YS_KOZY_BLOG

History, Strategy, Ideology, and Nations

12月21日

2009年12月21日 | NEWS & TOPICS
 昨日、行なわれた世論調査によると、鳩山内閣の支持率が51%となり、
 先月比から10%以上ものダウンとなったそうである。
 報道各紙は、その原因について、主に鳩山首相のリーダーシップの欠如を理由として挙げており、
 特に普天間基地移設問題や子供手当制度をめぐる政権内の足並みの乱れが、
 国民からの批判を招いているとの見方を示していたが、おそらく的を射た指摘とは言えないだろう。

 やはり今回、鳩山内閣の支持率が大きく低下した原因は、
 天皇問題に触れてしまったことが決定的だったように思う。
 小沢幹事長の要請に基づいて、鳩山首相や平野官房長官が採った行動は、
 皇室の安寧を祈る日本国民の多くに対して、感情的な反発を呼び起こしてしまったのである。

 実は先日、中国は、健康上の理由であるなら、会見中止も止むを得ないと考えていたとの声明を発表している。
 今回の問題の背後に中国の圧力があったことは、誰の目から見ても明らかである。
 中国としては、せっかく反米気運が高まり、日米離間に成功しつつあるにもかかわらず、
 この問題で日本の世論が一気に反中となり、それが転じて再び親米に切り替わることを恐れたのであろう。
 さすがは、工作上手で、機を見るに敏な中国である。
 その雰囲気を察して、いち早く反中気運の抑え込みにかかっ他のである。 
 
 その一方で、哀れなのは、梯子を外された鳩山内閣である。 
 中国側の意向により、天皇会見問題は、民主党の画策によって推し進められたという構図が描かれてしまった。
 これにより、民主党への支持は、世論調査の結果が示すとおり、大きく後退することになった。
 民主党支持を打ち出すマスコミは、この問題をこれ以上、取り上げることはないであろうが、
 今上天皇の権威を傷つけるような暴挙に出た鳩山内閣の危険性について、
 日本国民の誰もが不安感を抱き始めたことは、取り返しのつかない失点であったと言わなければならない。
 小沢幹事長自身も、これほど国内世論の反発を呼ぶことになるとは、思いもしなかったに違いない。
 とりわけ、羽毛田宮内庁長官に公然と批判され、その経緯について暴露されたことは、
 まったく計算外であったことであろう。
 そうでなければ、不躾に「辞任してから物を言え」などという暴言を吐くわけがない。

 逆に、羽毛田長官は圧力に屈せざるを得なかったとはいえ、
 この問題を公にしたことは非常に意義のあることであった。
 これによって、もし羽毛田長官が辞任に至るようなことになれば、
 当然、政治的判断によって辞めさせられたと誰もが思うであろうから、
 鳩山内閣としては手出しすることができない。
 そして、羽毛田長官はその地位に留まり、陛下のために尽力することができるのである。