真の動物福祉牧場を目指して

中国は自給自足できるのか?

現在の中国の食糧自給率は70%程だとされています。輸入に大きく頼っているのは大豆で(90%)、米麦コーンの主要穀物は自給自足できてるようです。

しかし上のコラムで述べられてる様に、急速な都市化がずっと進められていて、五年で7000万人が農村を離れるペースとされています。
さらに高齢化による農業者の減少も日本以上に深刻とされ、農村人口は今の四割から二割にまで減るだろうと予測されてます。

私はそんな中国の消え行く農村を巡った事があります。
そこは北大荒と呼ばれる黄河の北に広がる農村地帯で、かつては森に被われて豊かな実りを上げ、黄河文明が栄えた土地でした。
そこが今は山のてっぺんまで木は切り尽くされ、雨で表土は流されて黄河を黄色くし、その流出土は余りに多くて世界有数の大河を断流させた程です。
これには黄河の水を巡る熾烈な争奪も影響しており、共産党は農業用水よりも工業用水を優先させ、からからに乾いた広大な不毛の地、北大荒を作り出しました。

そこの農村は非常に貧しく、辛うじてコーンは育ってましたがせいぜい自給自足できる程度で(経済性は無い)、そもそも人っ気が無くて住んでるのか疑問な家が沢山ありました。

そんな村でたまたまお祭りに出くわし、おそらく村人の大半が集まってたかと思いますが、そこには老人と子供しか居らず、働き手はみんな街へ出て行ってしまってました。
祭りは人形劇の楽団が長々と古臭い劇をやっており、それは古い村の風景とマッチしておりましたが、どちらも消え行く運命なのは誰の目にも明らかでした。

北大荒はずうっと内モンゴルから北東州まで広がっており、乾燥地帯で灌漑農業を続けて来た為に塩害が発生して、打ち捨てられた農地も広大な面積に及びます。
私はそうした塩害農地をEMで蘇らせた畑も観に行った事があり、荒れ果てた白っぽい広大な土地の中に、麦の緑がオアシスの様に広がっておりました。

EMRO China の紹介で現地を案内してくれた方は、一年目で既に成果が得られて、今は二年目で政府の支援を得てだいぶオアシスを広げられたと誇らし気に語ってくれました。(中国語なので半分位しか解りませんでしたが)

これとは別にもう一つ、日本の技術で塩害に効果を発揮している方法が有ります。 それは岩波新書の「中国で環境問題にとりくむ」という良書で詳しく書かれており、石炭を燃やして出る有害物質を上手く化学処理して大気汚染を防止し、さらにその化学処理した物を塩害農地に撒くことで作物が健全に育つようになるという、一石二鳥の素晴らしい技術です。

こうして塩害を克服して初めて、草や木が健全に育つようになり、土地に根が伸び広がる事で保水性が確保され、北大荒はかつての瑞々しい黄河文明(北京原人=東洋人の発症の地です)の時代に戻る事ができます。

それは中国が自給自足できるかの試金石でもあり、共産党はその統率力の強さを活かしてこの難題に取り組んで行って貰いたいと思います。



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