今日の一枚は、フランスの画家アンリ・ルソー(1844-1910)が
1907年に描いた「蛇使いの女」です。
これは美術の教科書にも出てくる作品ですね。
蛇を体にまとった女は、影で姿がほとんど分からないなか、ふたつの瞳だけがきらりと光り、
場所はジャングルの奥地でしょうか?草木の色あいなど神秘的な空間が印象強く頭に残ります。
ルソーは50代で税関の仕事を退職するまで、「日曜画家」として仕事の合間に絵を描いていました。
彼の絵は、構図や遠近がめちゃくちゃで、決して上手ではありませんでした。
この絵もルソーが知人の旅行話を聞き、それをもとに想像して描いたものです。
しかし、几帳面なほど丁寧に書き込まれた草木と、その配色の絶妙さ、
作品全体の見事な統一感がこの作品の魅力といえます。
ちなみに、彼が描いた自画像(プラハ美術館蔵)がこちら。
足は地面を離れ宙に浮いているよう。
背景の川辺にいる人のなんとも小さいこと・・・
遠近のバランスもちょっとおかしい・・・?
でも、なんかイイ!と思ってしまう、不思議な魅力があります。
いわゆる「ヘタウマ」というやつでしょうか(笑)
「蛇使いの女」はフランス・パリのオルセー美術館に収蔵されています。
日本の美術館にも彼の作品はいくつか収蔵されているので
海外へ行かずとも見れるチャンスがありますよ!
是非一度、彼のヘタウマな作品を味わってみてください。
<たぬき>