透明な瓶に手紙をつめてインターネットの海へ

むらさきとんぼの羽ばたきは聞こえない

鵜沢チエのことを突然考えた。

2019年12月15日 | 私が認識するのを忘れたら,世界は存在しなくなるのだ。


たまっていた洗濯物を干しているときに突然彼女のことを思った。思い出した。いい天気だった。桜島の灰も今日はこちらにはこない。青い空で,そんなに寒くもなかった。
天気も気温も季節も関係はないと思う。そんなものと鵜沢チエに脈絡なんてないはずだ。彼女はとても美人で,長い髪で,チエがどんな漢字だったのかは忘れてしまっている。もしかしたらカタカナだったかも知れない。
けれども彼女の顔は,思い浮かべることができない。彼女のことは好きだった。彼女を苦手な女子もいた。彼女は男の子とは口もきかなかった。同年代の男の子のことはゴミくらいにしか思ってなかったと思う。
彼女は田中菜々と一緒にいることが多かった。学習塾のひとりの先生のことが好きだった。


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