真の動物福祉牧場を目指して

「Pygmalion」(操り人形)

「ピグマリオン」は以前ジョージ-バーナード-ショーの作品として紹介しましたが、これはギリシャ神話の題名でもあり、「ピグマリオン効果」という言葉も生まれています。

それは「ヒトは操り人形に成る時に特別な力を発揮する効果」と云ったところで、「ピグマリオン」には「人形使い」と「操り人形」を一体化させたニュアンスもあります。

ショーの「ピグマリオン」は、ミュージカルや映画の題名「マイ フェア レディー」として有名になり、「愛の世界文学」シリーズでもこちらの題名で載っております。

「愛の世界文学(イギリス)」も廃駅のリサイクル本棚で取得し、これはイギリス文学の歴史が豊富な写真とエピソードで紹介されている豪華本です。

大衆文化としての文学が発祥したのはイギリスとされ、文学とはつまるところ「人形(登場人物)」を操るコトなので、イギリスは「ピグマリオン大国」であると言えます。

日本ではこの「ピグマリオン」を絵で描き出す漫画文化が発祥し、これは他国の追従を大きく突き放すレベルに成長しております。

「文学」と「漫画」では一長一短があり、どちらが優れているかは計れません。
しかし「文学的な漫画」とタダの「娯楽漫画」では前者の方が優れていると思えるので、今回はそうした優れた「ピグマリオン漫画」を2つ紹介したいと思います。

まずは現代の東京を舞台に、そこで生きる人形達の辛苦を深くエグッた作品として高い評価を得ている「闇金ウシジマくん」から紹介します。
特にお勧めなのは10巻から始まる「サラリーマンくん」シリーズで、「会社と家庭と街の闇」がバランス良く描かれています。

この作品は写真のようにリアルな風景描写が特徴的で、「都会の乾き」を実に善く描き出しています。
人形達(登場人物)のキャラクターも10巻目で油が乗りきっており、その人形達の姿がドラマチックに変転するのもこの漫画の特徴です。
この「サラリーマンくん」シリーズではとても珍しいコトに、人形達は地獄を脱してハッピーエンド(?)に到達しております。

もう1つ紹介したいのは少女漫画で、幕末の江戸を描いた「合葬」という作品です。
少女漫画は以前にも近代インドを舞台にした「蒼のマハラジャ」を紹介しましたが、こうした「大の男が読むに足る」少女漫画を発掘するコトから、日本の漫画文化に精通できた感を得られます。

少女漫画の特徴として、登場人物が正に「お人形さん」みたいに描かれてる点が挙げられます。
「合葬」の人形達も実に美しく描かれており、彼等はみな旗本の御曹子達で、上野の戦で死んで行きます。

見事なのはラストシーンで、頑迷な同輩達を投降させようとして上野の山に入り、巻き添えにり死に行く主人公の記憶が過去の中に蘇って生き続けます。
こうしたセンチメンタルな物語は少女漫画だからこそ善く描けると思え、文学的な感動をもたらしてくれます。

私も「ピグマリオン(文学)」を志す者として、こうした優れた作品を沢山読んで取り入れて行きたいと思ってます。









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