新刊です。「横濱 唐人お吉異聞」(講談社)。
唐人お吉は芝居や映画で有名な女性です。
日本と通商条約を結ぶため、伊豆の下田に滞在していた
初代アメリカ総領事、タウンゼント・ハリスの愛人だったとされています。
実在の人物だったことは確かなようですが、その生涯は
謎に包まれています。
わかっているのは、下田の奉行所がお吉をハリスのもとに
送り込んだものの、ハリスは彼女を気に入らず、三日で返して
しまったということだけ。
しかしその後、彼女をモデルにした小説や戯曲がさまざま
発表されるに及んで、お吉像は一人歩きし始めます。
明治初年から四年まで、横濱の元町に住んでいたというのも
そうした伝説のひとつ。
お吉だと称される美しい女性の写真同様、なんの証拠もありません。
私の小説も、いわゆる「お吉伝説」をもとにした創作です。
明治四年、横濱から姿を消したお吉が、八年後の
明治12年、再び舞い戻ってきます。
この小説のヒロイン、瑠璃が、そのお吉と出会ったのは、
元町・増徳院の御薬師様の夜。
その日から、瑠璃の身辺で次々と怪しい出来事が起き始めます。
お吉はいったい何を考え、なんのために横濱へ戻ってきたのか。
瑠璃の恋はどうなるのか。
明治の横濱風景とともに、物語を楽しんでいただけたらと願っています。
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冬桃
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