On楽工房奮戦記byよっさん@アコギ

わたしの音楽活動、楽器、PA、読書についての勉強を綴ります。

リハーサルの手順

2010年08月23日 | PA勉強会
今回上月文化会館できちんとリハーサルの時間のとれたライブが
体験出来ましたので、手順なども含め書いておきましょう

事前にバンドの立ち位置を書いたセッティング図があるのでそれに従い
仕込みを入れます。もちろんを楽器をセッティングして頂きます。
モニター類はその立ち位置に沿って置いてみます。

手順は以下の通りです。

1.楽器1つ1つから音を出してもらい、ミキサーでゲインを決めます。

マイクは入力ゲインに大きな差はないのでライン楽器のゲインを取ります。
ライン楽器のゲインというのは、楽器から出てくる電圧のチェックだと
思ってください。楽器ごとに「最大電圧」をはかるのです。
これはミキサーに入ってくるライン楽器の電気が許容電圧をオーバー
しないように行う物です。オーバーすると歪みます。小さいとノイズが
載ったり、他の楽器や声とのバランス調整に支障を来します。

特に今回は、音色を替えるキーボードがあります。キーボードでは
音色を簡単にチェンジできますが、そのライブにおける最大の電圧が
どの音色から出るのかを奏者は知らないことが多いので、音色を替えて
ミキサーに送られる最大電圧を見ます。
これはいろんなエフェクタを切り替えて演奏するギタリストやベーシストも
同じです。デジタルエフェクタでは音色ごとの出力レベルを替えられるものも
あるので、その場合にはだいたい揃えてもらう必要があります。もちろん
意識的に小さくするのならそれはそれでかまいませんが、それはオペに
伝えるべき情報です。

他にはBAL OUTに直結しているベースアンプや、アコースティックギターも
そうです。強く弾いてください、というのは最大をとるためです。
また持ち込みのマイクなどもマイクから出てくる電圧が分からないので
リハーサルの時に決めます、今回はワイヤレス入れて3つありましたね。

前述のように他の楽器から出てくる電圧をチェックするのが目的なので
本番には絶対に音量を変えてもらっては困ります。
時々なぜか本番の時にリハーサル設定のままのはずなのに音量が極端に
小さくなったりすることがあります。楽器のボリュームを触ったり、
DIかなにかでアッテネーター(抵抗)スイッチの操作ミスが原因です。

こういった事が本番で生じると、オペは困りますので慌ててそのchの
ソロボタン(プリフェーダーリスン)を押してゲインを取り直したりし
ますが原因が分かりませんからヒヤヒヤ物です。

2.マイクやライン楽器のゲインが全て取れたら全体で演奏してもらいます。
これは表(おもて)の音の音量バランスを見るのと同時にステージモニターを
ミュージシャンに聴いてもらうためです。
オペはこれまでの経験とステージモニタースピーカーの配置から有る程度の
モニター音量を事前に上げておきます。つまりメインボーカルの前にある
フットモニターにはVoの声を、規定値レベル(0dB)より少し下くらいで
入れたり、サイドフィルには全体に薄く載せてあげておきます。ギターさん
の前に有るフットにはギター&ベースを入れたり自分のchoの声を入れます。
これで一度演奏して頂きます。

3.途中で曲を止め、ミュージシャンに意見を聞きます。もう少し自分の声を
大きくとか、ベースが欲しいとか。これは各自の練習の時に自分が何を頼りに
練習してきたという経験にもよるので人によって様々。きまったセオリーが
有る物ではありません。だいたいステージ経験の多いプロの方がシンプルかつ
小さい音量で演奏されますね。何でもかんでも送ると必然的に中の音が大きく
なってしまい何がなんだか分からなくなります。必要最低限でということも
必ずオペも考えておきます。ギターを上げてくれ→ベースが聞こえないから
上げて→自分の声が聞こえなくなっちゃった→上げてくれ の繰り返しです。
こういった目的ですから出来るだけ多くの楽器や声の入る曲を演奏してもらい
中の飽和状態が短時間で見極められるようにします。
ステージのスタッフが実際に聴いてみて判断する事も必要です。

4.要望を有る程度モニターバランスの反映し再び演奏してもらいます。意見
を聴きます。

5.曲調の違う物があればやってもらいます。

6.以上でモニターバランスが決まったら、モニターの位置や楽器の位置、
マイクスタンドの位置を床に記録します。(これを場見るといいます。)

7.卓のモニター用ボリュームやフェーダーの位置を記録用紙に記入し本番の際に
戻せるようにしておきます。


私はこれまでの経験から、入念にリハーサルでゲインを固定していても
本番でなぜか変わってしまっている経験がよくあります。
原因はなかなか特定来ていません。もしかしたらアンプを触ってるかもしれ
ないし、DIの設定が知らぬ間に変わってるのかもしれない。
そういう事もあり得るのだと言うことを前提に仕事をしないといけませんね。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (HFJ)
2010-08-23 23:35:49
昨日はありがとうございました。
おかげさまでとてもいいライブになりました!

個人的には今回ステージスタッフを初めてさせてもらいましたが、その大変さが分かりました・・・。
マイクスタンドや楽器の位置は床に記録しとけばOKやろ!と思ってましたがとんでもなかったです・・・。転換中、何か抜けがないかめっちゃ不安でした。出演者ごとのセッティングを記録したものを手元に持っておけばチェックできたのに・・・と反省してます。

他にもいろいろ反省点はありますが、とてもいい経験になりました。次に繋げていきたいと思います。これからもいろいろ教えてくださいね!

返信する
お疲れさまでした (よっさん@アコギ)
2010-08-24 07:36:02
HFJさん、ステージ担当それに演奏お疲れ様でした。

実は僕たちもいつもの担当とは違う役割をしていたのでかなり不安な状態でした。転換の際に完ぺきに戻すにはバミリ以外にメモは絶対必要ですね。でも今回のライブは大きな失敗は無く上手くいったと思います。
反省点を踏まえ慣れてくると自然に失敗は少なく、かつ小さくなっていきますが、気を抜くとすぐにまた・・・
なかなか大変です。

またその辺はこちらに書いてみましょう。これからもよろしくお願いします。
返信する
Unknown (NDJN)
2010-08-25 00:08:10
遅れて申し訳ありません。taekobandのNDJNです。先日はお疲れ様でした。僕たちも初めてのことばかりで、戸惑うことばかりでしたが、皆様のおかげですばらしいライブが開催できたと思います。本当にありがとうございました。
ブルームカフェうちの家でも一番話題になってましたよ。あの人たちはプロなのか???
返信する
お疲れ様でした~ (よっさん@アコギ)
2010-08-25 08:42:01
NDJNさん、ステージではいろいろ大変でしたでしょう、お疲れ様でした。なかなか慣れないと気ばかりが先行して。。って経験はずいぶんやってきました。僕らもいつまで経っても完ぺきにやれないです。

ブルームカフェ。ちょっと異色の楽曲だったので聞き慣れない演奏だったかなと思います。雰囲気はそれらしくなってきたかな??話題にして頂き光栄です。

返信する