真の動物福祉牧場を目指して

Summer Snow (夏の雪)

 「夏の雪」は日本では高山でしか見られませんが、チベットや北欧ではけっこう夏に雪が降り、それは幻想的な儚さを感じさせます。

 北欧の歌姫シセルはこれを歌にして世界的な人気を博し、そこでは「夏の雪」を追い求める「夢」に重ねて謳っています。
 夢は手にしたかと思うと溶けてしまうモノで、人はまた新たな「夏の雪」を追い求めるのでしょう。

 今回こんな詩的な話から入ったのは、物語の舞台を再び東チベット-ンガパの核基地に移すからで、章題は「散」と改めて第一部のラストとします。

 ここを占拠した革命軍には予告通りみんな「散華」してもらいますが、ブレサリアン(不食者)のターシャだけは生き残らす積もりで、彼女にはコードネーム「ソルト」に見合う様に「地の塩」となって貰います。

 「ソルト」は映画のタイトルにも成っており、アンジェリーナ-ジョリーが伝説的なCIAスパイ「ソルト」を演じています。 
 そこで「地の塩」は愛の為に祖国(ロシア)を裏切り、アメリカに潜入したロシア-スパイを次々と消して行きます。
 
 こうしたスパイ戦は日本ではあまり映画化されませんが、中国はスパイ網を全世界に張り巡らしており、それに対してアメリカやインド、台湾などは神経を尖らせています。
 ドンの統治下で闇に閉ざされているチベットでは特に西側のスパイが必要とされ、ターシャは引き続き特別仕様のスマホで情報を送り続けます。

 さて、いよいよチベット蜂起軍の最期を描くのですが、それに合わせて本シリーズの主役であるトゥルク(チベット転生女神)を登場させます。
 彼女の登場が遅れたのは、2050年代後半ではトゥルクの年齢が100歳を越えて、あまり活躍は出来ないからです。

 「Sunの物語」では前作「Shu-Shan」を引き継ぎ、1969年にヒマラヤを越えてインドに逃れた秀祥(シュウシャン)は、当時15才だったので、2059には105歳となります。
 女性トゥルクはダライ-ラマの教育を担い、政治にも参加して女性の視点を反映させます。
 ダライ-ラマ14世は2030年には転生するので、幼いラマを育てながら実質的に秀祥は、チベット亡命政府のリーダー役をラマが成人するまで勤めました。

 そんなトゥルクはンガパでの蜂起を非常に心配しており、特に核ミサイル基地を革命軍が占拠してからは断食して祈りを捧げていました。
 それは水すらも取らない「即身成仏行」で、革命軍と共に逝く道を彼女は最期に取ります。
 
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