~我が国独特の日本語の和の発声~
一語一語強く、大きな声で姿勢を正し謡を稽古するこで、生活の中で、相手に正確に言葉を伝える技術が身に付きます。自分の呼吸について知ることになります。
~能を観たり、学ぶことで、美しさの価値観を育てる~
能舞台、能装束、面、立ち姿、摺り足、舞、型、謡、、、すべてに先人達が「美」について追求、思考し現在に至っています。能からいろいろな芸術が派生しています。
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能は能面をかけて、謡い舞います。
能面をかけると視界が狭くなり、平衡感覚がなくなります。そこで、まずは能面をかける前に、謡と舞をしっかり身につけ、その後で能面をかけていても能面をかけていない時と同じように舞い謡えるようにしっかりまず学びます。
◎謡(うたい)とは?
日本語の文化から生まれた芸能である「能」で演じられる台本の中の台詞(会話やモノローグ)とコーラスを独自の節で謡うものです。ですので、長い時間の中、我々日本人が話す日本語が相手に伝わるための稽古法が口伝、継承されてきています。(西洋の言葉には西洋の芸能にその稽古法があるのと同じです)
息を吐き、そして息が入ってきて、言葉一音一音をはっきり強く謡う、この繰り返しの稽古により、日常の言葉にも強さや大きさが加わり、人との会話、人前で話すときに、聞き取りやすくわかりやすい言葉になります。
下の写真は「梅若謡曲教本 第一巻」という謡本で、「鶴亀」という能の作品から始まり、基本をゆっくり順番に学べるようになっています。
下の写真は能「八島」の作品の謡の本の最後の部分です。
下の映像では一番後ろで4人の方々(地謡ージウタイ)が歌っているのが謡です。
◎仕舞(しまい)とは?
下の映像で舞っているのが仕舞と呼ばれてます。
1時間前後の能の曲の、特に見せ場となる部分を抜き出し、能面や能装束を着けずに紋付袴を着て、お囃子(楽器奏者)もなしで、謡にあわせて3~5分ぐらい舞うものです。
構え、摺り足などを学びながら、基本の型を曲に沿って勉強します。
自分の息に集中したり、一点に集中しそこに向かって重心移動しながら動く、など日常から離れ、心の集中の訓練にもなります。また、姿勢を正し、すっとリラックスして立ったり、座ったり、歩いたりすることで、日常の体のゆがみに気づいたり、健康的な身体づくりにもなります。
☆お稽古は、服装は自由です。(もちろんお着物でお越しいただける方は大歓迎です。)
足袋(なければ靴下)と扇のみでスタートできます。はじめは扇はこちらでお貸しいたします。
足袋は着物屋さんや、楽天、アマゾンでも買えます.
例えば:新宿津田屋(新宿駅のルミネ4階です)
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謡は、江戸時代から稽古事として楽しまれてきました。
現在でも、結婚式には謡曲『高砂』の待謡「高砂や この浦船に帆をあげて~」からや、「所は高砂の~」、「四海波静にて~」「千秋楽~」から、謡う習慣がありますので、結婚式や海外でのパーティにて皆様に喜ばれるかもしれませ ん!
江戸時代には大ブームが起こり、謡曲は「カラオケ」の ように楽しまれていたらしいですが、伊勢物語や源氏物語、平家物語などの古典文学の知識を謡曲から学ぶという意味もあったようです。
近世文学を代表する近 松門左衛門らの作品を少し読んだだけでも謡曲からの引用・題材を見つけることが できます。
~ 梅若式例小謡集に沿って謡を稽古すると様々な状況にふさわしい謡が勉強できます~
小謡とは:祝儀や宴席で謡うために、謡曲の中から抜き出した一段
●婚礼
高砂 芦刈 など
●慰霊
海人 玉葛 誓願寺 清経
江口 融 当麻など
●神祗
高砂 春栄 嵐山 老松 岩舟など