悠の食虫植物 ネペンテス普及委員会 (和名 ウツボカヅラを世に広める会)

食虫植物のネペンテスを広めていくためのブログ。

ネペンテス栽培記 265 ユグドラシルの心臓部

2016年08月23日 01時54分05秒 | 悠のネペンテス栽培記
台風が直撃中です。


凄い風と雨音が、

ずっと続いております。



一応、

栽培場は、

突然の突風に備え、

壁に囲まれた車庫に設置してあるのですが、

これだけ強い風が断続的に続きますと、

やはり心配です。



他に心配することはないのか、

とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、

植物は私の財産であり、

20年以上続けてるライフワークでありますので、

やはり気になってしまうわけです。




そんな今日この頃、

いかがお過ごしでしょうか。



こんばんは、

悠です。




今日は嬉しいお知らせがあります。



なんと、

また初コメントを頂いてしまいました。


ありがとうございます。


栽培歴9か月目のアンゴウさんという方で、

4つほどネペンテスを所有されているとのこと。


これからどんどん増える可能性がありますね。


ええ、

氏が持っておられる交配種の親、

一つとして普及委員会にないのが、

ちょっと驚きなのですがね。



これからさらにハマりだすかどうか、

かなり大事な時期ですね。


で、

一番大事なポイントがですね、

普及委員会が苦心の末に開発した、

ネペンテス専用普及型決戦鉢、

ユグドラシルに興味をお持ちだということ。



凄くないですかこれ。


夏の雲さんをはじめとして、

ここ最近、

コメントをくださる方、

その皆さんが全員、

ユグドラシルに興味をお持ちなわけですよ。



ええ、

ここ最近、

ブログに、

それしか書いてないので、

他にコメントのしようがないということは置いといて、

凄くないですかこれ。





時代の風は、

普及委員会に吹いているということですよね。




と言うわけでですね、

今日は、

タイトル通り、

ユグドラシルの心臓部、

オリジナルブレンドした、

ミックス用土の作成過程を、

ちょっとだけ公開したいと思います。





まずおさらいですが、

ユグドラシルの開発に着手したきっかけは、

長期不在時に、

大切なネペンテスを守るためのシステムが、

どうしても必要だと考えたからです。



実は普及委員会には、

私の他にもう一人いらっしゃいまして、

いぼがえる氏という方なのですが、

氏が出張中に、

植物をドライアウトで、

大量にロストしてしまったというのがきっかけです。



氏が出張した期間は一か月。


最低でもその期間中はノーメンテで大丈夫なよう、

高い目標を掲げて開発がスタートしました。



そして、

様々な検証を繰り返した結果、

数か月から年単位という、

驚異的なノーメンテ期間を実現したシステム、

その二つが、

密閉栽培に特化したLCスフィアと、

ハイブリッド方式の水耕栽培装置、

ユグドラシルなわけです。



ユグドラシルには、

普及委員会がこれまで得たデータを元にした、

ありとあらゆるノウハウが詰め込まれています。



費用がかからず、

簡単にセットでき、

誰もが同じレベルで維持できるという、

まさに普及に打ってつけのシステムなわけです。



このユグドラシルを採用することにより、

水やりのタイミング、

下皿の水の処理、

根腐れ、

生育不良など、

栽培に関する問題ごとが、

すべて一掃できる可能性を秘めているわけですね。




そういうわけで、

ユグドラシルのメインエンジンと言いますか、

心臓部ですが、

それは当然、

オリジナル用土に秘密が隠されているわけですね。




ユグドラシルは基本的に水耕栽培ですが、

ハイブリッド方式のため、

容器の底に穴を開ければ、

その瞬間から通常栽培に切り替えることができます。



容器に簡単に穴あけ加工ができて、

すぐに手に入るものと言えば、

私の手元には空のペットボトルがありましたので、

これをそのまま採用いたしました。









で、

肝心の配合なのですが、

まずベースとなるものは、

鹿沼土です。




様々な用土で、

配合せずに単用でテストをしたところ、

排水性、

保水力、

ネペンテスの成長、

用土の耐久性、

腐敗の防止力、

どれをとっても、

鹿沼土に勝るものはありませんでした。




なので、

これに改良剤を投入して、

ネペンテス専用の、

水耕栽培に適した用土に変えていくわけですね。





次に投入するのは、

赤玉土小粒です。



理由としましては、

土の比重を重くする狙いがあります。



比重を重くし、

酸素比率を敢えて低くして、

空気を好む雑菌の増殖抑制や、

ネペンテスの根に、

ある重要な効果を期待して配合しました。




ネペンテスの根に対して、

比重の重い土での効果は、

すでに検証済みです。




次に、

ユグドラシルはハイブリッド方式なので、

通常栽培に切り替え時、

酸素供給と、

用土に根の導入がスムーズにいくよう、

ベラボンを配合します。




ベラボン単用実験時、

数鉢のネペンテスの葉が委縮、

下葉の黄化、

葉の枯れ込みなど、

様々な生育障害が出ました。



用土から引き抜いて、

根を確認したところ、

どれも根張りは良く、

鉢の下の方まで伸びているのがほとんどでした。



根が成長しているのに、

なぜ成長が阻害されてしまうのか。



追加検証を行ったところ、

やはり、

ベラボンから微量のあくのようなものが出て、

それが単用だと部分的に高濃度となり、

浸透圧の影響を受けているのではないかと仮定しました。



根は伸びますが、

うまく吸水できず、

ネペンテスが弱ってしまうのです。



これの対策として、

不要な物質の吸着と、

弱い根を隙間なく守る目的で、

ある土壌改良材を配合したところ、

良好な結果がでましたので、

ベラボンはこれとセットで配合します。



ここから先はまだシークレット部分なので、

ちょっとぼかしますが、

さらに2種類の改良剤を投入し混ぜ合わせます。




これで、

通常栽培の土壌が出来上がりです。






ここから先が、

水耕栽培用の配合になります。






ユグドラシルは、

エアポンプのようなものはなく、

用土内は常に極低酸素、

さらに雑菌の繁殖を極力抑えるべく、

超低栄養状態になりますので、

水中にあるネペンテスの根、

それがスムーズにイオン交換が出来るかどうかが、

成長のポイントとなります。



ここであの赤玉土が活きてくるわけですが、

ちょっと今日は時間がないので割愛します。



そして、

これまでに数種類の配合をテストし、

もっとも良好な結果の出た組み合わせ、

その中の3種類の改良剤をさらにブレンドしていきます。




普及委員会で、

水耕栽培に目をつけた特徴がありまして。


それは、

デメリット面が大きい印象がありますが、

逆にフロンティアだと思い、

ある部分に積極的に採用いたしました。


今のところ、

成長に影響は出てないようです。



さらに、

吸着と吸収のメカニズムに着目したのですが、

それは現在、

ユグドラシルのアップグレード計画に引き継いでいますので、

ここでは省略します。




そして、

用土が極力均一になるよう、

最後に、

鹿沼土を再度投入して混ぜ合わせます。





これが、

現状のユグドラシルの配合用土です。


まだテスト中ですが、

最終的に、

あと3種類の用土をこれに混ぜ込む予定です。



全然簡単じゃないやんけという話しですが、

まぁ用土は私がせっせとブレンドして、

余剰分はどんどん配りますので、

皆様はそれを使うだけと考えれば、

簡単ちゃ簡単みたいな。





やべ、

もうこんな時間です。




ではでは、

また次回、

お会いしましょう。





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2 コメント

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fleaさんへ ()
2016-08-25 00:32:41
こんばんは!


実際のところ、

効果があるのかわかりませんが、

用土は無意味にこだわってました(笑)


取り敢えず、

鹿沼土を混ぜておけば大丈夫なようです(^ω^)


鹿沼土単体、

もしくはベラボンのミックス、

ミズゴケ単体、

この辺がやはり、

ネペンテス栽培のスタンダードなのでしょうね(^^)


お、

新規用土導入ですか!


私はバーク堆肥自体を使ったことがないので、

どのような効果があるのか、

結果をとても楽しみにしております(^ω^)
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お久しぶりです! (flea)
2016-08-24 07:50:15
用土に強いこだわりが感じられますね!
やっぱり鹿沼土は最高ですよね!
ベラボンもいいですよね(笑)
当方では鹿沼とベラボンを中心にブレンドして用土を作っております。
ある程度成長している株なら問題ないのですが、幼苗の場合はやはり水ごけが安定します。
いまはバーク堆肥の導入を検討してます!
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