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X:X(謎の人物)

X:X(謎の人物)

もちろんXが付く単語は少なからずある。

しかし今回は、そのまんまXである。

よく正体不明の人物をXといいますが、今回はそれが3月に開催される「Creating Drama Factory」と言う演劇ワークショップで、どのように役立つかを示します。

ワークショップでのドラマの創り方はいたって簡単です。

まず、物語の起こりそうな場所、ドラマの起こりそうな場所を選定して行きます。
昨年度だと、明け方のコンビニ、大学、お化けが出るとうわさのビル、などでした。

このうち大学と明け方のコンビニをくっつけて、大学構内にある明け方のコンビニという場所に落ち着きました。
通常より少しだけ変な場所にすると面白い話になります。
もちろん、どんな場所かは具体的に出します。
コンビニの前にはベンチがあり、その後に並行に商品が並べてあるとか。

今の時期なら面接会場などが出るかもしれません。
そこが、UFO研究をする会社(*2001年第一回)だったりするなら、とっても面白くなります。

次の段階は登場人物作りです。
その場所に出入りするはずの人々を考えて行きます。

コンビニの店長(大学の研究室の万年助手)、店長の恋人、納入業者、買い物客、近所でよく来る女の子、などです。
ポイントは、その場所の内側の人(コンビニの人)、外側の人(買い物客)、その中間の人(納入業者、よく来る客)と言う風に、その場所に関しての知識の深い浅いができるようにすることです。

そうすると、浅い人は深い人に質問します。その答えはそのドラマを見ているお客さんにも渡されるのです。
この構造は大体どんなドラマにも当てはまります。

そして、ここでついにXの登場です。
僕がワークショップでナビゲートするときは、人数に余裕があるときはこの正体不明のXを入れておきます。
そうすると、後できちんと化学反応が起これば、ナイスなドラマ展開になるはずなのです。

さて、最後の仕上げとして、登場人物たちがその場所に出入りする順番を考えます。
順番を考えたらあとは即興で自由に作っていくだけです。

順番を、少し頭の中で試して見ましょう。

たとえば、店長がやってきて、恋人がやってきて、店長が居なくなって、納入業者が来ることにします。

この場合、納入業者が恋人にいろいろ尋ねていくことで、登場人物の相関図がうまく観客につたわるはずです。

じゃあ、Xを使うとどうなるか。

最初にXが来て、ベンチからしげしげとコンビニを覗いているとします。
そして、去り際を恋人が見ているとか、常連客が見ていた、とかすると後で話題に上るでしょうし、
その存在自体は観客の頭にインプットされて、あれは誰?と考えさせることができたりします。

あるいは、Xにしていた人が、なぜか納入業者と仲がよく、常連客にぺこぺこしだします。
そしてさぼってフィギュアを創っているコンビニ店長に一言、「首だっ」と言ったりしたら・・・。

恐らくXはコンビニチェーンの地域部長とかで、常連客はコンビニグループのオーナーだった、と言うオチです。
とまあ、いろいろ広がるのです。

高校の演劇部に指導に行ったときとか、Xにいきなり求婚させました。
動物病院の待合室だったんですが、そこのナースに。

ちらちらっとナースを見る登場をさせていたんですが、ようはストーカー?、あるいはファンだったわけですね。
そりゃあもういきなりドラマチックになりました。

と、いうことで、作劇上もC.D.F.(上のワークショップ名の略:長いので)上もとてもXは便利なのです。

そういえば、東野圭吾の「容疑者Xの献身」はとても読まされる物語でした。
彼の作品では、僕は「白夜行」が最高峰だと思っているのですけれど、これもまたとても考えさせられる面白いものでした。
書評はネタばれを回避せずには書けないのでこれ以上は書きません。
蛇足でした。

ぜひ、C.D.F.への応募、お待ちしております。
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