「疫病の日本史」を読んで

書名に惹かれた読んだ。本郷和人・井沢元彦共著：宝島社

部分対話形式、他で2著者の論点を記述したもの。

日本では西洋のような国を滅ぼすようなウィルスなどでの感染拡大はなかったという史実を確認した。

読んで感じたのは、島国と外国との往来があまりなかったからではないだろうか。

井沢氏が「日本人の穢（けが）れに対する意識、禊（ミゾギ）文化」を幾度か繰り返して述べていることに、個人的には違和感があった。というのは、他国には見られなかったとのことがない。案に触れているのだろうが、しかし、イスラム教でも礼拝は前には口をすすぎ、手はもちろん其れこそ足まで洗うと言うこともある。もちろん，降水量の極端に少ない土地では願っても無理で、日本でも山頂付近には手水はできないところもある。

日本人の清潔好きを言うが、今回の台湾には触れていない。

「日本の精神論」を感染病と挙げているのだろうか。

その点で，井沢氏のこうした発言に本郷氏は「なるほど」を幾度と繰り返していたのも印象的。これを私は「そういう見方、考え方もできる」?にうなずくような、慎重な意見拝聴とみたが・・・本郷氏にお尋ねすればこんな余計な気回しをせずともよいのだが。

幕末、開国に反対の孝明天皇、長州藩がらみの天然痘？というのが私には新しい説。「毒殺？」とは聞いていたが・・・

改善も 誤解を招きそうな報道

今回も学術会議についてのＴＶ報道でのフェイクを、毎日新聞が取り上げたものです。

「『防衛大出身者の各大学拒否』と述べた、そう櫻井ヨシ子氏がのべた」はファイクであった、というものです。

前回はフジＴＶ上席解説員が「会員年金250万円」との虚偽解説に続くフジＴＶ系列の内容。

今回は記事の真ん中に「一般大学 拒否は誤り」とあり、前回よりも改善されたように見えるが、見出しがどうも今一である。

これも記事の詳細を読む余裕のないものには「何？」ではないか。

中吊りの週刊誌広告の見出しのような感じである。

それにしても、前回に続き、今回も発言当事者の「訂正、謝罪」はないようです。その言葉尻を捉えて、ネトウヨと言うのだそうだが「学術会議の悪者」扱いが拡散することは、極めて迷惑な風評になりかねない。

毎日新聞には今後も奮闘を。なお、今回も記事のスキャン・配置変更は無断でした、お許しを。

任命拒否・・・宗教裁判か？

もちろん安倍・菅政権時代の話

「自分の政権」の教条（明文はない）に対して、異なる意見を認めずに、逆に弾劾する、排除する政治だ。

任命拒否の理由は「首相に任命権がある」というのみである。

理屈にも何もなっていない。最悪は「組織が悪だ」と掏り替える。

「絵で分かる物理学の歴史（並木雅俊著:講談社刊）」の一部に、ニュートンの説にゲーテが異論に対して『科学者は「わかる、わからない」であるが、生活者は「納得する、納得しない」である点に違いがある』とあった。

科学ではゲーテは生活者つまり俗人である。分光とか何とかはどうあれ、明るいか、暗いか、どういう色かが俗人の問題。

菅政権の中枢は俗人過ぎる、感情が先立つ人材で占められている。

学術的に、普遍的、客観的にものを見る目を持たない、責任のない、遵法の心のない危険な政府である。

弊害は、公平、公正を失った政治がアベ政権後も続く懸念がある。

誤解を招く報道

昨日（10／10）毎日新聞に添付の記事があった。

毎日の読者も「アレー」と思ったろう。

内容は「フジＴＶの平井上席解説委員が番組で『学術会議ＯＢ等が年金250万円、終身』と語ったの、というものだ。

これは事実ではないのを知っていたので、記事内容を改めて読むと「誤りだった」とある。

新聞の見出しは極めて重要だ。詳細を読まなければ『学術会議ＯＢ等が年金250万円、終身』と思ってしまうだろう。

フジＴＶが政府寄りとは聞くが、記事の書きようでは間違った情報伝達になる。意図して『（事実でないこと)』と聞いたけなどと有名人が発言すれば影響が大きい。平井上席委員が意図してこのことを言ったとすれば問題で、しかし、根拠のないことをＴＶで発言するのも報道を担うものとして失格である。

合わせて、そのことの報道を、毎日新聞が「誤報」を記事中に並の活字で記述することも重大事である。

報道の正しい伝え方を、全国版の両者に求めたい。

なお、新聞記事をスキャンして勝手に搭載したのは、本ブログ読者への理解のためであることを申し添えたい。ご理解を。

「ぬるま湯に浸かっている人間は権力の餌食になる！」（その4）

保阪正康 著「昭和史七つの謎と七大事件」を読んで、いわゆる三島事件を起こした三島由紀夫が存命だったら、現在の日本をもっと厳しく見ただろうと、推測。現在の政治も含めた日本の社会状況が保坂が述べる三島事件の背景「因」から。

そのひとつ、国民の快楽的状況である。

私自身は,三島に共感するものは少ないが、しかし、同調する人は多くいるだろう。でも、存命であって、今三島事件を起こそうにも、共感する人はいても、行動を起こす者はいないだろう。

日本の若者は「ぬるま湯の中」にも気づいていないから。