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秩父そば処 「しんべい」 (横瀬そば会)

完全自家栽培、自家石臼製粉、手打ちそばを提供するそば店

せいろ

2014-07-16 16:53:24 | そば打ち
今まで述べたことに留意し作ったのが、下のそばです。

茹でてしっかり水を切り盛り付けました。盛るといっても、積み上げると中心部の水が切れず、香りを感じることができませんので、薄く平らに盛り付けました。

「ソフトでいいコシ」のあるそばを打つのは難しく、まだまだ道中ばです。



石臼についての記述中に、そば打ちについて書いてきました。夏の間は、ソバの栽培などがありますので石臼については、秋になってから書いていきます。ソバの栽培状況については、時々写真をアップする予定です。

切り(2)

2014-07-16 11:18:01 | そば打ち
めん状にしたそば一本の断面を縦長方形にする意味はもう1つあります。それは茹でに関係します。

前回の断面図から、AとB面はより固められ、CとD面は切断面ゆえに固められていません。それゆえ、茹でるために釜に投入されたそばには切断面のCとD面から熱湯が差し込むはずです。おそらくこの面からほとんどの熱湯が差し込むと判断しても間違いないでしょう。この差し込んだ熱湯によって、そばは茹でられます。

固められたAとB面の面積が大きければ大きいほど、短時間に差し込む熱湯の量は少なくなります。それは、茹で時間がより長くなることを意味します。茹で時間が長くなればなるほど、美味しいそばの第1条件である「香り」が失われてしまいます。

茹でにおける「香り」の損失は、まさにそばを食す直前までの全工程の中で、最も大きい部分を占めます。それゆえ、縦長方形に切るのが決定的に重要だと、私は考えます。

切り

2014-07-15 11:43:42 | そば打ち
一般に、切った状態から、そばは「切りべら」、うどんは「延しべら」と言われます。
それは、下の図のように、めん1本の断面がそばは縦長方形にうどんは横長方形に切られることを意味します。



ここでは、うどんの場合の考察は別にして、なぜそばの場合には縦長方形になるように切るのかを考えて見ます。

まず、Aが上面、Bが下面、CとDが切り口の面です。A面は、麺棒によって絶えず強く押しつけられて切りまできます。それゆえ、表面がどの面よりも固く押し固められています。B面も、麺板に押し付けられることが多いために、A面程でなくても固められています。

一方、CとD面は、包丁によって切られた面であるがゆえに、AやB面よりははるかに柔らかくなっているはずです。とするならば、柔らかく感じられるCやD面の面積を、AやB面のそれよりも大きくする方が、硬質な感じのそばではなくソフトでいい感触のそばになるはずです。

これが、そばを縦長方形に切る理由です。そして、その縦長方形の縦と横の割合をどのようにするかが次の問題になるはずですが、ここでは割愛します。

縦長方形に切るのにはもう1つ理由があるのですが、それについては次回考えていきます。

そば打ち(16)

2014-07-14 13:11:46 | そば打ち
麺棒の使い方の2点目についてです。

四つ出しの後、そばを麺棒に巻きつけて大きくしていきます。その後、麺棒を手のひらにいれコロコロと転がしそばの厚さを均一にする操作をします。厚さを均一にすることは必須なので、この操作をすることはやむ得ないことです。

しかし、私達は、厚さを均一にすることを重視するあまり、この操作を過剰に行いがちです。実は、そばの表面を固めるという観点から判断すると、この操作が最悪の影響を及ぼします。コロコロ転がせば転がすほど表面を固めてしまいます。

悪いことに、この時の麺棒の使い方には、工夫をすれば悪い影響は最小限になるなど方法はありません。ただ、この操作を最小限にして、しかもそばを均一にするかを考えるより他に方法はないのです。

ここまで、長くなりましたが、「ソフトでいいコシ」のあるそばを打つにはどうしたらよいかについて私見を述べてきました。

そば打ち(15)

2014-07-10 15:46:39 | そば打ち
「ソフトでいいコシ」のあるそばを打つ5番目のコツは、麺棒の使い方についてです。

2つありまして、1つは麺棒を押しけるように使うのを多くすることであり、もう1つは厚さを微調整するとときに使うコロコロと転がす操作はやたらに使わないことです。

今回は、前者について触れていきます。

前回、そばの玉を延すにはまず手でできるだけ大きくするのがよいと述べました。その後、麺棒で延し始める訳ですが、この時麺棒で一気に延していくのではなく、力を入れることと力を抜くことを交互に繰り返して、延していきます。

この手法は、麺棒を使って捏ねている作業と同じような意味を持たせることができる点がよいのです。つまり、捏ねている作業に似ているとは、そば本体の表面を固めることが少なくなるということです。

さらに、大切なことは、この手法で延していくのを多くすることです。できうるならば、四つ出しを開始する直前までもこの方法で進めます。

私は、何よりもそば本体の表面を固めないことが大切だと考えています。