On楽工房奮戦記byよっさん@アコギ

わたしの音楽活動、楽器、PA、読書についての勉強を綴ります。

レッツ オペレート! PAしてみよう。

2009年07月21日 | PA勉強会
ミキサーの使い方が分かったところで、オペレートの実際に入ります。
(相生On楽工房で私が実際に踏んでいる手順であって、一般的な方法であるとは限りません。プロの方から見れば、とんでもないという部分が有るかもしれず、ごらんになる方は充分そのへんご理解をお願いします)


接続をすませたら下記の手順をふんで行きます。

対象は
1ch ドラムキック
2ch ドラムオーバートップ
3ch ベース(アンプ直又はDI)
4ch 電子ピアノ/DI
5ch ステージMC
6ch 司会MC
9/10ch CDデッキ

出力
FOH ステレオ
フォールドバック(ステージモニター) 2系統(サイドフィル)

電源はまだ入っていません。
接続が一応完了しました。(未チェック)

◎出力チェックまで
出力系統が不調だと取替がしにくいので先に出力系統のチェックをします。

1.電源を入れる
電源を入れる順番はミキサー/GEQ、CDなどを入れてから最後にパワーアンプです。ステージ側の接続がまだでもミキサー等の電源を先にいれ、CDを掛けてみます。CDチャンネルのPFLを押し、ゲイン調整をしておきます。

2.連絡方法の確認
ステージ側へのオペレータの声が届きにくい場合、明きチャンネルにマイクを1本繋いでおきます。これをAUXに送ってステージに声が届くようにするのです。こういう仕組みをトークバック(TB)と言います。ゲインは普通マイクに声を入れて調整しますが、TB用なら特に細かい設定は必要なくゲイン10時くらいでokです。

3.ミキサーのセッティング初期化
PANやイコライザ、送りボタン、ハイパスフィルタなどをチェックし初期設定状態にしておきます。各chはミュート状態かフェーダー/AUXボリュームが下がっていること。マスターボリュームも下がっていることを確認しておきます。CDは最初にスピーカーチェックに使うのでミュートをはずし、備えます。
ヘッドホンボリュームも下げておきます。ファンタム電源を使用する場合には電源を入れておきます。

4.ステージ側の出力結線完了を確認し、アンプの電源を入れてもらいます。

5.CDをFOHに出していきます。出なかったら一度フェーダーを下げて結線をチェック。CDを出す為にはchフェーダーとマスターフェーダーが上がっていないと出ませんよ。メーターがふれているかもチェックします。

6.PANを振って左右ステレオ結線のチェックをします。

7.次にFOHマスター、chフェーダーを下げ、AUXセンドへ出します。マスターを規定値0dBまで上げてからchセクションのAUXを上げていきます。2系統とも目的のスピーカーに音が行ってることを確認します。

8.有る程度音を大きく出してみてスピーカーにビビリが無いかのチェックをします。

9.音を下げCDを停めます。

◎入力チェック
1.TBで入力チャンネルのチェックをすることをステージ側に伝えます。

2.会話をしながらマイクの結線チェックをします。方法は
1)指定のNoをステージ側から聞いて(あるいはこちらから指定して)、そのchのPFLを押します。通常使う58や57マイクであればゲインは10時くらいにしておきます。

2)マイクの先をカリカリしてもらいながらヘッドホンを掛けてCRボリュームを上げていき、音が聞こえるかチェックします。聞こえなかったらチェックに入ります。必要以上にヘッドホンのボリュームを上げたままにしないことが肝心です。

3)聞こえたらTBでステージ側に伝えます。

4)DIがつながったチャンネルの場合、DIにシールドケーブルを抜き差しするので、PFLを押すタイミングに注意してください。結構大きな音が聞こえてびっくりします。シールドの先端をさわってもらい、接触音が聞こえることを確認。終わったらヘッドホンボリュームを下げ、PFLをはずします。

以上でチェックをおわります。

◎次はゲイン調整です。
58や57のマイク関連は、ほぼ出力は同じなので10時くらいにして置いて問題はありません。問題はDIを通じて入ってくるようなライン楽器です。
これには
・演奏上発生しうる最大の音をだしてもらい
・PFLを押してメーターで最大0dB少し超えたくらいを示すようにゲインを調整する

という作業になりますので、楽器がつながっていないとダメです。
バンドセッティングが終わった時点でライン系楽器を見極め、1台ずつゲインを取っていきます。
ワイヤレスマイクのレシーバーなどは、スイッチを入れて声を大きく入れてもらい、ライン楽器と同様のゲインのとりかたをしますね。

◎ステージモニター調整
通常ステージモニターへの音量の最大は、ハウリングとのカラミが出てきますが、最大でも0dB内外あるいは普通はそれより下で充分出ています。従って、適正にゲインが設定されているとすれば、0dB送り(chセクションのAUXボリュームは三角形のマークの位置=12時、マスターボリュームも三角形のマークの位置)だと小さなステージではうるさすぎ、大きな野外ライブでもそこまで上げるのはよほどステージ内が音で飽和している状態の時ですね。3人くらいのアコースティック系のバンドではchAUXは9~10時くらいで充分聞こえているはずです。はじめは9時くらいで送ってやって様子を見ます。

ステージモニターは当然「目的を考えて」送ります。全部の音は送りません。
何でもかんでも送ると逆に大きな音量が必要になりハウリングの危険性が高くなります。ステージモニターのコツはとにかく明瞭に、です。

ピアノの横のサイドフィルにはピアノを厚めにし、ベースを少しまぜるなどします。JAZZの場合ドラムのシンバルは結構全体のリズムを決めるのでOTを入れることもあります。キックはまず入れません。それらのバランスはミュージシャンに意見を聞いて決めましょう。最初は少し推測で送ってみて「どうですか?」という感じで聞いてみます。
ナカオト(フォールドバック設定)がおおむねできたらFOHに音を出してみて全体のバランスと音量を自分自身で判断して決めます。PANも自分で考えて振ります。。ステージ上の立ち位置とかを考えて。

つぎに一旦何かの曲を演奏してもらうなどして全体に問題ないかどうかを見ながら進めます。ステージ上のベースアンプやフォールドバックが大きすぎてFOHに影響をもたらすこともあるので注意しましょう。

MCは普通外部だけに音を出しますが、中にも音を送る配慮もいいかもしれません。。余裕があればね。

◎インターバル

リハーサルが終わり一旦楽器から離れる場合には、シールドの抜き差しをする場合には必ずchミュートをかけるか、マスターを下げておきます(もちろんAUXマスターも)。ヤマハのMG16はchミュート機構が無いので、マスター3つを下げるのが手っ取り早いですが、BGMも流すとなるとどうするか、そのchのSTスイッチを切り、AUXマスターを下げるのが良いと思います。
抜き差しがなければ普通はそのままかミュートですね。記録するべき所は記録するとかテープを貼るとか自分で工夫をします。なお、TBは確実に殺しておきましょう。自分の声がはいってしまいますよ。

ん~~こんなところかな、あとは実践あるのみです。ハウリングの対応については次に書いてみたいと思いますが最初は難しいと思います。以上の手順でPAオペできることをまず考えてみてください。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (よっさん@アコギ)
2009-07-28 09:05:09
コメントありがとうございます。

私も素人PAでやってますので、そのときの状況が分からないと判断ができかねます。ステージモニターはどうされたのか?など。でもまあ普通はラインで取る物ですよね。
リハ無しでもゲイン調整時間だけはもらわないと結線チェックすら出来ませんよ。音が来てなかったらPAどころではありません。
私はリハなし音出し無しの条件下なら下記のような方法でゲイン取りやりますね。
1.楽器のセッティングが出来た時点で、楽器の鍵盤を押してもらいます。ELのSPはオフ、PAではフェーダーを上げずPFLだけ押してゲインを決めます。ヘッドホンで聞きながら1人ずつ(1chずつ)やります。舞台との連絡が取りにくい様でしたら合図を決めておき、その間全員にフルボリュームでキー押しっぱなしにしてもらいます。この時点で全くPAとしては外に音が出てません。この時間は結線チェックも兼ねています。
2.ゲイン取れたら合図を返し本番準備、ここで初めてフェーダーを上げます。
3.ステージモニターは打ち合わせもリハも無しなら返し音量も経験上のボリュームで出すしかない。ELは割と定常的に音量が出るので低めです。
3.chフェーダを横一列にして、メインフェーダーは通常より少し低めにして本番開始、ここで初めて音が出ます。
4.最初の曲でまず一番に全体音量を瞬時に決め(マスターフェーダー)。あとでバランスを決めます。これはマイクでも同じですね。

いずれにしてもゲインを決めないとまともなPAは出来ません。本番直前にPFL使って、外部に音を出さずにゲインを取る。これができるかどうかです。
複数としてもゲイン決めるのに2~3分もあれば出来るでしょう。
それから出力コネクタの問題は事前に連絡をやりとり出来たはずで、我々は必ずそういう情報は先に取ります(セティング図だけでなく)。これは失敗から来た経験です。マルチまでのケーブルの長さも含め事前チェック項目です。
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Unknown (中年の未熟者)
2009-07-27 23:43:35
大変わかり易く説明されてますね。
私のような者でもイメージできました。
只今、PA勉強中しております中年で御座います。
少々ご意見を聞かせて頂けませんでしょうか?
先日、エレクトーンの野外演奏会のPAを軽い気持ちで受けたのですが、リハーサルも無くおまけに演奏者は複数でどんな音ゲインが入ってくるか予測できないのでラインで取らず、マイクで取るようにしました。この場合ラインで取るべきなのでしょうか?
エレクトーンを持ってきた楽器屋さんは何でラインで取らんのや!と言いながらピンピンコードをブラブラさせてました。
マルチボックスにはピンは挿せませんし、用意してたとしてスピーカーも安くは無いので壊したくないものですから・・・。
私の判断は間違っていたのでしょうか???
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確かに (よっさん@アコギ)
2009-07-23 15:42:19
メーカーの説明書はわかりにくいのが多いですが、有る程度のプロを対象に書かれてる物が多いですからね。
私も最初はとても手に負えないと思いましたが、ヤマハのMGの説明書などが結構役に立ちました。ネットでも入手出来ますので一度読んでみればどうでしょう。

返しは演奏者がプロに近いほどシンプルかつ分かりやすい言い方で言ってきますね。PAしてて楽なのは実は相手が演奏のプロである場合が多いです。バンドでもとてもやりやすい。
アマの場合は狭い練習場で大音量でいつも練習しているので全部の音をほしがるのだと聞いたことがあります(不安なんだと思います)。
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Unknown (fujitone)
2009-07-22 23:18:16
非常にわかり易いです。
メーカーの機材の説明書もこんな風に書かれていると初心者でもいろんな機能が使えると思うのですが。何故か難しく書かれているような気がします^^;

モニターなんですが、学生の頃「全部の音をくれ」という注文がやたら多かったです。。当然そんな事をしたらメチャメチャになるのですが。
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