はしだてあゆみのぼやき

シナリオや小説を書いてる橋立鮎美が、書けない時のストレスを書きなぐる場所

プリミュ観たぷり

2017年01月28日 | Weblog
 『ライブミュージカル「プリパラ」み~んなにとどけ!プリズム☆ボイス2017』を見てきました。1/27(金)の夜の部です。

 内容は、ロッポンギのプリズムストーンの青井めが姉ぇ&めが兄ぃに騙されたらぁら(小学生らぁら、以下"小らぁら")が2014年のプリパラタウンにタイムスリップしてしまって……。歴史改変しようとするめが姉ぇの妨害を退けるため、かつての自分(大人らぁら、以下"大らぁら")や仲間たちを励ましてプリパラ一期の歴史を守っていくというもの。
 実質的にライブを織り込みつつの一期の名場面ダイジェストで、大変楽しく鑑賞できました。普段ライブ等には行かない人なのでサイリウムを持ってなかったのだけが心残りでしたが。

 みれぃ押しとしては、あの「プリパラは好きぷり?」のシーンを生で見られたというだけで感動モノでした。あとは、ちゃん子ちゃんの「割と好きです」も再現してくれてて……。あの台詞を作り手側も名台詞、名シーンとして認識してくれているのが判ってとても嬉しかったですね。

 内容で少々気になったのは、青井めが兄ぃがレオナに「男の子なのにプリパラでアイドルしてるなんておかしい」的な台詞を言った点。細かい所ですが、男の子であるレオナがプリパラに入れることに「驚く」キャラはいても「おかしい」とは誰も言わない。男の娘アイドルを非難したり揶揄したりする言葉は向けられない。それがプリパラ本編で守られてきたラインでしたし、一部ファンに高く評価されてきた点だと思っていたので、どうしても気になってしまいました。続く「男の子なら筋肉」というジェンダーロールを押し付けるような展開もプリパラらしからぬ印象。ハチャメチャなギャグがてんこ盛りでありながら、プリパラが意図的に避けてきたネタだったと思うのですよ。
 まあ、本筋ではないちょっとしたギャグシーンなので、目くじら立てるのも無粋かもしれませんが……。脚本の坪田文氏を確認するとTVアニメのプリパラには参加されていないようで、本編の微妙なニュアンスを保つ事が難しかったのかなと感じました。

 もう一点気になったのは、悪さをした青井めが姉ぇ&めが兄ぃに本家赤井めが姉ぇ&めが兄ぃが罰(電撃攻撃?)を与えたこと。個人的に「どんなに悪意を持って悪いことをしたキャラでも、改心して謝ったらそれでノーサイド」「罪に対して罰を与えるという発想を作中のキャラ(特に主人公のらぁら)が持たない」というのがプリパラの特色・他作品にはない特殊な倫理性だと考えていたので、反省している悪役に明確に罰が下ったのが意外でした。
 小学生のらぁら=子供が罰を与えたり、求めたりすることを良しとしないのが、「み~んなトモダチ!み~んなアイドル!」の精神ではなかったのかと思うんですよね。ちなみに南委員長が時折持ち出す校則違反の罰則はルールに則った違反行為に対するペナルティなので、罪に対する罰とは別口と解釈してます。あろまとみかんの悪戯に対するお仕置きも然り。
 まあ、二期のひびきvsみれぃ辺りから緩くなっていた特色ではありますし、罰したのもシステム(という名の大人の事情)サイドのめが姉ぇ&めが兄ぃなので、脚本上の瑕疵というほどのことでもないのですが……。

 なんだか細かいところをつつきすぎて個人的なプリパラ論になってきたので、ミュージカルの思い出に戻ります。

 みれぃ押しなので、どうしてもみれぃを目で追っていたのですが、ダンスにやたらと力(ちから)が籠っていたように感じました。動きがパワフルというよりも……力を加減していない感じ。ジャンプは毎回目一杯足を上げて飛んでたし、振りも腕に力が入っているように見えたし、全員が踊ってる最中に一人だけターンを入れてたりもあったかな。とにかく力みまくってて、全力で踊ってる感じがひしひしと伝わってきました。
 芹澤優さんの素なのか、常に全力を出しきろうとする努力の人・みれぃのキャラ付けなのかは判りませんが、とてもみれぃらしさが感じられてよかったです。
 あと、大らぁらと二人でセンターに立つ瞬間がけっこうあって、「プリパラの中心はこの二人! らぁみれ最高!!」と思っている橋立さん的には眼福でした。いや、そふぃさんも好きですし仲間外れにするつもりはないんですけどね。むしろ、拙い所の残るらぁみれをそふぃが引っ張り上げる「解放乙女ヴァルキュリア」の構図で、そふぃには二人より一段高い所にいるのが似合ってるよねー、なんて思うのです。

 そうそう、そふぃさんと言えば……。足細っ!!! と、驚愕しました。他のキャラが白いブーツやソックスの中、黒のニーソックスのそふぃさんのおみ足が一際すらっと見えて、大変美しゅうございました。
 コスモお姉さま(山本希望さん)はキャラの再現度でレオナを押してましたが、二次元キャラと遜色のない脚線美のそふぃさんが一番だったと思います。

 もちろんレオナも可愛くて、浮世離れ感が高かったです。とにかくちっちゃくて、触ったら壊れてしまいそうなお人形さんのような可憐さにあふれてました。
 そして、相方のドロシーは……面白かった! 「芸人かいっ!」と言いたくなるくらい、アニメ本編に負けず劣らずの楽しい茶々やアドリブを堪能させてもらいました。
 シオンは特にドレシの持ち歌での男前度が高かったですね。それと、ちょくちょくみれぃにちょっかいを出していて、顔に手を伸ばす様なしぐさをしてたような……。シオみれ最高か!(橋立さんはたいていのみれぃ絡みのカプならいける口です)
 
 主人公のらぁらはというと……「う゛ぇええええ!?」でした。いや、小らぁら役の久家心ちゃんが、らぁらの特徴である少し濁った驚き声の「う゛ぇえええ!?」を真似していたのが印象的だったんですよ。かなり頑張ってました。
 そして、本家である大らぁら茜屋日海夏さんの「う゛ぇええええ!?」の安定感たるや。まさに生らぁら!(当然ではあるのですけど) 設定的に小らぁらが将来の自分で、見た目に反して少しだけ自分のほうが年下という難しい役どころを演じきっていました。
 あとは……アニメのOP「Realize!」のラスト、大小のらぁらが見つめ合っているシーンが大好きなので、二人のらぁらが歌うシーンも素敵感満載!
 そして、小らぁらが震える声で「Make it!」を歌い始めててからのクライマックス! 思い出してまた泣けてきました。

 メインキャスト以外の面々も、ちゃん子ちゃんは細かくドスコイ系の仕草を仕込んでくるし、ファルルはカーテンコールで貴婦人っぽいお辞儀を貫いてるし、青井めが姉ぇ&めが兄ぃもいかにもプリパラ世界にいそうな小悪党を熱演してくれたし……。出演者の全員が楽しそうに、そして全力でプリパラの世界を再現してくれいるのが伝わってきて、本当に嬉しかったです。

 今回の公演にはもう行けそうにないので、次があるなら今度はいい席を取れるように頑張りたいなと思います。