これは満を持して書きます。現在休載中の新企画です。
どこかでばらしていると思いますが、クスキユウとは松浦友のペンネームです。
私はこのシリーズだけは劇作をしています。(だから拙いのです、と言うの言い訳です)
あ、「Akiko」「K点」も書いてますね。「ジュリエット」は僕のなかでは微妙な位置です。
基本的に僕は演出を嗜好していて、作家が書いたものを板の上にあげる、つまり舞台化していく作業がもっとも好きなのですけれど、
この「ハーフ」(2001年)「ハーフ-Where the heart will be-」(2006年)、そしてこの「ダブル-W-」に関しては劇作を続けています。
並べてみると、上演は2011年ぽいですね。
なんでこの作品だけは書くのかと問われると、もちろん色んな理由があるんですが、
演出家の僕が思うに、再演が好きなんです。
作品群が、2006年までで一区切りついているのですが、今後はまたこれらの作品を再演し再演し再演し続けて行きたいのです。
レパートリー化といっても良いかもしれません。
なんかおんなじテーマというか課題を追求していきたい気持ちがあるのです。
このシリーズの場合、結局作品化するときには、全然別物になるのですが、根底には日本語で言うところ“ハーフ”=混血の人、
欧米語でいうところの“ダブル”、というテーマがあります。
日本人、と言うときに若干の違和感が僕にはあります。
地球人だと大丈夫なんですけど。
大阪人にもごくごく若干感じます。
昨年書いたUniversalityというか、人って普遍的なもののはずで、人種とか宗教とか出身とかそういうもので何か区別されたり敵視したりすることにナンセンスさを感じるわけです。
なんでそうなのだろう、と感じます。
そこを越えた方がよりたくさんの想像力や創造性が広がる気がするのです。
この作品が今休載しているのは、単に忙しくて書けないわけではありません。
今、物語というものに真剣に取り組もうと考えていて、こんなものをちょっと読んでやってみたり、史実に取材して物語化していく練習をしたりなどしてみようとしています。
骨組みは決まっていて、ここに書いてあるとおり、
「ハーフ-Where the heart will be-」の続編として書こう、ということと、
「ダブル」と呼ばれる混血の人たちが「ダブル」と呼ばれる島に集められてそこが一種の収容所のようになっている、と言うことだけが決まっています。
岩井俊二監督作品「スワロウテイル」のイエンタウンや、ナチスドイツのゲットーやソ連のシベリアのような感じのイメージだけ決まっていて、
その辺の資料もいま集めています。
物語の筋は単純で、男が女と出会って「ダブル」から逃げ出すというものです。
宮崎駿「シュナの旅」、馳星周「不夜城」などの影響です。
これをどう面白くしていくか。
なんどか名前を出している映画監督の岩井さんは、企画を通すためにまずは小説を書くらしいです。
それにあやかって僕も今回は小説を書いて、それを舞台化しようと思っているわけです。
後もう一つ、演劇上の冒険として手紙で綴られる物語というか朗読で綴られるエンタテイメントのようなものも志向していました。これは演出家としての欲です。
宮本輝「錦秋」や野沢尚「恋人よ」の影響です。
はてさて、どんなものになるやら。
気長に準備します。
機はきっと熟しますから。
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