goo blog サービス終了のお知らせ 

365 photo diary

写真って、その瞬間の想いを伝えるもの。
見返したときに撮った瞬間が蘇るような、そんな写真を撮っていきたい

エントロピーとゆらぎ(1)

2009-03-09 10:53:23 | 人生

エントロピーゆらぎもどちらも物理学の分野でよくつかわれる用語です。どちらも物理学は勿論それ以外の分野でも近似的な意味として使われることの多い言葉ですが、特にエントロピーとは熱力学でよく使われ、ゆらぎとは量子力学で使われることが多いかと思います。

Wikipediaによればエントロピーとは「物質や熱の拡散の程度を表すパラメーター」であり、ゆらぎとは「広がりまたは強度を持つ量(エネルギー・密度・電圧など)の空間的または時間的な平均値からの変動」と表されています。


エントロピーとはいわゆる熱力学の第2法則といわれることもあり、「エントロピー増大の法則」が有名です。エントロピー増大の法則とは、ものすごくざっくりいえば「エネルギー(熱量、情報量…等のエネルギーの質)は必ず高いところから低いところに移動していくもので、このことから当然負になることもないし、低いところから高い所に流れるようなことも決してない。つまりエネルギーの質的に全体として均質化していく」という理論です。もっとわかりやすく例えるならば、お湯と水を混ぜるとぬるま湯が出来ますが、まさにこの現象のことで、前述した文言に合わせるなら「熱いお湯から熱が冷たい水に移り、全体としてぬるま湯になった」といえます。

一方、ゆらぎとは一定の値をとることができず様々な状態を遷移、生成、消失し続けるということですが、宇宙生誕の謎を解くカギとしてこの用語がつかわれることがあります。インフレーション理論という宇宙生誕の謎を解明するための一理論によれば、宇宙は全くの無の状態(何もない空の状態=真空)におけるゆらぎの中からものすごく低い確率ながら量子トンネル効果によりある値を持った何か(宇宙の根源)が生まれ、それが真空におけるエネルギー効果により爆発的に膨張(インフレーション)して宇宙が出来たとも言われています。面白いことにこの分野でもエントロピーは重要な論点で、宇宙全体のエントロピーが測定されることによってあらゆる物理現象を統一的に記述しようとしている理論(量子化重力理論)の検証・発展・修正も行われていくことが期待されています。


さて、このブログは物理学を学ぶためのブログでは全くありませんがなぜこのようなことを書いたかというと、世の中の様々な理論はどこかしらで他の理論や考え方にも応用できるのではないかと思ったことがきっかけで、たまたま私の好きだった物理学の理論がちょうど今考えているようなこととうまく当てはまったのでこれを機会にまとめてみようと思ったからです。


長くなりそうなので個別の議論はまた次回にしたいと思いますので、今日は少しあらすじだけでも書いてみたいと思います。

エントロピー増大の法則で注目すべきは以下の4点かと思います。

(1)エントロピーは必ず増大する。

(2)エントロピーは均質化していく。

(3)エントロピーは高いところから低いところに移動する。

(4)そしてこれらは不可逆の事象である。


一方ゆらぎにおいて注目すべきは以下の3点です。

(1)すべての事象は常に状態が一定でない。

(2)ゆらぎに法則性はない。

(3)量子トンネル効果のように確率の壁を越えることがある。



それではまた次回以降、これらを一つずつ見ていきたいと思います。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿