皆さんは夢の中の色を覚えていますか?
これはどんな場所を夢に見るかで別れて、都会よりも田舎や自然を夢見た方がずっとカラフルになる率は高くなると思います。
自然の色は空と海の青、雲と雪の白、木々の緑、そして花々や太陽の黄と赤の五色が基調となります。
これらの自然にキチンと意識を向けられれば、カラフルな夢を見るのはそんなに難しい事ではありません。
この自然の五色を旗にしたタルチョをチベット文化圏ではそこら中に見かけ、これはバルドゥで言うところの「知恵の五色の光」に通じ、なかなか奥深い思想を日常生活の中に溶け込ませています。
この五色はそれぞれ属性と神獣を象徴していて、青が空で青龍、白が風で白虎、赤が火で朱雀、緑が水で玄武(カメ)、黄色が土で麒麟を象徴するようです。
五色は方角と季節も象徴しており、緑は春で東、白は夏で西、赤は秋で南、青は冬で北、そして黄色が中心の大地となるようです。
この知恵の五色はチベット曼荼羅の基調ともなっており、中心に黄色い大地(根本)の仏、左に慈悲の風の仏、下に業を燃やす火の仏、上に業を清める水の仏、右に空の知恵を持つ仏が描かれ、これは更に五文字のマントラ(真言)にも対応しています。
チベットのマントラと言えば「オーム マニペメフム」で、これは「南無妙法蓮華経」とほぼ同じ意義の真言で、妙が大地(根本)、法が風(慈悲)、蓮が火(精進)、華が水(浄化)、経が空(智慮)を象徴するのと全く同じです。
「知恵の五色の光」と言うのはこうしたチベット人には馴染みの深いモノで、彼等はきっと夢の中でもこの五色の光を特別に意識して覚えていると思われます。