5月22日、クレディア再生計画案提出が通知された。
以下の想定の上、48ヶ月の収益見通しをしてみる。
買収価格は、360億円と憶測される。そこで、かざかファイナンス(アドバンティッジ・パートナーズ)は、60億円の株式出資、300億円の貸付をして、買い取ると想定する。
債権カット率を提案どおりに、手続きの今後の予定にあわせて、予測してみる。
想定条件は、表に記載の通りで、概説する。
- 2007年9月末の貸付残高を940億円
- ネット月次元本返済率(既存客への途上のリボなどの再貸付額を差し引いた元本支払い率)を2008年末まで貸付総額x2.5%、2009年を2%、それ以降1%(新規客への貸付もあるので)とする。
- 金利収入は、当初、貸付金の2/3が100万円以内のローンとして、年15%、それ以外は18%とする。2010年以降、15%金利ローンは、15%を占めるとし、85%が100万円以下ローンとする。
- 正常債権比率を93%
- 金利、貸倒費用を除く販売管理費を2008年まで貸付増額x年6%、それ以降、5.5%
- 過払い金は、30万円まで全額、それ以上は4割払われるとし、30万円以内が全体の2/3を占めることから、過払い金請求に対する返済率を、80%とする。そこで、2009年までは、貸付総額x年2.4%、それ以降1.6%とする。
- 貸倒率を、2008年年12%、2009年10%、それ以降8%とする。
- 証券化の費用を年率4.25%x負債額とし、2007年9月以降、全部がターボ早期償還により担保回収金全額で返済されているとする。担保債権額は、パススルーによる減額がなく、一定額が維持されるとする。担保設定額は、表の通り。
- 当初借入れ300億円の金利を年4%とする。ネットCFにより、毎月償還するが、CFは黒字でも、貸倒償却すると赤字になっているので、元本返済開始するかは、経営判断。
- 表で、収益は貸倒償却前、所得は、貸倒償却後の利益
- 所得÷2をIRR10%で割り引いたのが、CFPV
- 上記想定では、経過48月で、借入れ残高は40億円まで減少し、58ヶ月でゼロになり、そのとき、貸付残高は180億円存在する。
収益見通しの結論
貸倒率が経営のキーポイントになる。販売管理費は、経営指標として変動しないで固定できるが、貸倒率、過払い金返還率は、将来予想に頼ることになり、どうなるか客観的合理性のある見込みが立てられない賭博的投資となる。そのため、買取額は、借入額を決定し、費用を確定することもあり、慎重を要す。
上記条件であれば、過払い金料率が貸付額x2%とすれば、貸倒が9.4%以内でない限り、利益がでることはない。永遠に赤字ということになる。
現状が大きく変らないとすれば、2009年の損失は、12億円を超えることが予想されるので、利益を上げるには、4年に上る長期戦となると見られる。
詳細は、以下に。