まずはデリーを出発するところから話しますと、インド1の目抜き通りの真ん中にあるシーク寺院は相変わらず4時にはプージャ(お祈り)がスタートし、それはマイクで外まで響き渡らせるので強制的に起こされます。
今回はチャイとビスケットの他に前日の残りをオジヤにしたモノも頂き、これにはヤムナー川沿いで採取した葉っぱも入れて実に美味しく味わえました。
目抜き通りの両端はデリー城と大きなモスクで、その間1kmほどの路上には数百人もの野宿者がおり、そこを夜明け前の礼拝に向かうムスリムの行列と一緒に歩きました。
ラㇺダーン(日中断食)は4月中旬まで続いているので彼等の信仰心は高まっており、当然わたしも礼拝に参加しましたがみんな熱心にお祈りしていました。
それから朝のコンノートプレイスで見事な路上クリケット-プレーを眺めながらチャイを飲み、最後に残った10ルピーでバターミルク(マサラ入りで美味しい)を飲んでから、地下鉄で空港へ行きました。
デリー空港は全く流行っていない高級ショッピング-センターと同じでしたが、さすがに国際空港だけあってバカ貴いフードコートで食事する人は多くいました。
ここでインド人の食に対するリスペクト度について語りますと、それは中国人と比べると遥かにマシですが、日本人から見るとやはり「食い散らかし」が目に付きます。
特に金持ちインド人が酷く、パーティーなどはビュッフェ-スタイルなので常に大量の食を余らせています。
しかしそれは野良の犬や牛に与えられるので食の命はムダにならず、この伝統はインドでは失くならないかと思います。
飛行機は飲み物すら出ないエコノミー便でしたが欧米人の観光客を多く見掛けたので、カトマンドゥは今でも「ヒッピーの聖地」として人気を保っている様です。
到着して15日ビザを30ドルで取りましたが、これは日本円で払うとコミッションを数百円取られたので、そういう誤魔化しが嫌いな人はドルを持って行くコトをお勧めします。
ネパールはそんな観光客頼りの国ですが、その分サービス精神の旺盛な国でもあり、インドよりもずっとホスピタビリティ(思いやり)レベルは高いと言えます。
それは税関が殆どフリーパスな点にも現れており、ボディーチェックも形だけでフレンドリーに歓迎の言葉をかけてくれました。
空港からは歩いて20分足らずの所にパシュパティナートというシバ神の聖地があり、ここは以前は観光客を寺院に入れなかったのですが、今では1000ルピー(千円強)で入れる様になりました。
しかしわたしは勿論そんなお金は出さず、火葬をやっている川沿いのガートを遡って奥の院へ登って行きました。

そこは綺麗な渓谷になっており、サルが川で泳ぐのなんかも眺められ、小さな祠では現地の人々が葉っぱを吸ってシバ神とオーム(一体化)する探求をしていました。

わたしも一緒にボンしてかなりハイになり、奥の院まで唱題行をしながら登って行けて、そこでは6人の行者が長い一息で「オーム」を唱和していました。
その輪に参加して最初は彼等の様に目を閉じて不動で唱題しましたが、そうした習慣は無く「動禅」が身に付いているので、そっちの方がずっと長く深く唱えられました。
これは手を7回叩くのに合わせて唱え、3回は頭(頭頂、眉間、喉)に気を送る感じで早目に叩き、4回は心臓、腸、丹田(腎臓)、肛門(性器)に集中してユックリと叩きます。
こうすると息を長く沢山吐くコトが出来、その分「オーム」できた気になれます。
奥の院から更に山道を登ると、そこは広々としたモンキー-パークに成っており、ここの猿ほど人と平和共存しているのは今まで見たコトがありませんでした。
この自然のままのワイルドな公園はデート-スポットにも成っており、カップルは涼しい夕暮れ時の空の下で仲睦まじくしていました。


ブッダナートに着いた頃にはスッカリ夜になっており、その近辺は余りに都市化してしまい昔の様な長閑な情緒は失くなってしまいましたが、仏舎利塔の周りの賑わいも盛大になっていました。
ちょっと店が増え過ぎてしまったキライもあり、中国人観光客向けの店なんかも出来て俗っぽくなってしまいましたが、一方でスピリチュアリティーの高い絵を展示するギャラリーなんかも在りました。

ブッダナートにはカトマンドゥ1の格式を誇るホテル-ハイアットも在り、ここは馴染なので自然と足が向かいました。
前回はそこに一晩泊まって勝負して勝ち越しましたが、今回はいきなり4連敗して4000ルピー(四千円強)をスリ、それ以上は外貨両替が出来なくなっていて打てませんでした。
これはかえって助かったと思い、ビールとビッフェで元を取ってダンスショーを堪能しました。
ここのビッフェは最高級のインド料理で、この旅で1番の贅沢を夜の10時過ぎまで味わってから仏舎利塔に引き返しました。
そこでは12時過ぎまでコルラ(巡礼)する人々を眺めながら本を読み、夜中は内部への入口が閉ざされますが塀を乗り越えて入って、古い五色旗が山積みされているのをベットにして久しぶりに「うつぶせ寝健康法」で深く眠れました。