宝町で生きる
親のいない、第一級“虞犯”少年の



クロ



シロ



大好きだった自分たちの町を大人たちが侵略し始め
何もかも取り上げ、間違いの多い大人たちから
町を守るため戦う、みたいな話。


日本のアニメーションってどこまでいくんだ?
って思うくらいの細かさ。


町中をクロとシロが飛び回るんだけど
映像を見てると本当に自分が宝町を駆け抜けているような気持ちになる。
そんくらい映像が目に飛び込んできた。


ちょっと目が回る。


映像はもちろん、映画本編の内容もめちゃくちゃよかった。


シロを守ろうとする、割としっかり者だけど
暴力で何かが変わると思っているクロ
 
何考えてるか謎だけど、純粋でかわいくて、
ふとしたときに言う言葉が何か的を得てるシロ。



二人は町を自由自在に飛び回る。


最初はただただ一緒にいた二人。
親がいないからコンクリートに囲まれてひっそりと暮らしている。


寝泊りは車の中。



窃盗をしたりして日々の生計を立てている。



同じ年頃の子はみんな学校に行っていても、クロとシロは外から眺めるだけ。



だけど、宝町改良のプロジェクトが実施されるにあたって
町を自分のものだと宣言し、それを邪魔するものを
容赦なく攻撃する“危険児”であるクロは

宝町改良プロジェクトを実施している主催者の“蛇”によって
暗殺のターゲットとなってしまう。



あんなに平和だった毎日が音を立てて崩れていく。




いつまでもホワホワとしているシロを
守っていく自信がなくなるクロ。


いつまでも子供なシロ。クロにも何を考えているか分からないときがある。



そんな物語は
子供だけじゃなくたくさんの大人が関わっている。



クロとシロを心配する警察の藤村(左)と沢田(右)。





義理と人情とヤクザの“地獄”の街 『宝町』をこよなく愛する
ヤクザの鈴木(通称ネズミ)。
そして鈴木を慕ってヤクザになった木村。





“子供の城建設プロジェクト”を推進する
宝町の外から来た邪悪な人物、蛇。






こんな風にたくさんの人が関わってる物語なんだけど
それぞれの人柄とか話し方、性格など
すべてにおいて細かい。



左から、蛇・バニラ・チョコラ・小僧3人・クロ・シロ・鈴木・木村・沢田




セリフがいいんだー。特にシロの。






ねぇクロ。
 
 夜ってなんだか悲しいのね。
 
 きっとあれだな、

 死んじゃうこととかいっぱい考えちゃうからだなっ。



ダメだークロ。

 悪口とか言ってっとね、

 心のここんとこ、カサカサになんだもん。



人のこといっぱい傷つけたり、

 ウソついたりした時ね、

 シロ、神様にいっぱい謝んのね。

 ごめんなさい。ごめんなさい。

 もうしません。もうしません。

 シロ、いっぱい謝んだけど、きっとダメだな。

 だって、もっといっぱい傷つけたり
 
 ウソついたりしてるしな。






クロの声が二宮和也。
シロの声が蒼井優なんだけど、
ちょー合ってる、と思う。


おまけにヤクザの木村ってヤツ、
ヤクザだけどすごく人間味あふれてるかっこいいやつなんだけど
その声が大好きな伊勢谷友介ってことで。。


大好きです。



木村すごくかっこよかった。



アマチュアがあまりはしゃぐなよ。
血を見るぞ。



ヤクザがすごくかっこよく見えてしまった。




他にもクドカン、岡田義徳、森三中などが声をやっていて
いろんな視点で楽しめると思った。


宝町はインドみたいだったり、日本みたいだったり、
本当にどこの国なのかは分からないけど
いろんな要素があって、ほんと背景見てるだけでも楽しめた。


昭和っぽい香りもしながら。



この看板などがごちゃごちゃ並ぶ様子は、日本とは少し異国な感じ。



首都高?のような道路も。



話は少し難しいから賛否両論だと思うけど
私は少なくとも、『ハウル』や『ゲド戦記』よりは
ずっと面白かったし感動した。 


クロとシロが離されるシーン、
木村がぼろぼろ泣きながら鈴木(ねずみ)を殺害するシーン。
映像と声と、頭に流れ込んできて、泣けた。

クロはシロを守ることだけが生きがいだったのに。
シロと引き離されることによって自我が崩壊して
ただの殺戮兵器みたくなってしまう。




クロにないネジ、シロが持ってる!!!

シロがみーんな持ってる!!!!!




きっと人はみんな
何かが欠けた状態で存在しているんだな。
完璧な人間なんていないって思ってる。

それを少しでも埋めてくれる誰か、
クロにとってのシロみたいな存在。

きっとなかなか見つけ出せないだけで
近くにいるのかもしれないなー。



『二人一緒じゃないと見つからない。』



きっとそういう意味なんだ。
人は一人じゃ生きていけないとか
簡単に言えることじゃないけど
一人より二人の方がきっといい。

そんな風に思わされた映画。



エンドロール流れてきて、
アジカンの『或る街の群青』かかってさらに泣きそうになった。




http://www.youtube.com/watch?v=I8RcT-HKsOc&mode=related&search=


あー・・・また見たいなー・・・。。。
本当にそう思った作品。
ってことで評価は


★★★★★



DVDは出たら絶対に買いたいと思う。


あんな、子供の頃に持っていた純粋な気持ちを
忘れずにいたいなぁなんて思った。


原作もオススメ。




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