たぬきの美術研究室

たぬきによるたぬきのための、美術の考察だったり好きなものを紹介したり日常についてつらつら語るための場所。

蛇使いの女(ルソー)

2011-01-22 | 美術(西洋)

今日の一枚は、フランスの画家アンリ・ルソー(1844-1910)が

1907年に描いた「蛇使いの女」です。

これは美術の教科書にも出てくる作品ですね。

蛇を体にまとった女は、影で姿がほとんど分からないなか、ふたつの瞳だけがきらりと光り、

場所はジャングルの奥地でしょうか?草木の色あいなど神秘的な空間が印象強く頭に残ります。

 

ルソーは50代で税関の仕事を退職するまで、「日曜画家」として仕事の合間に絵を描いていました。

彼の絵は、構図や遠近がめちゃくちゃで、決して上手ではありませんでした。

この絵もルソーが知人の旅行話を聞き、それをもとに想像して描いたものです。

しかし、几帳面なほど丁寧に書き込まれた草木と、その配色の絶妙さ、

作品全体の見事な統一感がこの作品の魅力といえます。

 

ちなみに、彼が描いた自画像(プラハ美術館蔵)がこちら。

足は地面を離れ宙に浮いているよう。

背景の川辺にいる人のなんとも小さいこと・・・

遠近のバランスもちょっとおかしい・・・?

でも、なんかイイ!と思ってしまう、不思議な魅力があります。

いわゆる「ヘタウマ」というやつでしょうか(笑)

 

「蛇使いの女」はフランス・パリのオルセー美術館に収蔵されています。

日本の美術館にも彼の作品はいくつか収蔵されているので

海外へ行かずとも見れるチャンスがありますよ!

是非一度、彼のヘタウマな作品を味わってみてください。

 

 

<たぬき>


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