悠の食虫植物 ネペンテス普及委員会 (和名 ウツボカヅラを世に広める会)

食虫植物のネペンテスを広めていくためのブログ。

すべてのオタクは小説家になれる!

2010年01月15日 00時04分06秒 | Cランク
すべてのオタクは小説家になれる!
大内明日香,若桜木虔
イーグルパブリシング

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 始めに断っておきますと、この本の内容は大部分が本格的な小説を書く前の心構

えに費やされており、文章のテクニックうんぬんの技術論はないこと。

 そして私はタイトルの一本釣り(つまり衝動買い)で購入してしまったというこ

と。

 以上の2点をふまえた上で内容のご紹介をしたいと思います。この手の本は一般

的に恐ろしく評価が低いものですが、ヌルい知識しか持たない小説初心者の私には

なかなか新鮮に読めたということも付け加えておきましょう。


 ビジネス書紹介と同じ形式で書きますね。まずは目次の気になったタイトルのピ

ックアップから。

目次(抜粋)

・ 「オリジナリティ」は重要ではありません

・ オリジナリティに代わりになる「あるもの」

・ 「オタクが小説家に向いている」三つの要因

・ 才能という言葉は忘れましょう

・ まずは「知識マップ」を作ろう!

・ 小説は才能で書くものではなく、「筋肉」で書くものです

・ 読者とはどんな人たちなのか

・ 「サービス精神を持て」

・ 「一冊の本には一テーマのみにする」

・ 「小説のウリは外輪ウケでなくてはならない」

・ 一つの作品を徹底研究してみよう

・ 設定説明自体をエンターテイメントにする

・ 書き続ければ、小説家になれるのです


 どれか一つでもピンとくるものがあれば、この本は買いです。ただ私の場合は、

一冊の本から得るものが一つあればいい派なので、残念ですが過剰な期待は禁物で

しょう。「売れる」という目標に向って「おもしろいものだけを書く」という展開

になっていますので、「まずは読者に読んでもらうんだ」ということが学習できま

す。

 つまり、「書きたいもの」と「読ませるもの」は別物であるという思想ですね。

これについては私は賛否はいたしません。

 と言いますのも、結局はこういう論理はいたちごっこになってしまうような気が

するからです。詳しくは省きますが、断定的な物言いは反発を生んでしまいますの

で、一つの考え方、自分の見聞を広めるためのエッセンスと割り切るべきでしょ

う。

 ただ、実際に「小説をそれとなく書き始めてる方」には、ある種の方向性が見え

てくると思います。この本ではこだわりは自分を苦しめると表現していますが、何

も捨てろとは言っていません。こだわりを持つ土俵を間違えてると指摘しているの

です。

 これについては実際に読んで確かめてみた方がいいでしょう。要は「商業化せ

よ」ということなのだと思います。

 私も小説を書く上で大事にしている部分もありますが、それを捨てて別の土俵で

戦い続けることができるものが生き残れる、とまあそういう解釈でいいと思いま

す。

 条件付ですが、私はこの案に賛成です。さっきの「賛否しない」と矛盾してしま

いますが、どちらかと言うと、

「売れたもの勝ち」

という考え方だからです。コロコロ考えが変わるような薄い信念では読者がついて

こない、作品も薄くなるという意見や、時代に乗り切れなかった、対応できなかっ

た実力者は残念ながら消えていく、という意見もあるかもしれません。

 が、双方をまとめますと、結局は「売れたもの勝ち」だというのが、私の持論で

す。もっと辛らつな意見や厳しい指摘もあると思いますが、現在連載されている作

家さんのほとんどが「人気がある」=「売れている」という公式で成り立っている

と思いますので、どう解釈しても結局はそういうことなのかもしれません。

 何が追い風となり、何が落とし穴になるかなんて、いつの時代もわかりません

からね。




 スーパーピックアップ

 
 ここで私がこの本を読んで気に入った文をご紹介しますね。


「小説作法をいくら読んでも、小説家にはなれません。車雑誌をいくら読んでも車

の運転が上手くならないのと同じです」 

「重要なことは、「現在、うまく書けるか」ということではないのです」

「「書き続けられるか」ということが、重要なのです」

「大事なことは、書く、ただそれだけのことなんです」

 
 
 どの本でもこういう内容の一文が紹介されるものですが、逆に私はこういう文が

一行でも入ってる本にとても安心感をおぼえます。

 いわゆる行動論敵なものですね。「生きるとは、呼吸をすることではない」というあれ

です。全然違うかもしれません。

 
 この考え方については激しく賛成です。実際に行ってみないとわからないことがあま

りにも多い。実戦は訓練の何倍にも相当すると言いますが、正にその通りだと思い

ます。私はこの本を読んで、構想段階の小説の修正にすぐ着手しました。できるこ

とは何でもやっておきたいですからね。

 ダメだったら止めればいい。小説は何度だって書き直しができる。書いてみてか

ら結論を出せばいい。

 では最期に、この本の一文を抜粋して、紹介を終えたいと思います。



「オリジナリティあふれた小説、というだけであれば、簡単に思いつく」

「オリジナリティがなくても、小説家になれるのです」

「小説家になるためには、「オリジナリティ神話」は捨てたほうがいいのです」

「ただ好きなことを書くだけでは商品にならない」

「なにしろ、プロというのはそれだけで食べていく「ビジネスマン」なわけです」


以上です。ありがとうございました。



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