今回はいきなり論文を紹介させて頂きます。
この論文に今回伝えたい事の殆ど全てが書かれておりますので、それらを抜粋して解説して行きます。
論文を全部読まれた事のある方は少ないかと思いますが、日本語で書かれた論文ならば30分もあれば読めるので、ぜひ挑戦して欲しいと思います。
気付かれた方もいるかと思いますが、私のブログは基本的に論文調で書いており、ちょっと硬いかも知れませんが私としては一番読みやすい文体です。
さて、まずは中国の化学農法への過剰な傾倒と、それによる環境破壊について論文よりも深く解説してみます。
それは大躍進時代に大量の餓死者を出した事により、その惨禍を繰り返さない為に食糧生産をスピーディーに高める方法として国策的に化学農法が普及させられました。
大躍進については何度も述べて来ましたが、それはロシアで起きた大飢饉と同じ構造で発生し、そちらはキチンと総括されているので参考までに挙げておきます。
こうした背景から中国は化学農法一辺倒となり、伝統農法は駆逐されたかに観えましたが、食品公害(実は消費者よりも生産者にその害は大きい)が深刻化する中で、伝統農法が復活して来た事が述べられております。
論文では伝統農法の現代的、経済的な困難性を述べておりますが、それらを克服する技術については述べられていないので補足する必要があります。
それは伝統農法から最新の有機農業へと発展した経過についてなのですが、それを紹介すにはブログの最初の方で数回に渡って書いた分量の情報が必要で、ここではそれらをまとめた本として「EM環境革命」(アマゾンで送料のみで買えます)を紹介するに留めさせて貰います。
あと、この技術を中国で普及している会社のページも載せておきます。 この会社は国からの支援を受けて発展し、中国の有機農業のレベルを引き上げる活動を精力的に行っておりました。
一方、日本の伝統農法の継承度や有機農業の発展レベルは、中国でのそれに遠く及んでおりません。 これについては「日本農業の正しい絶望法」という本に詳しく書かれておりますが、中国のように国策的に有機農業を推進する必要性があると私は信じます。
因みに論文の表によると、世界で一番有機農業が発展している国はオーストラリアのようです。
私はまだ行った事がありませんが、WWOOFの受入農家数も最多の国なので、いつかボランティアに行きたいと思っております。向こうはコロナも問題ないようなので誰か一緒に来てくれる人を募集中です。
最後に、論文ではCSA(地域支援農業)という概念が書かれておりますが、これを成功させている富士山麓のエコビレッジを紹介しておきます。
ここには何度か見学に行き、ちょっと精神主義に走り勝ちな面は気になりましたが、有機農業のレベルは高くEMをキチンと(大きなお風呂で)培養しており、それを鶏に飲ませた糞で土作りをしているので本物の有機野菜が育ち、全国から支持者を集めて成功しております。