スナイパーが額を狙うのは「ゴルゴ13」の定石で、それは脳を撃ち抜くのが最も確実に人を殺せるからです。
しかしもちろん、ルーガがこの凶弾で死ぬコトはなく、それにはワケが要るので「ターコイズのティアラ」を設定します。
ターコイズはチベットでよく取れる宝石で、ダラムサラーで結婚式を挙げた時に贈られたモノとし、これを討論会の最終日は白いハチマキの下に着けいたとします。
それは最終日に自ら後光をまとう様に図ったので、更に茶目っ気を出して武骨なハチマキよりも優美なティアラで「第3の目」を覆って、視聴者受けを狙ったからでした。
ターコイズは頑丈な石ですが強力な弾丸はそれを貫通し、ギリギリなんとか頭蓋骨で止まりますが、脳震盪でルーガは意識を失います。
その様子を間近で見届けた将軍は、まだとどめを刺す必要があると見て連続射撃の指令を出します...
物語の進行は今回ここまでにして、もう少し「ターコイズのティアラ」について描き込んでおきます。
これは順当に夫の胡耀郷から贈られたモノとしても良いのですが、あえてもう少し捻ってみたいと思います。
ルーガがダラムサラーでの「史上最大の葬儀」に主賓として招かれたのは、彼女の率いる「女子革命突撃隊」がウイグルやチベットに在る「再教育中心」の解放闘争を行ったからでした。
そこから救い出したウイグル人はモンゴル草原の「シェルター」で保護しましたが、チベット人は自力でヒマラヤを越えてインドに亡命しました。
ダラムサラーではそうしたチベット人達がルーガを恩人として迎え、お礼として結婚式の時にこのティアラを贈ります。
澄んだ薄緑色のターコイズは邪気を祓う御守りとされ、特に代々受け継がれて来たこのティアラには多くの祈りが籠っており、その恩恵によってルーガの命は救われました。