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何せ自由な帖なので

【写】「太陽」 藤原基央

2015-07-31 19:51:24 | ウェブログ
二度と朝には出会わない
窓のない部屋で動物が一匹

ドアノブが壊れかけていて
ふれたら最後,とれてしまいそうだ


このくらい寒いほうがいい
本当の震えに気付かないですむ

不愉快も不自由もない
その逆も,初めからない


例えば笑ってみろよ
こっちもひたすら笑えるさ


空のライトが照らしてくれた
僕には少し眩しすぎた

そして誰もが口をそろえて,
「影しかみえない」と言った


二度と朝には出会わない
窓のない部屋で心臓がひとつ

目をとじていても,ひらいてみても
広がるのは,真っ黒な世界


例えば泣いてみろよ
こっちはそれすら,笑えるさ


君がライトで照らしてくれた
あたたかくて,寒気がした

光の向こうの君の姿が
僕にはみえないと知った


かくれんぼしてた 日が暮れてった
みつからないまま 暗くなっちゃった
みんな帰ってった ルララルララ
かくれんぼしてた ずっと待ってた


例えば信じてくれよ
こっちはなおさら疑うさ

それよりさわってくれよ
影すら溶けていく世界で
影じゃない僕のかたちを


君のライトを壊してしまった
窓のない部屋に来てほしかった

それが過ちだと すぐに理解した

僕を探しに来てくれてた光の向こうの君の姿が
永遠に見えなくなってしまった



それが見たかったんだと気付いた



もう一度朝と出会えるのなら

窓のない部屋に人間がひとり
ドアノブが壊れかけていて

とれたら最後 もう出られはしない
出れたら最後 もうもどれはしない


※泣きました その2


「太陽」 藤原基央
収録:「ユグドラシル」 2004年 BUMP OF CHICKEN

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